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RLCS 22-23シーズンを終えて

去年秋に幕を開け年を跨いだRLCS22-23シーズンも、先日のワールドファイナルで終わりを迎え、後夜祭のような新イベント、Gamers8も無事終了しました。長いオフシーズンが始まる中、早くもロスターチェンジの情報が飛び交っています。去年のグランドファイナルはころ亭でLAN観戦させて頂いたのですが、その予定がなかった今年もありがたいことにふし様から声がかかりなんだかんだ一緒に見れましたね。その際にnoteでも作ってみたら?と言われたので自己満兼備忘録的な形で、年一だと思ってだらだら書いていきたいと思います。


V for Victory

間違いなく最初に見るべきはRLCS22-23ワールドチャンピオン、TeamVitality(以下VIT)でしょう。疑いようのない過去最高のルーキーの一人であるZenをWinter major後チームに入れてからというもの、リージョナル3/3勝、Spring Major優勝、ワールドファイナル優勝の文句なしスイープです。凄まじいですね。Kaydop時代の全盛期VITどころか旧Dignitasを彷彿とさせます。一方のKaydopはsolaryに移籍、今シーズンはlanに出場することは出来ず、リージョナルの際のフェイスカメラにも悲壮感が漂いはじめ本格的に私も悲しくなってきました。にしてもZen、本当に凄いです。15歳になる前に別名義でプレーしたことで一年間RLCS出禁を食らってましたが、その間にVITと契約。そして出禁解禁前からというもの、"ZEN HYPE"は止まることを知らず、johnnyboiの1v1ショーマッチで10連勝(!)を決め、フランスで行われた3v3のコミュニティトーナメントではZenのシグネチャーともいえるシーリングピンチダブルを決め熱烈なデビューを見せていました。

最近Youtubeに溢れかえっているBest of RL的なロケリ切り抜きチャンネルは当時Zenのクリップだらけになっていましたね。そしてRLCSデビュー後,
プレイした全RLCSイベントを完勝、全ての疑問の声やヘイトを一掃します。なにがどう強いとか探す必要はありません。準決勝でRLCS史上最悪と言ってもいいオウンゴール決めた後に、トーナメントベストゴールを決めれる精神面も◎ グランドファイナルの最後に決めたゴールがシーリングピンチダブルってのがまたいいですね。プロから見てもタッチの精度が全く違うと言われている彼は正真正銘の2023ベストプレイヤーといったところでしょうか。
チームメイトのAlpha54とRadosinもおめでとうございます。Alpha54もずっと若々しいパフォーマンスしてるので忘れがちですが、結構苦労人というか、長い間評価に結果がついて来ない一人でした。RLFXのRLCS7のモンタゲのオープニング、"Oh my godness Alpha54 hello!" のセリフは100回以上聞きました。

こういうフレーズってイヤーワームになります。
このころはFCバルセロナでDeevoとBlueyと組んでましたがもう二人ともEスポーツシーンでは息を潜めてしまいました。Alphaはもう20歳ですがまだまだやってけそうな印象です。ワールド前のSpring majorでもそうでしたが全然ピークって感じがします。あとほぼ全てのプロがダイレクショナルエアロール(押すだけでエアロールするボタンを使うエアロール)を使ってる中、Alphaって基本的にずっとフリーエアロール(エアロールボタン+スティック)を使ってるらしいです。一方のZenはダイレクショナルエアロールをR2に設定して開度を調整することで、回転のスピードを変えれるようにしているそうです(?)。それでいてどっちもSティアメカニック持ちだから凄いですよね。

Radosinも面白い人だと思います。Fairy peakの穴埋めにまさかのWilliams resolveから移籍、VITの目のつけ方は本当に凄いと思うのですが、どうやって決めてるんでしょうか。ウィリアムズなんて当時明らかにAティアどころかBティアだったんですけどね… 当のRadosinですが、これがまた見えないタイプの強さって感じです。自分は「この人はこういうところが強い」ってあんまりよくわからない、呪術の東堂風に言うと目がいいってやつではないのでRadoの強みって不思議なのですが、やっぱりメカニックモンスターのチームメイト2人のための2-3番目の玉上げポジ、フリーボールで毎回フリップリセットをとるスタイル、あと普通に二人に負けないくらい十分メカニカルでもある所でしょうか。推しなので名前出しますがAllushinみたいです。あとやっぱ盛り上げ役ですよね。ゴール後Radoのフェイスカメラみるとしょっちゅう飛び跳ねています。チームの通話の動画みてもフランス語なので何言ってるか全くわからないんですが、雰囲気大事にしてたりするんでしょうかね。通話でため息つきまくるAztralは見習った方がいいですよ


EU >>>>> NA

ツイッチでEU>NAとコメントしNAをバカにするのも恥ずかしくなるくらい、NAが活躍できなかったシーズンでした(後述のGamers8までは)。NAのチームが最後にRLCSのlan大会で優勝したのが今シーズン最初のFall Major、しかしこの優勝チームのGenG mobil1 Racing(以下GenG)、実は2/3人が昨シーズン終了後にヨーロッパからアメリカに引っ越してきたバリバリのヨーロッパ人。これをNAの一勝とカウントするのは無粋です。となると最後のNAの優勝はG2が優勝した昨シーズンのWinter majorまで遡り、今22-23シーズンにおいて純NAチームは一勝も出来ませんでした。

