打首獄門同好会「サクガサク」元ネタ解説

打首獄門同好会の新作PVが９月１１日に公開されました。タイトルは「サクガサク」。タイトルの通りアニメのオマージュ、パロディがふんだんに詰め込まれて、アニメ好き、特に作画好きにはたまらない作品になっています。カット割りがめちゃくちゃ細かく、しかも元ネタの範囲も広いので、元ネタを探してみたら面白いのではないかと思い、記事にしてみました。
なお、僕は業界人でも専門家でもないので、間違っているところ、分からないところも多々あります。ご指摘ツッコミなど大歓迎です。

Aパート

うーむいきなりわからないのが出てきてしまった。髪型は勇者ロボ系っぽいけど、絵柄自体は結構今風ですね。

純ファンタジーっぽい雰囲気ですが、肩アーマーの形が90年代っぽい。恐らくはロードス島戦記あたりではないかと想像します。

絵柄の雰囲気はちょっと違うものの、主人公っぽい立ち位置にいるのが女性で蹴りをメインに使う格闘技ものということで、エアマスターかと思います。

総髪でたすき掛けにした剣士＋筆っぽいエフェクトということで、これはわかりやすく「バガボンド」ですね。そういえば漫画の方、続きはどうなってるんだろう？

美樹本晴彦キャラデザっぽいまぶたの線とか唇の感じからすると、マクロスのリン・ミンメイ…と思いましたが、このポーズはメガゾーン23の時祭イヴのほうが正しそうです。

けいおんとかっぽいのですが、実際よくわからず…。鞄につけてるマスコットキャラがヒントになりそうなのですが…。

男女のすれ違いラブコメっぽい雰囲気ですね…。ふたりとも頭が良さそうな感じがあるので、かぐや様は告らせたいあたりが思いつきましたが、最近すぎるかなあ。女の子の方、キャラデザになんとなく馬越さん味がありますが、さすがに関係ないかな。

野球ものも多すぎて絞りづらい！ユニフォームがシンプルなあたりはおおきく振りかぶってっぽいのですが、髪型とかキャラクターの雰囲気が全然違う…。MAJORとかと混ぜてるのかもしれません。坊主頭なあたりはキャプテンも入ってる？

サッカーものもたくさんあるのですが、このシーンの足の上がり具合と、このあとの球のゆがみ具合からするとキャプテン翼ではないかと。

バスケもの＋赤色がテーマカラー＋ちょっと目つき悪い、で黒子のバスケの赤司征十郎ですね。

これもちょっと確信が持てないな…。
ポーズ的にはライダーキック（特に初代寄りの方）か、スーパーイナズマキックっぽいのですが、両方別にこんなプロレスラーみたいな格好してないし…。ノノリリの方のイナズマキックかも。

これはマジンガーZ＋ゲッターロボのあわせ技です。
首のスカーフと頭にある亀甲模様はゲッターロボ（ゲッターロボは顔面が亀モチーフになっている）、マジンガーZは最終回でぼろぼろになり、以降グレートマジンガーと世代交代します。

アイドルものも多々あるので迷わしいところですが、三人組のテーマカラーが赤青黄なのでアイドルマスター（こっちは最近のだけど、キャラデザ的には初代の方が近そう）ですね。

ここはカットが短すぎてかつ絵柄に癖がないのでわからず…。何か落ちていくアニメ？？？

これも短いので分かりづらいのですが、髪型の雰囲気と二面性っぽい表現からして恐らくパプリカなのではないかなと…。

これは一番分かりやすい（笑）。おジャ魔女どれみです。作画まで細かく雰囲気出ててすごい。

一見なんだろうと思いましたが、短髪＋鉢巻＋黒服と、半裸＋長髪＋青い服が対峙しているという構図から見るとストリートファイターのアニメ版ですね！（服の色だけ白と黒、赤と青に反転している）

こ、これはさすがに分からない…（僕少女漫画系弱いので…すいません…）
何か少女漫画的なテンプレかな、とも思いましたが、他は明確な元ネタあるので違いそう。

影のタッチ的にはBONESかIGっぽい…。
雰囲気はPSYCO-PASSが近いのですが、大きな特徴である銃の形が全然違ってリアルに寄せる書き方をしてるので、どうも決め手に欠けます…。

