講座「境界知能」





参考文献
WEB特集 なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210730/k10013164861000.html

【日本人の7人に1人が該当】IQ70〜84で⽀援が必要な「境界知能」の子どもたちを救う対応策とは(試し読みアリ)|株式会社扶桑社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000510.000026633.html

知能指数(=IQ)はIQ85-115が「平均的」
69以下は、「知的障害」の可能性が考えられる
(※「知的障害」の基準は、自治体によって異なる)
「境界知能」とは知能指数の「境い目」。IQ70〜84。
「知能指数」で「平均的」とされる部分と「障害」とされる部分の「境い目」にあたる。

統計学上は人口の約14%、1,700万人。
知能指数とは別の指標で発達障害と認められる人もいる。

学校で1クラスの人数が35名としたら、約5人は境界知能に該当する。
大人になってからも社会参加しづらい。
経済面や就労面などさまざまな領域での支援が必要。

新受刑者の場合、「IQ70-79」だけで21%以上。

「境界知能」は社会の認識不足が問題点
知的障害とも発達障害とも診断されない
教育や福祉の支援につながりにくい
自分自身も周囲の人も気づかない
理解のなさが、当事者の人たちを苦しめる。
企業も障害者だったら受け入れられる。そうじゃないなら雇用することは厳しい
障害学級ではそれよりでもできてしまうし、一般の流れでは勉強はついていけない。



勉強がついていけない。計算が苦手。数字に弱い。
人間関係がうまくいかない。結婚生活が続かない。
仕事の覚えが悪い。すぐに解雇される。
何度教えられても、商品を決められた場所に並べることができない。
何十年も前の出来事を細かく覚えている。一方でパンの種類など細かな名称は覚えられない。
レジ打ちで間違える。
料理や洗濯、掃除などの家事はすべてできる。
一見、何の不自由もないように見える日常生活。

乾電池の買い物
2本で329円と4本で398円、どちらが割安かで考え込む。
計算する。
決めるのに時間がかかる。

誤解
普通にできることもある
周囲からはやる気がない、怠けていると見られる。
一生懸命やっているのに怒られる。

理解
勉強や仕事がうまくいかないのは努力不足ではない。
親や周囲も誤解している。
とにかく生きにくい。

負の連鎖

子どもの発達や学習の遅れ、発達障害、粗暴行為
→親は『どう対応したらよいのだろうか』と思い悩む。
→不適切養育

日常生活や勉強、仕事、人間関係などで困難を抱える
→生きづらさを感じているにも関わらず、教育や福祉の支援を受けられない。
→社会的な孤立や経済的な困窮に陥り、罪を犯してしまうorうつ病


早期発見・早期支援
「境界知能」や「障害」についての知識や理解が、社会に浸透
早期教育。学習の土台の「認知機能」の強化


字の習得が苦手な子どもの場合
「点つなぎ」点と点を結んで作られた絵を同じように描き写す。
目で見たものの形を捉え、書き写す力を高める。

計算が苦手な子どもの場合
星のマークを5つずつ囲んでいく。
数をまとめながら足していく作業を繰り返すことで、計算を速める。

「勉強が苦手」「やる気がない」「さぼっている」
知的障害や発達障害をもつわけではなく、問題行動を起こしやすい。
運動やコミュニケーションが苦手。

社会面の課題
考え方、感情、行動がうまくいかず、社会活動において課題が生じる。
学習面の課題
集中できない、勉強についていけない。
身体面の課題
運動が苦手だったり、手先が不器用。


「すぐにキレて暴れる。何度言い聞かせても直らない」
行動の裏には様々な背景が隠れている。
対処法も変わってくる。

勉強やコミュニケーション、運動などで、なにかしら苦手な分野をもちやすい。
→自信のなさを生む。
→被害的な思考に陥る。

→他人からなにかされるとすぐに『バカにされた』という考えに至る。(社会面における考え方の課題)
→怒りという『感情』が生まれる。
→キレて暴れるという行動


どの段階に課題があるかを知ることが大切
一律に暴れることを止めるだけでは、効果的な支援にはならない。
子どもの出す困っているサインを見逃さない。(困らせる子供は困っている子供)

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