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【半分こ】

もしも、自分の性格や考え方、自分の内面が好きになれないのなら。

まずは自分ではない何かのせいにしてみるといい。

なんでかって、あなたは環境の中で育ってきたから、生きてきたから。

自分の身の回りに巻き起こる様々なことに囲まれながら、
それらのひとつひとつに自分を反応させながら生きてきた。

そうやって変化してきた。育ってきた。

だから、自分が好きになれないのなら、まずは何かのせいにしてみるといい。

どの出来事が自分に変化をもたらしたのか。今の自分の姿に仕立て上げたのか。

自分の人生を細かく振り返って、その原因や環境を探してみるといい。

細長く続いてきたものかもれないし、一瞬の出来事やたったの一言がそうさせたかもしれない。

まずはその出来事や環境をできるだけ詳しく探してみよう。

それができたのなら、

次は、

その気持ちを半分こして、半分の責任は自分に向けるといい。

なんでかって、その出来事や環境に反応して形を変えたのはあなた自身だから。

結局はそこに引っ張られ、巻き込まれ、もしくは関わらないという形で変化してきたのは、他のだれでもなくあなただから。

だから半分の責任はちゃんと自分に置いてみるといい。

でも、自分を責めるつもりはないし、自分を嫌いになる必要もない。

半分を自分の責任にしてみたのなら、なんで自分はそんな風に反応したんだろう、と考えてみる。

その環境に逆らうように生きることもできたのに、そうではなく今の自分が出来上がった理由を考えてみると面白い。

自分という人間が何に重きを置き、何に流され、何には立ち向かい、
人生の中で何を大切にして生きてきたのかがわかる。

そんな感じで、「嫌い」という感情を一度わきに置いて、自分のことを冷静にじっくり見つめてみるといい。

「なーんだ、私はそういうわけで、ぐにゃりと変形したわけか。」

と理由がわかってくる。

そうするとなんだか少し嬉しくなる。

ふむふむ、そういうことね、と余裕が出てくる。


そこまでできたのなら、最後にはこうするといい。

これからそういう環境に出会ったら、自分はどんな反応をしたいのかを考えてみるといい。

これからは、こんなふうに反応してみよう、と考える。

または、環境に関わらず、これからの自分はどんな反応をして生きていきたいかを考えてみるといい。

なんだか自分の輪郭がはっきりと見えてきたようで嬉しくなる。


嬉しいなぁと少し気持ちが上に向いた時には、
一番最初に誰かのせいにしていた気持ちはほとんどなくなって、
周りの何かよりも、グッと自分の内面に興味が向いていて、

これからの自分に気持ちが向いている。


そうそう、なんかそんな感じで考えることが私は一番いいと思うんだよね。

全部自分のせいだと思うのは少し苦しいから。
だれも傷つけないのかもしれないけれど、代わりに自分が傷ついてしまうから。
それで自分のことを嫌いになっても何もいいことないから。

だから、まずは何かのせいにする。
半分は自分が引き受ける。
その理由を考えているうちに最初の「何か」はどうでも良くなって、
代わりに自分に対する理解が得られる。
そうするとこれからの人生が少しずつまた変わっていくことができるかもしれないと思えたりして、なんだか楽しくなってくる。


どうだろうか。こんな方法もあってもいいなって。


そして最後に大切なのは、自分が誰かにとって同じように悪い環境にならないように優しく生きること。この世界のスパイラルに力を貸さず、少しだけ反発して生きること。


「自分が嫌いだ」と内面に深く向いていた矢印が
外を向き、もう一度自分の内面に戻った後に、
また最後は外側に向いていく。

矢印が外へと戻ったとき、それは誰かのためになる。
そこに救われる人や場所が生まれる。

「救う」ことは決して、穴に落ちた人を引き上げることじゃない。

「ただ普通」であることを守ることだって、立派な役割であり「救う」ことだと思う。

保つこと、守ること、そうやってみんなでバランスをとりながら私たちは生きている。地球もバランスをとっている、私たちの心もバランスをとっている。


もしも、自分の中に好きになれない何かがあるのなら。
そんなあなたに届いてくれたら嬉しいです。



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