髪型と影の雰囲気、ヒーローっぽいコスチュームから、僕のヒーローアカデミアですね。

Bパート

鼻に絆創膏！考えてみれば鼻に絆創膏って漫画のキャラでしか見たことないな…。起源はどこなんでしょうか。
絵柄的には番長モノっぽいですが、男一匹ガキ大将かなと思って検索してみたらあれは頬だった…。車田正美キャラにも鼻に絆創膏をつけた番長系キャラがいた気がしますが、誰だったかなあ。

ジャージ＋手を後ろにだらんとした走り方から、NARUTOですね。

これも分からない…。長髪の剣士と二刀流のアサシンっぽいキャラ。
背景を見るにヨーロッパ風なので、Fate的な何かかなとも思いましたが…。

これは正直全然わからないです（笑）。そもそも何なんだこの人は。生きてるの？ゾンビ？？

これもちょっと明確には出てこないですね…。パースが勇者ロボ系っぽいのですが、構図とか色使いを見ると右側の人影が主人公サイドっぽい…。

陸上競技でアニメとなると、風が強く吹いている、ですかねえ。アニメは未見なのですが原作は読んでまして、面白かったです。あと「大運動会」とかもあるけどぜんぜん違う（笑）。

すいません！このへん全然分からないです！目力の強い女性がこちらを向いているカットとかなんとなく見覚えあるんだけどなあ…。

髪の毛とヒゲがモジャモジャで不敵に笑う王様っぽい男性キャラということで、Fate/Zeroのライダー？ちょっと絵柄が違うので、他になにか元ネタがあるのかもしれません。火の粉が散ってるあたりそれっぽいんですけどねえ…。

これも分からず…。少女漫画とかのアニメ化？口元の書き方はちょっと昔っぽいのですが、前髪の処理とか目の色使いとかは今どきっぽい。

うわーこのキャラデザ絶対見たことあるんだよなーーー！！NHKかテレ東か、1994年くらいとかその辺だったと思う…。等身のバランスとか、目のハイライトもこんな感じだった！検索もしてみましたが、残念ながら思い出せずです！

うーんこれも思い出せず…。この後単身敵に向かっていく、みたいなシーンっぽい（笑）。見たことありそうな気はするのですが。

茶色の髪の主人公っぽい女の子と、黒髪のサブキャラで、カードキャプターさくらだと思われます。ちょっとキャラデザの雰囲気が違うのが気になるところですが、背景に桜が描かれているのがヒントかなと。

テニス、かつキャラデザの感じからすると、ベイビーステップっぽいですが…。髪型とか鉢巻の意匠が違うのが気になりますが、少なくともテニプリではない！

これは分かりやすい。北斗の拳のラオウ、「我が生涯に一片の悔い無し」と言っているシーンです。

Cパート

長かった…。さて、ということで、ここが折り返し地点です！
ここからは恐らく監督（と打首のみなさま）の趣味ガンガン出していくパートになりますよ！！

バンドメンバー登場シーン、この透過光の書き方は金田伊功さんというアニメーターの方が発明した表現です。エフェクトやパースや動きなど、後世のアニメーションに大きく影響を与えた凄い方だと思ってください。最近だとプロメアなどを監督している今石さんがかなり直接的に影響を受けています。

モロなシーンは見つけられなかったのですが、ちょうど上の動画のサムネイルになっているラッキーマンのシーンの光の形はそれっぽいですね。

このシーンは1983年に行われたDAICONというSFコンベンションのオープニングとして使われたフィルムが元になっています。作ったのは庵野秀明、赤井孝美、山賀博之など、元ガイナックスのメンバー。アニメーションは今見ても高クオリティで、ELOの曲とのシンクロも美しいです。マクロスのヴァルキリーがビームサーベルを抜くとかいう同人ノリのボケも面白い。

こちらの色とりどりの閃光が空を自在に動くというのも、同様にDAICON4のオープニングフィルムから。

ラストに向けて二人が登場するカットは、先程もあげた金田伊功さんが作画をしている「銀河旋風ブライガー」の冒頭のシーンからだと思われます。

いやあ、Cパートは趣味もりもりで、「俺が好きな作画はこれだ！」っていうメッセージを感じられて楽しいですね。

ということで！「サクガサク」、通して元ネタを探してみましたが（思ってたより分からなかった事にびっくりしましたが）、理解の助けになったり、新しいアニメを知るきっかけになって貰えれば嬉しいです。