予備知識系漫画動画とストーリー仕立ての漫画動画の違い
漫画動画のシナリオを書いていて、漫画動画には2種類のジャンルがあることが気が付いた。
一つは、実際に起きた歴史上の事件や人物に関したり、日常での人物の行動様式や病気について紹介する、予備知識系の動画。
こちらのチャンネルは主に人の日常での人物の行動様式や、実在する病気の症例や治療法(あくまで医学的根拠は不明)などを紹介している。
もう一つは、スカッと系などのストーリー仕立ての動画。(広告動画もこちらの要素に入る。)
スカッと系(ストーリー仕立て)の漫画動画のチャンネルの一つ。キャラクターの動向やテーマ性などがきっちりと描かれているチャンネル。
私はどちらも書いたことがあるので、だいたい分かるのだが、知識系はネットなどで下調べをしてある程度まとめることができれば、シナリオとしてまーまー成立する。
だが、ストーリー仕立ての漫画動画はそうはいかない。
ストーリー仕立ての漫画動画は、主人公の変化や登場人物同士の関係性などを描く必要があるからだ。
ウェブライティングをある程度こなしてきた人だったら、今までのライティングでも下調べをしてきた分、知識系の漫画動画ならある程度書けるだろう。
ただ予備知識系でも、シナリオライター自身がその知識をどのように見せていくか話の展開の見せ方など工夫すれば、作家性が出てくる。
例で見せたフェルミ研究所は予備知識系だが、最後のオチの見せ方が秀逸だったり、突っ込み役のキャラクターがクールだったり、独自の世界観を確立している。
さすがに漫画動画でトップを走っているチャンネルだけある。
予備知識系漫画動画よりも、シナリオライターの作家性を出せるのは、ストーリー仕立ての漫画動画だ。
ストーリー仕立ての漫画動画なら、テーマがクライアントから与えられていても、それを表現するのに主人公をどの様に動かし、どの様に変化をさせればテーマが表現できるのか、作家の腕の見せ所だからだ。
しかし、ネットで下調べをして書いていただけの人たちには、物語の定理や登場人物の関係性の描き方が分からないのだ。
ストーリー仕立ての漫画動画のチャンネル運営者はこの辺のことを理解できずに、安い単価でウェブライティング程度しかやってこなかった人たちをシナリオライターとして採用する。
しかしどうだろう?そうしたことで、出来上がってきたシナリオはクライアントが本当に望むレベルで上がってくるだろうか?
結局、テーマの参考に与えた元動画と全く同じになってしまわないだろうか?
そのチャンネル独自の話になりえるだろうか?
同じ話のスカッと系漫画動画が量産されるのは、そういった傾向があるからだ。
結局人の労力も消費されれば、同じ物語も量産されて消費されるだけ。
そこに、何の面白みがあるだろうか?
そこのチャンネルで漫画動画を制作する必要があるだろうか?
漫画動画のチャンネルを運営している人たちはその辺を考えていってほしい。
漫画動画運営の闇の部分にも触れたところで、今日は終えることとする。
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