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心霊体験 静寂に響く叫び 

妙に安かったけど調べた感じ、事故物件とかではなかったからね
新しい生活に胸を膨らませて、引っ越し初日

「え? もしもーし……電波悪い?」
友達との電話が途切れ途切れ、嫌な予感がする

「女の声がする? ちょっ! 怖いこと言うなよ」
冗談交じりに返すけど、内心友達の言葉にビビってる

「んじゃあまたね~」
電話を切った瞬間、部屋が静寂に包まれる

「え、何今の音……」
微かな物音に心臓がビクンと跳ね上がる

「うわうわうわっ! 何だこのお札!」
物音がした辺りの壁裏に、古びたお札を見つけて叫ぶ

「え、電気!? ちょっ、真っ暗なんだけど!!」
突然の停電に、恐怖が襲いかかる

「やばいやばいやばい!」
暗闇の中で手探りで動き回る

「うわあっ! え、だ、誰!?」
背後に感じる気配に振り返ると、若い女がこちらを睨んでいる

「ん? 助けて?」
女の口元から幽かに聞こえる声が助けを求めている

「いやそれもう、こっちのセリフなんですけどぉ!」
恐怖よりも先に、なぜかツッコミを入れてしまう自分

「ユルサナイユルサナイユルサナイ……デテイケ」
か細く、しかし不気味な声が繰り返し響く

「いやいやいやいや……はぁっ?」
困惑と恐怖が怒りに変わる

「俺、今日からここの入居者なんですけど!?」
新しい住人としての権利を主張する

「デテイケってなんだよ、なぁ?」
不満をぶつけると、冷たい空気が漂う

「おめーは、ただの前の入居者だろうがよぉ!」
勇気を振り絞って、さらに追及する

「なんだデテイケって? 大家みてぇなこといいやがって」
理不尽な要求に対して、反論し続ける

「てか、誰だお前っ!」
目の前に立ちつくす正体不明の存在に問いかける

「……あ、いや……ごめん。いや、泣くのはちが……」
女の瞳が揺れ動き、部屋に響く突然の泣き声に戸惑い、謝る

「ごっめんってぇ~!」
泣き止ませるために、必死に謝る

「生活の邪魔しないなら、住んでていいから」
奇妙な妥協を提案し、事態を収めようとする

「んじゃ……まぁ……これからよろしくね」
新たな共存生活の始まりを宣言する

新しい住人とともに過ごす、奇妙な日常
部屋の中に漂う、不思議な友情の兆し

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