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国民へ再度節約の呼びかけ、大食い動画投稿者叩きと厳しすぎる処置

要点:
①飲食浪費行為の制止と危機意識の強調
②終末を迎える吃播(Chibo)経済、配信を禁止するプラットフォームも
③メディアによる「大胃王(大食い動画投稿者)」の批判、再現度の高い「食べ真似」動画投稿者

本記事では、「食べ真似」動画が注目を集めるに至った背景を紹介します。

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  8月11日、中国の習近平国家主席が飲食浪費行為を控えるよう重要支持を出した。こういった飲食浪費行為を制止する動きは、主に公的資金で飲食浪費をする行為の取り締まりや、社会の目標とする小康社会の実現のため、国家のトップによる指示で何度も注意喚起が行われてきた。今回の指示が出された背景には、地方にも浪費が存在すること、新型コロナウイルスでの被害、いなご大量発生、豪雨災害などのさまざまな社会問題が発生したことと見られており、一段と重い指示が下されて法的整備も考えれている。

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中国語「光皿行動(食べ残しをしない)」
というスローガンは2013年ごろから徐々に普及

中国語の「打包(持ち帰り)」(ここでは、残り物の持ち帰りの意味)
というフレーズも今ではよく使う言葉に

  この国家による指示をうけ、「大食い動画配信者」に対しメディアも含め批判が殺到し、「グルメ配信経済」に大きな影響が生じた。現在、「飲食浪費」は社会的な関心を集める重大なテーマとなっている。

  ではなぜここまで重大な問題として扱われるようになったのだろうか?それは、⑴中央電視台(cctv)などメディアが大きく浪費について取り上げたこと、そして、⑵浪費の批判対象となった大食い動画配信者が、編集技術によって完食しているように見せているが、実は一部を廃棄している事実などをSNSで暴露されたこと、の大きく2点によって批判の声は高まり、社会的に注目されるテーマとなった。

  現状、そのような社会全体からの批判を受け、多くのプラットフォームでは大食い動画投稿配信者に対し動画投稿の禁止と動画削除の処置が下されている。またそのような動画のコメント欄は批判のコメントであふれ、すでに大食いを配信しようとする配信者はいない。

  たしかに、有名になるために食料浪費が許されるわけではないが、一方で大食い配信は末日を迎えたとまで評されるほど袋叩きにする必要があったのだろうか。このような急で厳しすぎる処置には中国らしさを感じた。

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◇今注目が集まる配信者の「朋鳥朋烏」、彼の動画は非常に再現度が高く、
本当に食べているようにしか見えない。リンクからハンバーグを食べる動画を視聴してみてほしい。

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  社会的に大食い動画や暴飲暴食に関する話題が敏感なテーマとなる中で、「無実無吃播(食べ真似配信)」という動画が多く投稿されるようになったことは興味深い流れである。芸能人の中にも食べ真似動画を投稿する者もあり、この無実無吃播という新単語はトレンド入りし、流行語となりつつある。

文責/Tagawa Taichi


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