あの時のG2はかっこよかったですね、、、ただそれも1年以上前の話です。ここ2大会ではグランドファイナルにすら進めていないNA、そしてNA内でも先ほど述べたGenGやComplexityのような他地域からの侵略により、ただでさえ少ないNAの出場枠にどんどん生粋のNAチームが入れなくなっています。NAにはルーキーが少ないですね、これは最近の低迷の原因の一つだと思います。Zenまでとは言いませんがそれでもここ最近注目されていて、且結果を残せたNAの新人と言ったらDanielくらいではないでしょうか。その間にEUではZenやSeikoo、旧Quesoの三人、Team Liquidのようなニューカマーが結果を出し続けています。EUだけでなくMENAも期待の芽がいっぱいですね。それに比べてNAは、AYYJAYY(ベテラン)が覚醒したとかHockser(4年ぶりlan)の帰還とか言ってる場合じゃないんですよ。AxBの子供を待っている時間はないんですよ。

NAが落ちているように書いてしまいましたが、EUにもしっかり理由があります。結局EUが今めちゃめちゃ強いです。結果的にみればVIT一強のおもんなリージョンに見えますが、VITにZenが入るまで毎イベント優勝争いをしていたKarmine Korp(KC)、Team Liquid(TL)、さらにExtraとRiseを入れ替えた後のBDS、その下にもOxygen(OXG)やMoistなどVITを倒すポテンシャルのあるチームが数多くあります。実際BDSはSpring majorでVITをローワー送りにしてますしKCも同メジャーでゲーム7、一時は2-0でリードしていました。結局負けていないがVITの強さなのですが、EUはまだしばらくSティアチーム多数の状態が続きそうです。

にしてもBDSも本当に”強い”チームだなと思います。毎シーズン毎シーズン、ついにBDSも終わりかってくらいの沈み(NRGはそのまま終わってしまったので)を経験してから、一番自大事なワールドファイナルでしっかり結果を出すんですよね。G2はともかくTLを4-0で負かしたようにBDSの勢いも本物でした。メカニカルVSエッセンシャル(キャラコンVS立ち回り)の試合ってほんとにわからないんで正直BDSあるんじゃないかと期待しましたが、流石にVITが異次元でした。
自分はBDSのM0nkey M00nはまだまだ世界最強の一人だと思ってて、めっちゃ好きなんで来年も頑張ってほしいです。この人のゲームセンスとメカニックの両立具合は本当に万物を持て余す神という感じがします。余談も余談ですがMMもJoreuzもトラックマニアやってるらしいのですが、どうもヨーロッパ系の人のハマるゲームってなかなか日本人には合わないですね。

TeamFalcons -MENAの王-

MENA(中東)ももうSRG(現Falcons)一強の時代ではなくなってしまいましたが、結局ワールドファイナルプレイオフ入りを果たしMENA最上位となりVITに善戦した私の推しのFalconsがMENAの王と言っていいでしょう。このチームとMENAのことだけでnoteを書けそうですが、年一のプレミアを残したいのでここでまとめれるだけまとめたいと思います。MENAも急成長したリージョンの一つで、贔屓め抜きにレベル的にはもうEUNAの次だと思います。先ほどのZenの1v1ショーマッチ 11連勝を止めたRw9やその兄弟のkiileerrs、とにかくメカニカルでプレイスピードが速いルーキーが多い。FalconsとRule one、Twisted Minds(TWIS)の3チームがワールドに出場しましたが、これRule oneがワールド前のSpring majorでtop4入りしたお陰でTWISが出場権もらえたんですよね(リージョンポイントがなんちゃら)。

このくだり、実は昨シーズンもFalconsがSpring majorで2位になったことで01esportsをワールドに連れてきててもうほんとかっこいいなってなりますね。ゴッドレベルコンフィデンスにゴッドレベルパフォーマンスです。そもそもMENAがRLCSの出場権をもらえるまでが長かったし、その後もFalconsとして最初のlanはロスターの一人がサブと交代、次のlanはビザが通らずおじゃん、やっとのSpring majorでいきなりtop2ってパキスタン人の鉄拳の話みたいでマジで燃えました。
そんなFalconsも今シーズンはリージョナルの連勝が途絶え、出場した2メジャーでもパッとせず、ついにはSpring majorの出場権(MENAのメジャーの枠は1枠)まで逃してしまいました。それでもワールドファイナルでワイルドカードを3-0で抜けメインイベントに入り、そこからプレイオフまで残ってVITには敗れましたが5-8位の成績は推しとしてはもう十分です。
そんなFalconsの戦いももう同じ面子で見れることはなく、Ahmadと五年間デュオを組んでいたoKhalidがチームを抜けることが発表されました。これでチームは Ahmad, Trk, そしてこちらも一年間出禁解禁後の新人、Nwpoになります。全員とんでもなくアグレッシブなプレイヤーです。Ahmadのエアリアルは言うまでもなく、Trkのフリップリセット後の自由度はマジで致命的です。Trkのフリップリセットフェイクはもうシグネチャーと言っていいくらい何回も見ましたが、フリップ取得後そのまま打てる位置にいるからこそフェイクが刺さるんですよね、このカーコントロール憧れて練習してたけど当然めちゃめちゃムズイです。

Ahmadも20になりますが、GarrettやJknapsがトロフィーを上げるまでどれほど時間がかかったかを思い出して、どれだけかかっても頑張ってほしいし、oKhalidは抜けてしまいましたがFalconsが優勝する瞬間を見たいですね!

