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【大分】vs徳島(H)積み上げと可能性

開幕……しちゃいましたね。早い。
主力のブッコ抜かれ具合を他所さんは心配してたり降格候補にしてたりとまぁ下馬評は低めな我が軍。でもやれることを表現できるだけの力はあるし、ちゃーんと準備ができるチーム。だから覚悟を決めて突っ走るのみ。楽しみ。

とりあえずスタメンから。

大分トリニータ

3バックどないすんねん!は、新戦力の坂とバーサーカー小出。右シャドウにイケメンの渡邉新太。で、左右がけんたとけいた。けんたはひょっとしてスタメンあるかな~とは思ったがまっさか開幕からそんな冒険しないやろ~!ってので片野坂さんに裏の裏をかかれました。悔しい。


徳島ヴォルティス

個人的に好きだった藤田征也がベンチスタート。なんかルーキーなのにすごいとウワサになってた藤田譲瑠チマが早速スタメン。阪南大で印象的だった吹ヶがJ1どころかリーグデビューらしい。陽気な筋肉っぽい印象のジエゴはメンバー入りしなかった。
とにもかくにも昨年からあんま追えてなかった徳島。んで監督もまだ来日できてなくて全く読めなかった。そりゃいろんな想定をしなきゃならん。難しい……


概要

・大分の4-4-2の意図
・両チームのゾーン別の可変
・大分の①課題と②ジレンマ

この4つで。


大分の4-4-2の意図

一昨年、昇格の時は疑似カウンターが嵌まって藤本(神戸)やオナイウ(横浜FM)が躍動。しかし夏頃から対策をされてしまい、「ボールを保持したまま敵陣に入ること」を迫られる。そっからどうするよ?ってのが昨年。
昨年はコロナのせいで過密日程→スカウティングを落とし込めないジレンマのなかで戦術的な改革は行われなかったけど、替わりに3-4-2-1でできることは増えた。ビルドアップの形のマイナーチェンジだったりボールの逃げ所の設計だったり。積み上げは出来たが頭打ちになりつつある感じはあった。

ここまでが前置き。
シンプルに4-4-2の意図を説明するなら

・守備で5-4-1にならないように(重心を上げたい)
・組織から個への転換
・ボールをより前で持ちたい

の3点でしょう。
そのためにやることは?というと、一番大きいのは「ボランチをDFラインに落とさない」事。
これはシーズンを通しての命題だと思っとります。


両チームのゾーン別の可変

大分はボール非保持、徳島はボール保持で特徴が出ていたのでそこら辺を。

大分

ベース


敵陣でのセット(相手の自陣でのビルドアップ)
・コンパクトに、スライド意識
・横を1レーン分圧縮
・内→外へ追いやるイメージで


自陣での守備
・スペース埋める


特徴的だったのは敵陣でのセット。
チームとして前から嵌めたいのが今年のやりたいことなのでだいぶ変更をしてました。
顕著に違いが現れたのは2列目の動き。
野村と井上は敵陣ではハーフスペースに立ってサイドに誘導。サイドチェンジにはスライドで対応するぜ!がモットー。
押し込まれたら素直に5バック。


徳島

ベース


自陣ビルドアップ
・岸本上げるよ
・藤原はサイド張っとけおじさん
・前3人は背後と間を意識


敵陣での保持
・吹ヶ上げてボランチのどっちかがスペース埋めるよ
・藤原!勝負や!
・垣田ポストプレー

ありがちな4バック→SB片上げだったが緻密。
自陣では右サイド上げて循環。押し込んだら逆サイドもあげるぜ~!なやり方。
とにかく選手個々の動きが特徴を生かされたまま整理されてた。運動量あって仕掛けられる岸本を上げつつ藤原はウインガー的な立ち回りでできるだけハーフラインより下がらない。その可変をするにはDFラインが勇気を持って前進すること。前半の初っぱなでJ1初上福元(チャリーンしたり、ボール回しはヒヤヒヤものだったけどめげなかった。

大分の課題

そんなこんなでここまでで大体ゲームで言うと30分くらい。飲水タイムまでの両チームの立ち位置としてはどちらも理に敵ってるな~って印象でした。が、大分はボールが持てなかった。それは何故か。
ということで、それぞれの可変を組み合わせて動かすと分かりやすいと思います。

gifです!動いてるかな……?

徳島の良い所と大分の悪い所が出ました。

徳島の良かったのは2つ。
GKからのビルドアップで吹ヶや福岡がボールを受けるときに「開いた場所」に動いてた所。ライン際に開いて受けることで時間が作れます。相手がプレスをかける距離が長くなるし、タッチラインまで開いてるので視野が確保できる。
もう1つはボランチ。基本的に横に並ばない。片方がDFラインの前でビルドアップの出口になってるときは、相方は「奥行き」を作る。横並びなら守備をする側からすると2度追いができるし、プレッシャーを受けるボランチはよっぽどスーパーじゃない限り前を向けない。が、ボランチに段差を作ってやるとパスを半身で受けられる。ターンしやすくなるし近い選手との関係性が作りやすくなる。

一方の大分。
幅と奥行きを上手いように使われて後手を踏む。
想定では吹ヶや福岡の場所で囲って蹴らせて回収を狙っていたが、GK→DF→GKとパスが1つ回るだけで大きなエラーが出てしまった。それはボールと逆サイドのSHが浮く所。
上のgifでは野村の所。白塗りの箇所に居ると野村は福岡にプレスに行くには遠く、サイドの岸本のコースを消しにいくと岩尾が空き、岩尾のコースを消しに行くと1つ飛び越えて浜下がフリーに。
動きたいけど動けない。ハッキリできない。つまりはピン止めされてしまう。なら、徳島は垣田が背後を狙うし、サイドの岸本にボールが入ると高畑は岸本と浜下を見ないといけない。

つまるところスライドが上手く行かず、そうなったときの対策は今のところ準備ができていないわけだ。ここは早急になんとかしないとGK+DFラインだけで回してるだけで勝手に大分が崩れるだけになる。誰が守備の方向づけをするのかは4-4-2をする上で大きな悩み所になるだろう。



大分のジレンマ

ざっくりと徳島ペースだった前半。こんな理由だったと思います。が、後半から大分は「いつもの」ボランチを落とした3-4-2-1に戻してからボールの保持を目標にする。マーカーがハッキリしたため球際の強度で差を魅せてくれました。と、なるとトップカテゴリーで継続してきたことがバーンと強みとして出せて追い付いた。そんな90分。(雑)

今まで通りやれば勝点は拾える。が、勝点3を奪いに行くにはやはりこちらから仕掛けない限りは変化に乏しい。と、言うことで4-4-2を織り込んだら、スライドの整理ができずに1つずつズレて歪みが大きくなる、と。
まだ開幕戦なので近い選手どうしが連動があまり見られなかった事もあり一概には言えないですが、リスクを負う覚悟を持たんと今年は難しいと感じます。

積み上げは感じ取れた。この開幕の90分を無謀と取るか可能性と取るかでずいぶんと違う一年になると思う。大分トリニータはやれるクラブ。やるっきゃないぜ!2021年!!


写真は大分トリニータ公式サイトより引用。

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