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サルでもわかるアドラー心理学~入門偏~

こんにちは。オンクです。

今週はアドラー心理学にお話です。ややいまさら感はあるもののQOLを高めるためのヒントがここに詰まっているといっても過言ではありません。下手な自己啓発本を数十冊読むよりはアドラー心理学をきちんと理解した方がよっぽど役に立ちます。さらには今まで学んできた恋愛の話だけでなく、WILL POWERGIVER、TAKERなんかの考え方にも通ずるところがあります。2年ほど前に『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』がベストセラーになりましたが、おそらく9割くらいの人はそろそろ忘れているんじゃないでしょうか(笑)。大切なことは切り口を変えて何度も繰り返すことで少しずつ自分のものになります。アドラー心理学について、まともに語り始めると本数冊分になってしまうので今週は入門編です。それではよろしくお願いします。


アドラー心理学とはいったい何か

簡単にいうと、アドラー心理学とはアドラーさんが考えた幸せに生きるための仮説です。約100年前くらいに「こんな方針のもと人生を歩めば人は幸せになれるだろう」と考えたわけですね。"幸せ"というキーワードが登場するとなにやら怪しい自己啓発や宗教、スピリチュアルなどを想像し身構えてしまうのですが、こうした現実には存在しないなにか神様を信じて幸せをなろうという他力本願な思想を説くものとは、アドラー心理学はまったく異なります。僕らに必要なのはどんなときでも偉い人たちの言葉遊びや机上の空論ではなく、現実世界にインパクトをもたらす理論や技術です。まさにアドラー心理学は、自分の足で立ち、自らの行動で自分の人生を切り開いていくための極めて実践よりな考え方といえるでしょう。

したがって、先に説明したとおりアドラー心理学は呼び名こそと"心理学と"称しているものの厳密な意味での科学ではありません。"幸せ"とは主観的なものだからです。しかし、僕の見立てではアドラーさんの仮説はおおむね科学的に正しかったといえる点がいくつかあると思っています。現代では多くの研究者たちが膨大な調査を行い、人生の成功とはなにかという問いに対して科学的に答えをだそうとしています。行動経済学やマインドフルネス、進化論、恋愛工学などもその一部といえるでしょう。これらのフレームでアドラー心理学をとらえると、驚くほどアドラーさんの仮説の筋の良さに気づくことができます。


アドラー心理学の難しさとは

そんな約100年前に考えられたにもかかわらず素晴らしいアドラー心理学ですが、おそらくそれを理解したうえで実践できてる人は『嫌われる勇気』を買った人の1割にも満たないでしょう。それもそのはずでアドラーを理解し、実践するには生きてきた年月の約半分が必要と言われています。随所にグサグサくる表現はあるものの普通に難しいんです。

結局のところ、アドラー心理学の難しさは、その抽象的な概念と全体像の理解にあります。

アドラー心理学では、自己決定論、目的論、全体論など極めて抽象的な概念のオンパレードです。もちろん世間のアドラー本には子育てや恋愛で例え話が紹介されていますが、自分事として捉えるためには、抽象と具体を行き来することで自分ごとに落とし込まなければなりません。

もうひとつの難しさは全体像の理解です。全体像とは個々の概念が全体の中でどういう位置づけなのか、それぞれにどういう繋がりがあるのか、ということです。

恋愛を例にみると非常にわかりやすいですね。ディスる技術やコールドリーディングなど個々のテクノロジーでいえば、従来のナンパ師のテクニックとさほど違いはないものの、ACSフェーズでの位置づけやそれらのストーリーとしての繋がりがみえるとそこで初めて自分のものとして使えるようになり、強力な威力を発揮します。

逆に全体がみえてない人はどうしてもイタくなりがちです。個々のテクノロジーの表面的な部分のみ切り取りして正義を主張してくる、いまや定例的な風物詩となった恋愛工学批判や、『嫌われる勇気』というキャッチーなタイトルの"嫌われる"という部分のみに影響された身勝手な後輩なんかをみるとわかりやすいですね。経営学者の楠木氏の言葉を借りれば「個々にみた時に非合理だった要素が後から見たときストーリー全体の中では合理的になる」の非合理な部分までしかみえてないということなのでしょう。


人生を変えるアドラー心理学7つの基本概念

前置きが長くなってしまいましたが、今回は後者の個々の概念の概要と全体像について説明していきます。アドラー心理学で数多くの概念が登場しますが、まとめると前提となる5つの理論、1つの技術、そして1つの価値観で構成されます。それでは順に説明していきます。

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