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2023 NFL Draft プロスペクトチェック-TE編

 ドラフトまで後2週間となりました。今回からは2023NFL DraftでBengalsの指名が濃厚なポジションのプロスペクトチェックをTE,CB,OT,RB,(出来ればIDL)の計4,5回に分けてやっていきます。今回は今Draftで最も豊作と言っても過言では無い多士済々のプロスペクトの揃うTE編です。

プロスペクト

Dalton Kincaid(Utah-Age:24)

KincaidはSan Diego StateからUtahに転校して3年間プレイした後なので他の候補に比べると年齢が少し高く24歳となっています。Utahでも3年目となる今年にStatsを大きく伸ばしており、まだまだ伸びしろを感じる選手だと思います。
 Kincaidはコンバインに参加していないので試合映像だけvsUSC, vsFrorida, vsOregonの3試合を見ました。Rasからも分かる通りTEとしてサイズは小さいのでBlockingはパワー不足を露呈するシーンが散見されました。どちらかというとWRセットの方が得意にしていてレシーバーとしての能力が非常に高いです。その中でも特にタックルを外す能力が高く、一回のタックルに簡単に倒れないTEらしい力強さがある選手です。Blockingに活かされてもおかしくないと思いますが映像を通してはBlockingは苦手そうでしたね。GBやLACに指名されるとしっくりきますね。

Kincaid Ras

Michael Mayer(Notre Dame-Age:22)

 MayerはFr.時代から3年間ずっと結果を残している今年のトッププロスペクトです。vsOhio State, vsUSC, vsUNCの3試合とコンバインドリルを見ました。
 試合映像を見た印象は非常にファンダメンタルのレベルが高いなと感じました。On,Off,WRのどのセット位置貢献できる選手ですね。Blockingはめちゃくちゃ強いというわけでは無いですが基本に忠実で最後まで足をかき続ける姿勢には非常に好感を持ちます。レシーバーとしてはキャッチ力、ルートランともにハイレベルですが、ルートに限らずDefenseのCoverを予測してCoverの隙間に入り込む能力が非常に高くFootball IQの高さを感じました。
 コンバインドリルでもどのドリルでも安定感のあるパフォーマンスでした。TEは40yd走のタイムが4.7を切るかどうかが非常に大切な指標になるのですがギリギリ越え無かったのが唯一の懸念点ですね。NFLに入っても即スターターになれる選手だと思います。Kelceになれるセンスを感じる唯一の選手で1巡指名をしても文句の無いタレントです。
 ※参考までにMayerとKelceのRasを載せておきます。

Mayer Ras
Kelce Ras

Darnell Washington(GeorgiaAge:22)

 WashingtonはRasからも分かるようにTEとして桁外れのサイズを持つ選手です。大学ではFr.時代から持ち前のフィジカルを活かしたBlocking要員として出場機会を得、3年目となる昨シーズンは一つ下の怪物TE Brock Bowersと出場機会を分け合いながらキャリアハイのスタッツを残しています。
 WashingtonはvsFlorida, vsMissouri, vsLSU, vsTennesseeの4試合とコンバインドリルの映像を見ました。
 まず試合映像ですが、BlockingはNFLの中でも上位に食い込んでくるようなレベルだと思います。TEの中でも非常に大柄ですがオープンフィールドでのvsLB,R,SFとのストークもほとんど勝利してますし、DLに対しても押し負けずにBlockする事が出来ます。この記事で取り上げている5人の中でも特にBlockingに関しては頭一つ抜けてます。
 問題はレシービング面ですが、まだまだ粗削りではあると思いますがサイズとスピードを活かしたRacは非常に魅力的です。またキャッチ力に少々疑問符が付きますね。彼はどんなチームでも活躍出来そうな気がするローリスクハイリターンな選手だと思います。今年のプロスペクトの層を考えると彼もまた1巡に指名に値するTEだと思います。控えめに言って化け物ですね。

Washington Ras

Sam LaPorta(Iowa-Age:22)

