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カンナビノイドの水素化について

THCを水素化したHHC(令和4年3月17日付で指定薬物)など大麻草から抽出されるカンナビノイドにパラジウムなどの触媒を加えて水素分子を付加する水素化にはどんなメリットがあるのでしょうか?
水素化というものは植物油脂をマーガリンに変換する際にも使われる化学反応で、この反応によって酸化安定性、熱安定性の向上や融点の上昇、色相の淡色化、風味の変化などがあります。
特筆すべきは酸化安定性、熱安定性の向上ではないでしょうか。
カンナビノイドに限った話ではありませんが植物由来の天然成分よいうものは化学的に作られたものと比べると安定性が低く劣化しやすいという特性があります。熱・空気・光によってカンナビノイドも劣化していきます。
水素化することで化学的に安定させ劣化しにくくなることで熱や紫外線に対する高い耐性を発揮して酸化や分解しにくくなります。

代表的な水素化されたカンナビノイド

THC⇒HHC
THCP⇒HHCP
THCH⇒HHCH
CBD⇒H4CBD

水素化による効果の変化

分子構造が変わる事でCB1受容体、CB2受容体への結合親和性も変化します。THCとHHCを比較して見ると効果も副作用もほとんど同じですが精神活性作用はTHCより低いようです。水素化する事で安定させられる反面、効果は少し劣るようです。

H4CBDについて

CBDを水素化したH4CBDは2006年にカンナビノイド受容体の作用とは独立した潜在的な抗炎症効果があることが発見されました。
またCB1受容体に対して従来のCBDよりもかなり高い結合親和性を持っているとされています。研究によってはCBDの100倍強力である可能性があるとされています。THCからHHCになると効果が劣るのにたいしてCBDからH4CBDに変化すると効果が強くなるようです。
ただしH4CBDには精神活性作用はありません。


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