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【小学校受験向け】願書作成における生成AI(ChatGPT,Bard)の活用方法

こんばんは、てんちょーです。

小学校受験で説明会に参加すると、どの学校でも数学力以上に子ども・大人問わず国語力が求められていることを感じるのではないかと思います。

国語力はあるときからいきなり引きあがる性質のものではないかと思いますので、正直願書のためだけに文章力(国語力)を向上させるのは間に合わない可能性が高いです。

ではどうしたらより良い願書を作れるのでしょうか。

世の中には願書作成サービスもありますが、一桁後半万円台とかなりのお値段がするものが多いです。相当の収入がある方ならまだしも、正直少し悩んでしまうお値段かと思います。

今回、我が家では願書作成の一助として、AIを用いた願書作成を検討・利活用してみましたので、その具体的な活用方法についてご紹介します。

※※※今回は実験的に行った取り組みなので、活用はあくまでも自己責任でお願いします※※※

生成AIでできること

願書作成に当たって、そもそも生成AIって何ぞや?という話なのですが、せっかくなので直接Google Bardという生成AIに聞いてみました。

生成AIとは、テキスト、画像、音声、動画など、さまざまなコンテンツを生成できるAIのことです。従来のAIが与えられた指示に従って特定の作業を実行するのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することができます。

生成AIは、さまざまな分野で活用されています。例えば、画像生成AIは、イラストや写真などの画像を生成するために使われます。音声生成AIは、音楽やナレーションなどの音声を生成するために使われます。テキスト生成AIは、文章や詩などのテキストを生成するために使われます。

生成AIは、これまで人間が手作業で行っていた作業を自動化したり、新たな価値を生み出したりすることで、さまざまな分野にインパクトを与える可能性があります。

生成AIとは何か、Google Bard https://g.co/bard/share/4566136397f8 より抜粋

ざっくりいうと過去に蓄積されたデータ(テキスト・画像・音声など)・パターンを用いて、平均的な回答を返答(生成)してくれるツール、と思っておけばよいと思います。

例えばもっとも有名なChatGPTはテキスト生成AIですが、画像や音声を生成するタイプのものもあります。

注意点は、生成AI自体は検索サイトではないことです。
最新の検索結果やコンテンツを取り込んでいくものではないため、検索サイトと同じような使い方をした場合、AIが無理な回答をしようとして「虚偽情報」を伝えてくる場合があります。使い方に注意しましょう。

生成AIの特性

生成AIの特性として、「データのパターンや関係を学習」というところが非常に大事です。

生成AIは、過去に蓄積されたデータやパターンに紐づいてコンテンツを生成するため、新しい情報を検索して結果を導出したり、オリジナルのコンテンツを単独で生み出すことにはあまり向いていません

どちらかというと、「外れにくい平均的な答弁」をしてくれるものと思って使うのがよく、少なくとも2023年10月時点では生成AIだけで指示内容が完結するものではない、と思っておくのが良いかと思います。

テキスト生成AIの種類

テキスト生成型のAIには代表的には以下の2つのサービスがあります。
その他のサービスもいくつかありますが、無料で・すぐに・長く使える、と考えると、以下の2つさえ使える状態にしておけば良いでしょう。

ChatGPT・・・Open AI社が開発。無料で使えるGPT-3.5は2022年9月までのデータ。有料版のGPT-4にすると、PDFを読み込んでサマリーを作成したり、そもそもAI自体の性能(回答の質ほか)が大幅に向上する。

GoogleBard・・・Google社が開発。現在すべての機能を無料で使うことができる。2023年1月までのデータ。同じ無料のChatGPT-3.5との違いでは、スプレッドシートに表形式でデータをまとめさせることもできる点などがある。

願書作成における生成AI活用の注意点

願書作成の実践編に移るまえにいくつか注意を。

まず願書作成において、生成AIのみで完結することはないし、やってはならないと思ってください。

これはなぜかというと、何ら情報を与えず願書作成のみをさせた場合、過去に蓄積されたデータ(テキスト・画像・音声など)・パターンを用いて、平均的な返答(生成)をされてしまい、他の方と内容が丸被りする可能性があるからです。

また、自分の子どものエピソードが一切入っていない志望動機・教育方針では、面接時に質問されたときに月並みな答えしかできなくなると思います。

生成AIは素案や文章校正などを支援するツールとし、少なくとも生成AIにインプットする材料(子どもに関するエピソードほか)は自分で出すようにしましょう。

また、個人が特定できる情報を打ち込むのは生成AIの特性からしても、絶対にNGです。生成AI活用の際には個人が特定できない形にするか、最初から情報を蓄積しないタイプのAIを使う・設定にすることが良いでしょう。

願書作成における生成AIの実践的な活用例

では実践的な例に入っていきましょう。
願書作成における難しい点は以下の4点かと思っています。

  1. 学校の特色:学校ごとの違いや強みは何か、理解して反映する理解力

  2. 自己PR:志願の動機、教育方針など、どのように志望する学校にマッチさせるかを問われる訴求力

  3. 文字数:1つの要素で100-150字程度にきれいに収める国語力

  4. 子どもの強み:子どもの素晴らしい点をどのように絞り込むか、あるいは共通項を見出して言語化するかの観察力

今回はその中で、2-4.に当てはまる例として、2つの生成AIサービスを用いて教育方針を作ってみました。回答内容はそのままURLを載せますので、ぜひ直接ご覧ください。

