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※あくまで個人の感想です。#1

そして見上げれば1000のタンバリンを打ち鳴らしたような星空
(1000のタンバリン / ROSSO)

とても詩的でロマンチックなこの表現は、視覚のものを聴覚を使って例えるという珍しい表現です。それでいて違和感がない。よく考えると不思議です。
「タンバリンを打ち鳴らしたような夜空」とはどんな夜空なのか。
そこには、タンバリンという楽器そのもののイメージが重なって合ってきます。僕はタンバリンの出すタシャンタシャンという音から、孤独で切ない夜空をイメージしました。ひとによっては楽しいイメージを抱くかもしれません。聴覚を使って例えたことが、解釈に奥行きをもたらしている気がします。このフレーズは、星空を「タンバリンを打ち鳴らしたような」と表現したものであるのと同時に、タンバリンの音を「星」と表現したものでもあります。タンバリンを叩くたびに生まれる小さな星は、やがて満天の星空を作ります。
チバユウスケ氏は、ステージでよくタンバリンを打ち鳴らしていました。
そのとき生まれた星は、きっと今も夜空で輝いているんだろうと思います。


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