太っていても妊娠はできる。でも・・・【2】

シリーズ2作目。前回作はコチラより↓

妊娠中の体重推移

体重管理は厳しいものだった。
それもそのはず、+1kgも致命的な過体重。
それでも+5kgまでは仕方がないと言われていたが、結果的に母子手帳を見ると非妊娠時より-1kgだった。
よくやったのか、そうなる運命だったのか。

つわりで、5kgほど痩せた。
食べられなかった > 食べた
の結果としては当然だったのだが、人って食べなければ痩せるんだということを人生で初めて実感した。
ここまで辛い思いをしないと食べる事を辞められない私、どうかしている。

つわり期が終わり、普通に食べられる喜びを噛みしめ、外食三昧。
大好物のお寿司が食べられないとなると、ラーメン・揚げ物類に走った。
妊婦健診の当日は、朝ご飯を抜いて、病院の予約時間より1時間ほど早く着き、たっぷりお散歩した。
季節は春。人一倍涼しくペラペラな服をまといせっせと歩いていた。
「健診が終わったら何食べよう」を考えながら。

暇なときはマタニティヨガにも挑戦した。
そんな微々たる努力で、何とか調整をし、大幅な体重増加は避けられたのだった。

突然の激しい胃痛。初めて救急車に乗る。

まだ安定期に入る前の夜、目が覚めてトイレに行こうとしたら、突然心臓をつかまれるような激しい痛みで倒れた。

みぞおちが痛い。苦しい、息が出来ない。

あまりの痛さに立ち上がれず、旦那さんを呼び深夜の救急搬送。
胃痛に効くという薬を1錠渡され放置された。
胎児に異常はなく、気絶するように寝て目が覚めたら胃痛は治っていた。

つわりの嘔吐が続いた逆流性食道炎でしょうとのことで、その日は帰らされた。
その後も、何の前触れもなく、みぞおちがしくしくと痛む時が頻発した。
のたうち回るほどではなかったが、薬を飲んでじっと耐えるだけ。
なんだかおかしいと思い、紹介で内科に行き超音波を撮ったが異常なし。
自分でいろいろ調べて、ピロリ菌か胆石では?と思い聞いたが、それでもないと。
ガンの症状ではなさそうだし・・・
胎児が大きくなるにつれて胃を圧迫してきて“胃痙攣”(いけいれん)を起こしているのだという。

“胃痙攣”
ストレスや暴飲暴食などにより起こる胃痛の一種で、食べすぎを反省しおとなしくしていることにした。
初めての妊娠で、いろいろ神経つかっていたのかもしれない!

なんだかおかしい、胃痙攣の頻発と痛み地獄。

胃痙攣は連続して起きることもあれば、1ヶ月まったく何も起こらない時もある。
妊娠していると詳しい検査(CTやMRI)が受けられないため、胃痛が起きたら逆流性食道炎の薬と、胃痛の薬を飲んでしのいでいた。
一度始まると何も手につかないくらい痛い。
胃痛のツボをもんだり、白湯を飲んで気絶するように寝る。
3時間ほど寝ると痛みは治る。

何が幸せなマタニティライフだ。
つわりがやっとの思いて終わったと思ったら、胃痙攣。

それでも我慢しきれない痛みで計2回の深夜救急。
「胃痙攣だと思うのですが・・・」と言ったら特に何の処置もなく放置された。
今でもその病院は恨みまくっている。
「妊婦はたまになるから」「胃痙攣は症状だから」「胎児に影響はないから」と、確かに他にも救急の患者さんはいる。
ただ痛み止めの点滴すらしてくれなかった。

妊娠8ヶ月になったある日、その日も朝から胃痙攣に苦しんでいた。
ただ、何をしても痛みは一向におさまらず、時間が過ぎるごとに痛みは増してきた。
またあの救急に行っても何もしてくれない、でも痛くて痛くて壁を殴りつけたいくらい痛い。
もう死にたい。消えたい。痛い。

泣きながらかかりつけの産婦人科に事情を話し、タクシーで急行。
お腹が大きく、痛い痛いとタクシーで泣き叫んでいたため、タクシーの運転手は陣痛だと思ったようだ。
「頑張れ!元気な赤ちゃんを産むんだよ!」

違う!!まだ!!産まれない!!!!

子宮あたりは全く痛くない、出血もない。
胃が痛いんだ!!!!

かかりつけの産婦人科は幸い無痛分娩もやっており麻酔科の先生が常駐していたため、肩にぶっとい筋肉注射を打ってもらった。
数分後、気絶するように寝た。

病名発覚。痛みの正体は・・・

眠りから覚め、その日、市で一番大きい総合病院に検査に行った。
痛みで泣きじゃくり、目は腫れ、化粧もしておらず、さらにお風呂も入ってらず、パジャマ姿だったけれど、もう私の身体に何が起こっているのか知りたくて急いで精密検査に行った。

しばらくすると名前が呼ばれた。結果は・・・

「胆石」だった。しかも、かなり重症。
胆のう炎を引き起こしていたのだ。

以前別の内科に行った時、胆石では?と言ったのだが違うと言われた。(前途)
やぶ医者め。一生恨んでやる。
救急で行ったところも、胆のう炎を見落とすなんて、一生恨んでやる。
というか、妊婦であることがすべて先入観を作っていたのではないか。
妊婦だから〇〇・・・は良くない。


胆石か。
そりゃあ、痛いはずよね。
そして今までの胃痙攣はすべて胆石のしわざだったことを考えると合点がいく。
絶食を言われ、薬と、とにかく脂肪分の摂りすぎを控えるように言われた。

胆石は、5Fがなりやすいと言われている。
(①Forty or Fifty(40~50代)②Female(女性)③Fatty (肥満)④Fair (白人) ⑤Fertile(多産婦))

私は年齢はまだ30代だが、まんま私のためにあるような病気であり、
多産婦がなりやすいとあるように、今まで胆石が体の中にあっても発作症状が出ない人もいるが、妊娠中はホルモンバランスの関係で症状が出やすいようだ。
高脂肪食が引き金になりやすいようだが、肉、揚げ物、生クリーム、チーズ、大好きです☆☆☆(^o^)/

遅かれ早かれ、好きな物を好きなだけ食べていた私に天罰がくだったようだ。
SNSで同じような状況下の方を何人か見かけた。
割合としては低いけれど、誰もならないわけではない。

妊娠中の大トラブル。
私のマタニティライフはつわりに始まり胆石で終わった。

太っていても妊娠ができる。でも・・・

手術ができず、なすすべのないまま臨月へ

胆石は胆のうに結石がたまる事で、それが動くたびに発作が動く。
身体の中で石ころが動くだけで激痛というのだから不思議で仕方ない。
その為、胆のう摘出術という手術によって、その名の通り胆のうを摘出しないと一生発作が起きる“可能性”がある。

いつまたあの発作が起きるか分からない。
脂肪分のある食事は一切やめ、食品パッケージに書いてある脂質の量を逐一見ては、おそるおそる食事をしていた。
でもそれ以上できることがない。

臨月になり、もういつ産まれてもおかしくない。
胎児も順調に育ち、3000gはいってるとのことなので、陣痛を待つのではなく計画無痛分娩にて出産を決意した。
胎児がお腹にいる限り、大胆な処置も出来ず、いつまたあの発作が起きるか分からない精神状態で生きるのが本当に怖かった。

次回、計画無痛分娩で一刻も早く妊娠生活を終わりにし手術を受けたいと決めた私。果たしてどうなる・・・?


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