#13「叱るという教え方」


当時の私は「教えてあげる=自分の方が正しい」という感覚でしたが、これでは怒られる方が悪い、という関係性ですし、子供からしたら居心地の悪い関係だったでしょう。
子供が怒るのが怖いからやらないという時、注意をする側からしたら都合は良いでしょうけれど、本当に「よくない」ということを教えることになるのでしょうか。大事なのは「何を伝えたいのか」という自分の中にある根っこの部分なのだと今なら思います。
私にとって児童養護施設の実習は本当に多くのことを教えてくれた体験であり、大きなターニングポイントと呼べるものでした。
当時実習説明会で施設長の方の話を聞いた時、前半から話していた叱るということの答えが出たのです。「叱るということは教えるということ。教える方法は一つだけではありません。話を聞くのもそうだし、どうしてそう思うのか聞いてもいいわけです。怒ってもいいし、違うと思うよと伝えてもいい。何がいけないのかを説明するのもやりかたでしょう。叱るというのは、その方法のひとつでしかないのだと、よく覚えておいてください」という当時の施設長の方のお話は私にとって大きな出会いでした。

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