在宅学習

しあわせホテルの宇賀です。
 自宅で私と共に「在宅」していた私立中学生の息子と公立小学生の娘が明日から登校することになる。
 息子の方は私立だから学校側から様々な在宅プログラムの提供、例えばオンラインのホームルーム時間、教科毎の先生による動画配信、毎日6時間は時間をかけないとこなせない量の課題を学校へ毎日オンライン提出、フィリピン人とのオンライン英語レッスン、体育教師からの運動メニューに基づく毎日のランニングなど、「在宅学習」という新たな学習機会が息子にとってある種の成長をもたらしたのではないかと私は考えている。
 一方、小3の娘の公立小学校からは殆ど何も提供されない上に外へ遊びにもいけず、完全に幼稚園児に戻ったような生活だから、私から見ると心身共に娘の痴呆化が進んだようにしか見えない。
 二人の子供たちを見て、改めて「学校」のあり方って何だろうと考えた。
 知識を習得するためだけの「授業」であれば質の高い教師の授業をオンラインで受けた方が効率はよいだろう。事実、大学受験の予備校は全国レベルの看板教師のビデオ従業がメインだし、ビデオだから進捗が早い生徒はどんどん自分で進めることも可能だ。
 一方でオンラインでは実現できない授業って何だろう?
 それは以前日本でも話題になったハーバード大学のマイケル・サンデル先生の白熱教室のような「対話型」の授業だ。
 しかしながら私の体験ではサンデル先生のような対話型の授業を受けられた学生時代の記憶は殆どない。
 だとするとこれからは特に大学のような高等教育機関では知識習得の授業はオンラインによるリモート学習だけで、ワークショップや対話型の講義、クラブ活動はキャンパスといったスタイルの大学が出てきてもおかしくない。
 そうすれば大学では建物面積を大きく縮小し、キャンパス全体を森にして、森の中に教室や研究室、食堂、グラウンド、学生寮を点在させた素敵なキャンパスデザインにすることも可能だろう。
 さらに知識習得型の講義は国内外の複数の大学で連携して共通科目として提供すれば、教員数の削減(学校運営費の削減)も実現できるし、研究に特化できる教員の採用も可能になるだろう。サンデル先生のような優れた対話型の講義ができる希少な教員は複数の学校を回ればよいだろう。
 私だったらこんな大学に通いたい。
 「在宅」は働き方だけではなく「学び」のあり方も大きく変える機会になればよいと思う。


 


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