いつまでもあると思うな・・・・図書館にて

  久々に図書館に来てみると、かつてその書棚にあった某書がない、一冊ないならまだしも、某選集、某大系がまるごと消えているということがあった。借りられているだけなのかと、OPACで調べてみると自分の住む自治体の図書館のどこにも蔵されていないとわかる。「嗚呼、完全に除籍されたのか・・・・・」と慨嘆するばかり。かなり古い本ならばまだしも数年前に刊行された本が除籍されている。
「いくらなんでもそりゃ殺生な」
 その一冊がそこに行ってももう読めない、これほど辛いことはない。むろん、国会図書館などに行けば読めるだろうが、これまで近い距離で読めたものが突然読めなくなることでの落胆のほどは計り知れないのだ。こういったことが幾度もつづくと、家のある自治体の小さな公立図書館に対して「不信感」が募ってくる。もちろん、新刊はどんどん出るし、図書館の本棚に際限があって除籍せざるを得ないことも承知している。
 それでも「その一冊の価値をよく見極めてほしい」といつも願わずにはいられない。こちらとしては貴重で有益な情報が数多書かれていると思う本が図書館の人にしてみれば「除籍しての差し支えない」と判定されたと思うと果たして図書館は本の価値をわかっている人たちによって運営されているのが疑いたくなる。
 最近はこんなショックなことがたてつづけにあって、あれほど愛していた図書館への信用が半減してしまった。
 よく「本は買うな、借りて読め」というが、正しくは「金があれば買え、なければ図書館であるうちに、除籍されないうちに読め」なのだろう。
いつまでもあると思うな図書館の蔵書。

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