資料編「関わり方をより 深く 探しに行く話」

対象者
 子どもに対して、カウンセリングマインドで関わりたい人


〇カウンセリングについて考える。
 心のあり方・働かせ方のアプローチ。
 本人が、悩み・問題に適切に対処することを目指すもの。

ここではカウンセリング=傾聴と呼ぶことにする。
 本当はカウンセリングの技術の一つだが、我々は専門家ではない。
 そのエッセンスを活かすことの方がむしろ大切である。

① 「自由」に自分や状況について考えて、自分の理解を進める。
② 自分自身にとって適切な考え方や行動を見つける。試してみる。
③ 問題に対処する。


〇傾聴の心構え
・よく聴いて、理解しようとする。
・よく知らないうちから良い、悪いといった決めつけをしない。
・聞き手が分かったことや、思ったこと、意見を押し付けない。

⇒褒めたり、肯定することではない。
 肯定とは、裏を返せば、聞き手にとって評価できるものであって、
 そうでなければ非難されうるものであることを意味している。

=「聞き手から非難をされることがなければ褒められることもない。
 良くも悪くも評価されない。
 ただ、何を感じて何を話しても、自分のことを親身になって、
 理解して受け入れてくれる」という安心感に裏付けられた、
 本音を話せるということ。


聞き手⇒発言を繰り返すことで、理解を深める。
 話し手の話から追体験を想像してみる。話し手の言葉を辿る。
 時として「このように感じたのではないか」と察せられるようになる。
 それを言葉にしてみて、
 話し手が気づいていない「心の動き=感情」について、
 気づかせることになる。

話し手⇒自分が言った言葉が、
 聞き手に伝わっているかどうかを確認できる、
 それについて質問されたときに、自分がどのように語って、
 どのように受け止められたかを確かめる。
 話したことが本当に伝えたかったことなのかを改めて考える。
 事実的な言葉や言葉にしきれないこと、
 言葉ではとらえきれない心の動きを自分で捉えられるようになる。

このプロセスを繰り返して、傾聴とは進んでいく。


〇技術あれこれ
・反射=話し手の発した言葉を、そのまま、伝え返す。

・明確化=話し手が語った内容を、
 聞き手は自分なりに理解しよりまとまった言葉で言い換える。
=話し手が言ったわけではないが、
 その時感じたであろう感情を言葉にする。

・開かれた質問=そのことについて自由に考え、
 自分なりに考えて答えを出す。

・閉られた質問=はい/いいえ、で答えられる、
 客観的、簡単な事実を確認する。

・対決=話し手の発言と態度が一致していない時に、
 聞き手は客観的にそうは見えないことを指摘する。
 話し手の自分の内側で気づかない自己の不一致、
 矛盾や覆い隠しているものを浮き彫りにする。


参考文献
 金子書房「児童心理 NO931 2011.5月号」 担任教師による相談の例


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