資料編「アダルトチルドレン」②


7.アダルトチルドレンの回復のために


(1)良い自己像を育てる
自己評価や自尊心が低く、過度に評価を気にして、
 反対に悪い行動をして他者からの評価を落とすことによって
 「やっぱりそうだ」ということを再認識しようとする。
その原因は「過去」にある。
幼少期に、親や学校の先生や友人等から十分に、扱われてなかったから、
 今の関係で繰り返そうとしてしまう。(転移、反復)

過去の体験の例
失敗することや、試行錯誤することを容認してもらえなかった。
子供なりに失敗したり間違ったりしながら成長していくという段階が、
 許されなかった。
存在価値や意見や考え方を認めて貰えなかった。
バカにされた。
子ども扱いされていた。
できない子扱いされていた。
努力したことや成果について、十分に褒めて貰えなかった。
無条件に褒めて貰えなかった。


① 安全な場・信頼できる相手のもとで、
 抑えていた気持ちを言葉にしたり、
 辛さを受けとめてもらう体験が必要。
 (カウンセリングやセラピーが有効)

② そこを出発点にして、
 「自分を苦しくさせるような生き方」を変えていく。

③ 長年のパターンを変えるのは、簡単ではない。
 新しいやり方を知って、練習しながら少しずつ身につけていく。


●他者承認、依存は間違い
これまでの過去、自分以外の人に期待して、
 「自分を正しく扱って欲しい」と願ってきたが、
 両親も先生も友人も、
 自分の思った通りには正しく関わってはくれなかった。
現在の問題は、
 それでもなお「他者からの承認」を求め続けていることにある。
自分以外の人に期待したり、依存したりしても、
 思い通りの結果は得られない。
他人に期待していたり、
 依存したりしていると「欲求」が満たされることがない。
結果的に、
 常に不全感(不平、不満、文句)に満ちてしまうことになってしまう。
どのような時に、どのようなレベルで、どのような内容について、
 許して欲しいのか、認めて欲しいのか、解って欲しいのか、
 褒めて欲しいのかが、他人には明確には理解できない。
自分以外の他者に期待したり、依存したりするのは止める。と決める。
両親や友人、会社の上司や先輩、
 周りにいる人たちに「認めて貰うために頑張る」のは報われない。
「求めるマインド」を持っている限り、裏切られ続けることになる。


●自分育て、自己承認をする。
「未来(これから)」を変えるために、
 あなたが取り組むことは「自分育て」「自己承認」「自己受容」である。
自分に優しくすること、自分を認めてあげること、
 常に自分の味方でいてあげること。
「自分を愛する」とは、そういうこと。
自分にエネルギーを与えるために「与えるマインド」を習慣にする。
 人から与えて貰おうと頑張るのではなく、
 自分が自分自身に与えてあげる。
人から褒められたら嬉しいものだが、自分が自分を褒めても、
 ピンと来ないかもしれない。
しかし、それでも、この「与える」を自分自身にやり続けてみる。
必ず、あなたの人生は変わり始める。


これから自分を育てるための、次の3つのキーワード


「許すこと」
「認めること」
「褒めること」

ダメな自分も含めて、まるごと自分を許しましょう。
あなたは完璧でなくても良いのです。
新たなことにチャレンジすることも許してあげてください。
失敗しても良いのです。
試行錯誤しながら、そこから必ず何かを学びます。
認めてあげましょう。今までなんとか頑張ってこれたこと。
今、生きてること。
それだけで、すべてOKなのです。
人生を諦めていないあなたは、素晴らしいのです。
このページを読んでいるあなたは、素晴らしいのです。

⇒自分自身にも良いところがあると発見したり、
 他者から尊重されるという体験を通して、
 自分を大切に思えるようになる。
 これまで成長が停滞していた、
 過去に置き去りにされていた良い自己像を再度成長させる。
自分自身を大切にできるような考えや振る舞いができるようになっていく。