 LaPortaはTE Universityと言っても過言では無い名門Iowaの最新プロスペクトです。近年でもKittle,Hockenson,Fant等錚々たる顔ぶれが指名されています。
 LaPortaはvsOhio State, vsMichigan, vsNebraska, vsKentuckyの計4試合を見ました。印象としてはこの記事で紹介する5人の中では総合的に見劣りしますね。Blockerとしては要育成のレベルでサイズがネックになっており綺麗にBlock出来ているシーンが余り無かったです。レシーバーとしての能力は高く特にRacは秀逸で、タックルを外す技術も高くレーンを見つける能力が高いです。他にもワイルドキャットでQBをやったりと非常に器用な選手です。
 Ras的にもサイズの小さい分スピードは目を見張るものがありスピードが試合映像まで上手く反映されていないのが伸びしろですね。前述した3人に比べると完成度は低めですがDay2で指名するなら納得できるプロスペクトだと思います。
 個人的にはLaPortaと一緒に試合に出ていた#85のTE Luke Lacheyの方が魅力的に映りました。昨シーズンがJrシーズンだったので恐らく来シーズンも残ると思うので来年注目のプロスペクトです。

LaPorta Ras

Luke Musgrave(Oregon State-Age:23)

 Musgraveは2022シーズン怪我で2試合しか出場していないのでvsFresno State, vsBoise Stateの2試合とSenior Bowlを見ました。
 まず試合映像を見た印象ですが、combineのstats程の身体能力の高さは映像を通しては感じませんでした。またRunでは他のTEとローテーションしており実際のRun Blockにも力強さが少なく物足りなさを感じました。Box外でWR Setした時はサイズとスピードを活かしたキャッチが目立ちましたが、身体能力を考えるともっとセパレート出来て欲しいと思いました。Oregon Stateのオフェンスが酷いのでまだポテンシャルが開花しきっていない印象です。
 Senior Bowlでは選出されたTE7人の中ではTopの出来だったと思います。特にLB/SFとのMtoMではシーズン中の映像に比べてセパレートも上達しておりレシーバーとしての完成度の高さを感じました。
 全体的な印象としてはポテンシャルは非常に高いですが、試合で活躍するまで時間がかかりそうな印象です。TEとして起用するにはBlockingが拙いの部分をどう捉えるかでチームによって評価が大きく分かれそうな印象です。Bengals目線で考えるとBlocking要員は揃っているTE陣の中で紅一点のレシービング要員としての棲み分けが出来そうですが、現政権の好みとはズレるので指名の可能性は少なそうですね。レシービング要員として起用するにはレシービング能力が物足りなく感じます。成長に時間をかけられるチームが指名するのかなと思います。個人的にはMIA,LAR辺りが合うかなと思います。

Musgrave Ras

個人的ランキング

Mayer>Washington>>Kincaid≒Musgrave>>LaPorta

 5人見てきてMayerとWashingtonは総合力とポテンシャルを加味すれば1巡での指名に値する選手だと思います。Kincaidも1巡で指名されるMockが多い選手ですがBengals的には使い方が難しいかなと感じました。Musgraveは試合の映像が少ないのがネックですねシニアボウルのパフォーマンス的にはKincaidと同じレベルの評価ができると思います。またKincaidとMusgraveは天井が高そうですね。LaPortaは良いスターターになれる選手って感じなので他4人と比べて迫力が見劣りしました。

雑感

 今回はTEのプロスペクトをチェックしました。記事に書いた5人以外にも魅力的なプロスペクトが今年は多いのでどのラウンドで指名するのか全く読めません。少なくとも一人は指名があると思います。それが今回の記事で紹介した5人なら嬉しいです。個人的にはWashingtonが一番チームのTE状況に合うのかなと思いました。TEをWRとして扱う事は少ないチームなのでBlockingが完成されていて、あとは身体能力に見合うレシービングの技術を磨くだけのプロスペクトはIrv Smithとの併用も安易だと思いますし、今のTEユニットにはいないフリークタイプの選手なので見てみたいです

~See you soon~

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