【質問】

小学校受験において、家庭内での教育方針を問われています。 以下の方針とエピソードをもとに、200字程度で3案作成してください。

(方針)
・子ども自身がやりたいことを見つけ、やりたいことを探究できるようにすること
・自分の頭で考えて行動できるようにすること
・社会変革を促すリーダーとなれるよう、リーダーシップを身に付けること

(エピソード)
・お友達が嫌なことをしたときに、嫌だとちゃんと伝えられる
・家族との約束ごとは守らないが、やりたいことは何がなんでもやり遂げようとする強い意思がある
・よくも悪くも友達に合わせて行動を変化させることができる

【回答】

ChatGPT-3.5の場合:https://chat.openai.com/share/b9ad0b18-e5f0-498e-84d8-bfc0350b1c7f

GoogleBardの場合:
https://g.co/bard/share/f3be8d9dddbd

生成AIから良い回答を引き出すコツ

先ほどの質問例を多少加工すれば、願書の文案自体は作れるかと思いますので、ここから先はどのようにより良い回答を引き出すか、そのコツを記載していきます。

①幼い子どもだと思って丁寧に指示する

生成AIに質問をするときは、相手が幼稚園生~小学校低学年くらいの子どもだと思って丁寧に指示することが大事です。
何を/どのように/どのくらいしてほしいのか、主語と述語、目的語、修飾語をはっきりさせて質問することで、期待する回答に近しい結果が得られます。

日本国内の生成AI界隈ではプロンプト(指示のこと)をフォーマットに沿ってはっきりと書くことが良いのでは、という研究が進んでいます。しかし、この願書作成くらいの内容であればプロンプトのフォーマットに沿わずとも問題ありません。

しかし、まったく期待と違う的外れな回答が出てきた場合は指示があいまいで伝わりづらくなっている可能性があるため、質問内容がわかりづらくないか、再読・修正してみてください。

②複数の選択肢を提示させる

生成AIに指示する際には、1案に絞るよりも、最初から3案作ってくださいという複数の選択肢を提示させることがおすすめです。
最初の1案が微妙な場合も多いので、最初から複数案を出させることで、再度質問する手間を省くことができます。

また、3案提示されたときには、そのうちの1案をさらに絞りこんだ形で指示を追加することで、文章の完成度を高めていくことが可能となります。

上の例で僕が書いた【質問】および【回答】は、最初から複数案を指示する形になっているかと思いますので、質問の内容は参考にしてください。

③回答案の再作成を行う

指示が明確であるのに期待する回答が得られない場合、まずは回答案を再作成することをおすすめします。

Bardの画面

例えばBardなら、最初から「他の回答案を表示」でいくつかのパターンを出してくれます(出ないこともあるようです)。この処理を行うことで、結構大きな内容の変化があるので、1つの回答に拘らずほかの回答案を一読することをおすすめします。

僕の感覚では、回答案1より他案を選ぶことが多い印象なので、ぜひ使ってみてください。

④ダメ出しをする

期待する答えが得られない場合、自分の立場などを伝えながらどの点を具体的に直してほしいのか、ダメ出しをしてみてください

対人間にはこんな揚げ足取りのような指摘はしづらい・・・といった内容であっても、AIであれば難しい人付き合いもありませんから、比較的ダメ出しを行いやすいと思います。

今回用いたChatGPTの例では以下のようなダメ出しを行っています。このダメ出しを行うことで、家庭内向けの教育方針っぽくなっていた文章が、小学校提出向けの内容に変わりました。上記【回答】のChatGPTから、他の2案に関しても内容を読んで見てください。

ChatGPTへのダメ出し

ちなみに、最後に感謝の意を述べると、AIも丁寧に返答を返してくれます。AIも学習をしているので、単なるツールとして使うのではなく、私たちが学習してほしいことや態度もインプットしたいですね。

⑤複数の生成AIを使う・掛け合わせる

ここまで使った以外の最後の方法としては、1つの生成AIではなく別の生成AIを使ってみることです。今回の例では2つの生成AIを使いましたが、その回答が大きく異なっていることがわかるかと思います。

我が家ではブラウザベースのChatGPT-3.5はルー大柴さんのようなカタカナ英語を用いた回答が多かったため、途中で使うことを停止しました。

その一方、AssortというChatGPTを用いたSlackアプリではなぜかブラウザよりもかなり良い回答をもらうことができました。実際に願書作成時にはBard→Assort→Bardなどのように、どちらも使って組み込んで作ってみています。

最後に

生成AIは願書作成の手助けをしてくれますが、完全な回答を生成できるわけではありません。そもそも虚偽の情報が含まれていることもありますので、自分で情報の信ぴょう性を判断できることが重要です。

我が家では初期的に僕の方で自分で作った内容を投入して文章を調整させることもしましたし、上記例のように生成AIを使って文案作成や文字数削減を行った後、家族内で文案の読み合わせや文案の選択、自身で度重なる内容修正を行って何度も何度も推敲を重ねることも行っていました。

結果的にAIで作った文章はどこに行ったの?となるほど修正を重ねましたが、議論のたたき台になるなど、呼び水の効果は十二分に果たしてくれたと思っています。

この例に限らず、ぜひよりよい使い方を見つけていただければ嬉しいです。
小学校受験に少しでもお役立ちできれば何よりです。

てんちょー


↓↓↓副業で経営している法人の自己紹介をしています、よろしければご一読くださいm(_ _)m↓↓↓


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