資料編「親子の生き方と関わり方を探しに行く 話」

対象者
 小学校に入学した子どもとの関りに悩む人


〇自己肯定感が育まれるまでを追う

・子供の成長には段階がある。
「幼児期(~5歳)→少年期(6.7歳~)→思春期(12.13歳~)」

・自己を評価するには自己を客観視する力が必要(客観視)
思春期に入ると、抽象的、論理的思考が育ち、推論できるようになる。
過去・現在・未来という時間軸の中で自分をとらえることができる。
 他者と自分を比較する、過去の自分で比較する。
 考える力(知能)が育つからこそ、多方面に考えが及び、
 心の揺れを自分で見つめることになる。

⇒自己を評価する。
 自己を肯定するには段階がある。
①(愛する)⇒②(肯定的に見る)⇒③(自信を持つ)

① 能力にかかわらず、どんな失敗をしたとしても、自分を愛する。
② 共感できうる他者と共同の作業をして、達成した喜びを分かち合う。
③ 自分で意欲を持って挑戦し、「自分でできた」という成功体験を積む。

〇少年期について考える。
・低学年の特徴
 目線はたかいところは目に入りにくく、風景も常に見上げる角度。
 地面とは距離が近い。
 複数のことを同時にこなすのが難しい。
例)虹を見て感動したら、学校のチャイムを聞き逃す。

自分が何に意識を奪われているか、何に集中しているかなど、
 自分の状態に気づくのが難しい。
時間感覚が育っていないので、時間の区切りと心の整理が難しい。
 説明そのものが理解できない。(理解に限界がある)
写真のような、前後関係を無視した瞬間的な理解の仕方をする。
 その瞬間に切り取られた感情に目を向けて、
 紐解くようにそこにある気持ちを認めていく。
自分の中に押し寄せる感情で心がいっぱいになってしまって、
 混乱や泣く、といったことになる。
具体的なことや、目の前のことには集中する。
 ⇒わがままなのではなく、未成熟な幼さととらえる。


〇意欲を育てる
 「やってみよう」という気持ちを大切にする。
 成功体験なり失敗体験の原因や理由を紐解くことが大切になる。

例)掃除をすると意気込んだが、
  雑巾の水の絞りが甘く、床が水浸しになる。

・なぜ雑巾の水を絞ることが大切なのか
・なぜ雑巾がけの前に掃き掃除をする必要があるのか。

手順と段取りの理由がその子供なりに納得できるように、一緒に考える。
「やってみよう」と思うほど、
 たくさんの問題や傷を抱えることになるかもしれない。

問題と向き合って、
 どうやって抱えながら生きていくかを考えることが成長につながる。

〇子供に伝えられること
 ・肯定的なメッセージは、
 子ども自身の中の否定的メッセージを否定することになる。

(落ち込んでいるから、励ますということは、
 「落ち込む」というプロセスの否定になる。)

・肯定も大人のニュアンス一つで、
 「評価のされないできない自分や不十分な自分ではだめだ」
 と思わせることになる。

・「できない自分、だめな自分を受け入れる」
 (自己受容)自己肯定の幹になるもの
  自己受容の芽=自分を許し、認める他者のまなざし。

・「できなくても大丈夫」から始める。
 「ゆっくりやっていこう」と一緒に向き合う。
 一緒に(向き合う、取り組む)することで、
 できないことで揺らいだ自分を大人から受け止めてもらい、
 またやってみる、という過程を踏んでいくことになる。

・「どんなに頑張ってもできないことはできない」
  という苦しさにも、向き合う。

・一緒に考えるために、「尋ねる」「耳を澄ます」


参考文献
「日本の学童保育 2013年7月号NO.455 特集 楽しく食べる おいしく食べる♪」 全国学童保育連絡協議会

「児童心理 2012年4月号 臨時増刊NO.948 小学一年生・二年生のこころと世界」 金子書房

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