⇒「自信が持てるようになる」「自分のことが好きになる」
 「自分を愛せるようになる」「やる気が出る」
 「怒らなくなる」「自己肯定的になり、自分を許せるようになる」
 「主体性が身に付く」「他人に依存しなくなる」
「落ち込まなくなる」「不安がほとんどなくなる」
「バランスの良い思考が身に付く」「精神的に安定する」

⇒感謝ができるようになる
他人に期待するのを止め、
 「他人は何もしてくれなくて当たり前」と思っていれば、
 他人がしてくれたことが何でもありがたく感じられるようになる。
 毎日が、感謝の日々になる。

(2)適切な人間関係を生きる
自分に厳しい人は、他人にも厳しく接している。
「なんでこんなこともわからないの?」
「なんでこんなこともできないの?」と責め立ててしまう。
自分をバカにしている人は、
 (無意識的にでも)他人のこともバカにしてしまう。
自分にダメ出しが多い人は、知らず知らずに他人にダメ出しをしている。
自分を褒めない人は、褒め方がわからないので、他人のことも褒めない。
自分の不安を煽っている人は、
 知らず知らずに他人の不安を煽っていることがある。
許容的ではない態度では、上手な対人関係を築くことができない。
頭で分かっていても、支配的な関係や、暴力的な関係、
 共依存的な関係に陥ってしまうのは過去のトラウマの反復。
そこに新たな傷つきやトラウマが上乗せされ、事態はもっと悪化する。

⇒自分に対して許容的になり、他人に対して許容的になることで、
 対人関係が上手になる。
適度な距離をもった関係の在り方に変化していく。
人に適度に頼りつつも自分をもつこともできる。
人を余力ある分だけ助けることもできるようになる。
無理をせず、自然な範囲内が分かる。
人間関係は良いものばかりではない。
時にはストレスになってしまうような人間関係もある。
過度に関わらず、
 少し距離をもった社会性のある関係の取り方もできるようになっていく。
恋人や配偶者に対して強い依存のない愛情生活を送れる。
(子育ても上手になる)


●ビジネスでも成功できる
ビジネスの基本は、相手が「快の感情を得られること」をすること。
それには「思いやり」や「相手の立場になって考える」を身に付けると、
 上手く行くようになる。
これは自分育ての段階で「自分を思いやる」、
 「言われた人の立場になって考える」を訓練するから、
 自然と身に付くこと。
自分に「快の感情を与える」を繰り返す。
人間が、何を「快」と感じるのかが理解できるようになる。
使い勝手の良いスマートフォンと使い勝手の悪いスマートフォンでは、
 必ず前者が売れる。
お客様の使い勝手の良さを考え続けることがビジネスの成功に結び付く。
常に、自分にも、他人にも「快の感情を与える」と、
 成功できるようになっていく。

(3)親との決別
親が既に亡くなっていたり、行方不明になっていたりしている。
 もしくは今現在も強い影響力を受けながら生活していることもある。

⇒親を許したり、再度良い関係を築くということが良い場合もある。
反対に決別し、親とは別の人生を歩む場合もある。
(この場合が圧倒的に多い)
必ずしも和解しなければならないということはない。
 親との関係に整理をつけ、良い意味で決別し、
 自立し、自分の人生を大切にしていくような考えや行動になる。

(4)やりがいや生きがいを感じられる
自分の人生を生きることができず、無力感や絶望感、
無意味さを抱えながら生きている。
他者のために犠牲になるような選択をしてしまう。

⇒良い自己像が健全に育っていくと、
 自分のために時間や労力を割けるようになる。
その過程で、楽しむという体験も増えていく。
長い人生の目標について考えることができるようになり、
 その目標に向かって進むことそのものに、
 やりがいや生きがいを感じることができていくようになる。
一見苦痛な勉強、労働、訓練なども手応えのある行動と体験される。
先の目標を達成するために、
 今目の前の課題に取り組めるし、
 その課題をこなすことそのものが喜びとなる。
これこそが自分を大切にするということにもなる。


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