見出し画像

パリの日本人① その分類

 まず先に言っておくべきは、ぼくはもちろん、パリ在住の日本人すべてに会ったわけじゃありません。ただ、多ジャンルの日本人に会ったおかげで、わかったことを書くだけです(以下のすべての文の文末では「らしい」という助動詞が省略されています)。

 現在、パリ在住の日本人=在パリは、数万人(2~5万人)いるといわれています。多いです。パリの広さは山手線くらいなので、在パリはメトロや街中で、普通に目にします。

 戦前は数百人、戦後増え始め、バブル以降急激に増加し、最近は横ばいです。というのも、戦前の日本人にとってもパリは憧れの場所のひとつでしたが、旅行にいけるような場所でなく、ましてや金持ちでなければ住める場所ではなかったからです。現在では、賃金は安いとはいえ、ビザさえあれば、日本人がこちらで生きていくことは不可能ではありません。

 ここまで増えると、そのほとんどが普通の人なのは当然です。もちろん、芸術や文化を学びに来る人も多いですが、駐在員も多いです。また、在パリの6割(実感としては7割以上)が女性です。そして、たいていの在パリが永住せず、数年で帰国するか他国へ移住します。

 在パリは、富裕層と貧困層に分かれています。真ん中はあまりいませんが、仏企業でサラリーマンをしている方もいます。富裕層は、駐在員とその家族、経営者、学者、(一部の)アーティスト、(一部の)仏人や駐在員と結婚した女性、(一部のエリート)学生です。貧困層は、学生、アーティストの卵、国際結婚した女性、パティシエ、ワーキングホリディ(一年で帰国)です。

 駐在員の内訳は、メディアや商社、流通などが主なものです(エネルギー、NPO、国際機関など多様)。経営者は、そのほとんどが飲食業です(IT、文化産業など多様)。学者は、そのほとんどが文科系です(理系も普通にいます)。アーティストの卵やパティシエは、そのほとんどが学生ビザで夢を追いかける若者です。学生は、大学(一部のエリート)やコンセルヴァトワール、語学学校、専門学校までさまざまです。

 ちなみに、ビザによる分類はあまり意味がありません。学生ビザでパティシエの修行をする人、ユーロパスをもつ人などさまざまだからです。

                     ―投げ銭式(学費のため)

ここから先は

1字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?