NAの秘密兵器

RLCSシーズン中はプレイヤーのネームバリューとは裏腹に全く結果がついて来ず、ワールドの出場権すら得られなかったVersion1(V1)が、シーズン後すぐに行われたGamers8でついに頭角を現すどころか優勝しました。
Gamers8は去年からサウジアラビアで行われているイベントで賞金総額は200万ドル(!)、1v2v3vが混ざったフォーマットとなっています。BO5であれBO7であれ3vから始まり、負けたチームが1v,2vから選択、三試合目は再び3v、そして次の試合では先ほど選ばれなかった方のゲームモードでプレイした後、また3vへといったルールです。そしてこのフォーマットを制したのがV1。zenと比較されることもある期待のルーキーDaniel、バンプ狂comm、そしてメインストリームに出てきていなかったので忘れられていたNA最強の一人、Beastmode(Bmo)の三人です。ここも結構若いですね。DanielはSSGでデビューして惜しいところまで行ったんですがV1に移籍してからというものなかなか名前を聞かず、その間にSSGでチームメイトだった二人がお互い別チームでlanに出れたりしてたので疑問の声も多かったです。ただそれも時間の問題でした。BmoとDanielのデュオは前々から致命的と言われており今トーナメントでも負け無し、またBmoの1vゲームセンスが衝撃的でした。MMやTrk、Bmoみたいな3vスターなのに1vメイン倒せる人ってどうなってるんでしょうか。とにかくこのフォーマットとV1の相性はよくBmo&Dan復活の兆しが見えました。

去年はSpring Majorとワールドの間でやってたのですが、ワールド後の方がお祭り感があっていいと思います。フォーマットがフォーマットなのもありますが、番狂わせもあり、去年のリベンジもあり、30歳のコーチが代役参戦もあり面白かったです。トップ4止まりだったFalconsは置いといて、一番惜しかったのはOXGですかね~あのVITを倒し唯一V1相手にゲーム7まで持ち越したチームです。ZenとBmoを倒せる1vの王、Joreuzが帰って来ました。いつかトロフィーを持ち上げてほしい一人です。また埋め込んだツイートもそうなんですけどメカニックの進化が止まらないですね。車を地面で跳ねさせるPogoが話題になり始めたのがついこの前のように思えるのに、もう競技シーンで使われ始めました。そういえばRLCSでもAJGだかCrrだかが決めてたと思います。RLFXのモンタゲもどんどんすごいことになってきています。

23-24シーズンに向けて

22-23シーズンを終え早速ツイッターではロスタームーブの情報や噂が飛び交っています。NAはもうごっちゃごちゃになっており、G2とSSGくらいしかロスタームーブの情報を"聞いていない"ところがありません。Gamers8優勝のV1でさえCommの契約期限切れのため入れ替わりの可能性があるそうです。ここに今Fazeを抜けLFTのFirstkillerなんかが入ったらNAドリームチームの出来上がりなのですがそううまく行きますかね…またOptic撤退でロスター解散もショックでした。ロスタームーブがメタの一つになりつつあるRLにおいて同じロスターで結果を上げてきたOpticやTLのようなチームは個人的に好きだったので残念です。逆にNRGのSquishy放出はついにかという感じです。Top4落ちで話題になってたはずのチームが去年一年はTop4入りで大騒ぎでしたからね。G2にAtomicを加え爆発したようにNRGにフレッシュな+1が加わることでどうなるかは非常に楽しみです。ただ先ほども書いた通り期待の若手が少ないんですよ(絶望)。誰を取るのかは全く分かりません。そもそもGarrettとJstnがまだ残るのかもわかりません。またG2も、引退しようと思ってたけどまだ行けたわWもそろそろ通用しなくなってくると思います。EUも含め未確定なものばかりですが、とにかく今はどのチームがRLCSでVITを倒すかが気になります。長年の夢ZONE ENERGY ESPORTSを結成するときなのかもしれません。

土日の夜中にtwitchで見るRLCSともしばらくの間お別れです。噂では24年頭まで来シーズンは始まらないとの話も出ています。寂しくなりますが、関係者にとっての感謝を忘れず続報を待ちたいと思います。
推し達の長い長い浮き沈みを横目に、天才の出現に幕を閉じたシーズンでしたが、また来年も世界のプレイヤーたちがリミットをプッシュし続ける姿を見れたらなと思います。そしてまた来年もここのnoteで綴り書きできたら幸せです。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
また来年もお会いしましょう!では👋


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