構築のオリジナリティ

こんにちは。

Twitterのデュエプレ界隈では今デッキのパクリに対する話題がとても熱いので何かしら便乗したくなり、この記事を書くことにしました。

構築の独創性とは何か

構築に独創性があるかを考えていくために、線引きをしましょう。

一段階目

まず、テンプレリストが存在する既存のデッキの採用カードの枚数を自分好みに調整した。

ここについては、私は独創性が一切存在しないと思っています。

それはあくまで、環境読み、メタ読みの範囲内であり、ここに独創性は全く存在しません。

二段階目

テンプレリストには存在しないが、環境によっては採用を検討できるカードをデッキに入れた。

ここにもデッキビルダーとしての独創性は存在しません。プレイヤーとしてのデッキ調整の範囲内だと考えます。

プロの方々は基本的に採用候補になりうるカードすべてを検討することを前提として競技を行っています。

そのため、評価されるべきはデッキビルダーとしての腕や独自性ではなく環境をしっかり読み切った、主流ではないカードを採用して実績を出したプレイヤーとしての力量です。

1部の人がこのラインでオリジナリティが存在すると主張を始めます。正直なところ、ここでオリジナリティを主張するのはあまりに見苦しいです。

サインシューゲイザーに弾丸やMAS入れたからどうした、緑単サソリスにランボンバーやジョンタッチャブル入れたからどうした、青黒ハンデスにコンクリオン入れたからどうした。

元々全部採用候補圏内だよ。オリジナリティなんてねえよ。という話です。

三段階目

一般的でなく、それまでのプレイヤー間における認識では基本的に採用はされなかったカードを採用して、結果を出した場合です。

最近だとレッドゾーンにキルホールを抜いてトリスを入れた、トリガーロージアに究極ゲートを採用した、などです。

つまり常識や固定概念を壊した場合です。新しく採用候補になりうるカードをひとつ増やし、集合知に貢献した。

ここで初めて独創性が出てくると私は考えています。

ですが、二段階目と三段階目の境目はやや曖昧になっており、これが悲しい勘違いを引き起こしていると考えます。

テンプレリストを回した際に、その構築を自分に合うように調整するユーザーと、しないユーザーがいるからです。

また、そのデッキにおける採用カードの役割を見極めようとしているユーザーの割合によってもこの線引きは曖昧なものになってしまいます。

たとえばバイクデッキのターボ3ですが、ターボ3に求められているのはリソース補給であり、それ以外は他の採用候補にパワーでも打点でも貫通力でも劣っています。

そのため、ターボ3が稼いでいたリソースを他で補うことができればターボ3を不採用にして、他の強力なバイクを多くデッキに入れることができる、といった具合です。

しかし、多くのユーザーはターボ3を入れるのが当然だと思い込んでおり、抜くことを考えもしなかったでしょう。

ニルドと相打ちになれてブロッカーを除去できるジャッカルショットなんかを採用しようとはしなかったように。

他のデュエプレユーザーは全員テンプレリストを使っていると認識してしまった場合、二段階目以下でも独創性があると思ってしまうのです。

それ以外にも、そのデッキのテンプレリストの普及率が高くない場合も問題が起きます。いわゆるマイナーデッキというやつです。

白緑GODや青黒ハンデスのような一部のユーザーのみがテンプレリストとその採用候補を知っているデッキでは、

テンプレリストが存在しないと勘違いしたユーザーが、自身が新規でデッキを製作したと思い込み、それがオリジナリティであると認識してしまうパターンです。

これは"車輪の再発明"と呼ばれており、人類史においても昔からありとあらゆる場合で発生していました。

ある意味悲劇ともいえます。孤立した、あるいは閉鎖的なコミュニティの中でデッキを作ったユーザーはこの現象に遭遇しやすいです。

これを原因として発生する衝突はなるべく多くのコミュニティと関わっておくことで発生確率を緩和できます。

四段階目

この段階は既存デッキの構築をベースとして、そこから大幅に変更し、新規のデッキが誕生したケースです。

トリガーロージアとモノクロヘルボロフからヘルボロージアが派生したような感じです。

5cだった構築を4cに変えて実績を出し、それがテンプレ化するくらいがこの段階です。

基本的に元になったデッキがあるとはいえ、ここには十分な新規性があるといえるでしょう。

ですが、1部のデュエプレおよびデュエマに熱心なプレイヤーであれば、この構築を検討したこともあるでしょう。

さらに事前にその記録が残っていた場合、ここには十分な独創性や新規性があるとは言えなくなります。

ここで評価されているのは、他のプレイヤーが既に試し、諦めてしまったことであっても、諦めずにそれを練り続け、磨き続け、完成させたという事実です。

これはとても素晴らしいことです。あらん限りの称賛を贈らねばなりません。

ですが、これを他のユーザーが同時期に開発していたとしても、そこまで不自然なことではないと思います。実績を出したあなた以外はひとりもそれを試していないと考えるのは傲慢です。

カードの役割を正しく理解している場合、それを他のカードに置き換えること、不要な役割だと断定することなど、それらは十二分に現実的だからです。

五段階目

ゼロからテンプレリストを作るがこれに該当します。

赤青UKやサインシューゲイザー、黒緑ウラミバベルなど、既存のデッキタイプからの連想が困難なデッキを新しく製作した方がこの段階に属します。

なんの懸念も疑義もなく起源主張を行うことが許される段階と言っていいでしょう。

ここまではっきりしたオリジナリティはデュエプレのオリカ、または魔改造されたカードをデッキに組み込んだ際に発生しやすいです。

また、大きく環境を動かし多くのプレイヤーの記憶に刻まれるデッキでもあります。

まとめ

このようにして、組んだ構築のオリジナリティがどのように発生するかを見ていきましたがいかがだったでしょうか。

起源主張をしようとしているあなたがいるならよほどのものを開発していない限りはやめることをおすすめします。

誰かのやったことをもう一回再発明しているだけということは決して少なくありません。


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