純喫茶【三橋雄斗】
今日は二人別々の予定の後で、池袋で待ち合わせることに。
先に予定を終えたひかりちゃんが、「ここで待っているから早く来てください」と、とある喫茶店の場所を送ってきました。
その後、僕も予定を終え、待ち合わせの喫茶店へ行くと、
美味しそうにコーヒーとタバコを嗜んでいるひかりちゃんがいました。
とても雰囲気の良い純喫茶。池袋にあるとは思えない、静かで落ち着いた空間。
お腹が空いていた僕は、スパゲッティとコーヒーを注文しました。
ひかりちゃんは「ここのコーヒーは一味違うよ」と言うのです。
先にコーヒーが運ばれてきたので、早速一口飲んでみました。
確かに一味違う。まさに口の中がブラジル。鼻に抜ける香ばしさ。自分の鼻を直火で焙煎しているかのような、そんな昼下がり。
これは心が満たされる。至福の時間。
そのあと運ばれてきたのはタラコスパゲティ。
まさにスパゲッティー。これは決してパスタではない。
麺の固さも、味付けも、皿も、スパゲッティ。
そう、『あの頃』の味。人それぞれ『あの頃』は違えど、みんなが「『あの頃』の味だぁ」と口を揃えて言うでしょう。これを食べて1980年を思い出す人もいれば、2017年を思い出す人もいる。人それぞれ。
そう、懐かしさが隠し味。隠し味が懐かしさ。いや、これが最早懐かしさそのものなのではないでしょうか。
僕は「よくこんな店を見つけたね」と、ここに来て何本目かわからないタバコに火をつけたばかりのひかりちゃんに言いました。
すると、
「アタシもたまたま見つけたんだよね。見つけたっていうか、『池袋 タバコ吸える』で検索したら出てきたんだよね。」
と煙を吐きながら言うのです。
昨今、タバコが吸えないお店が増えていますが、
もし、今でも禁煙化が進んでいなくて、どこのお店でも気にせずタバコを吸えていたら、
ひかりちゃんがタバコを吸うことに固執していなければ、
この喫茶店を知ることは無かったのだと思うと、感慨深くなりました。
食べ終わったあと、二人でネタ会議をしました。
その店には僕達のほかに、
商談をしているビジネスマン。
ネットワークビジネスの話をする人。
そして漫才を一生懸命作っている僕達。
ここはオアシスであり、砂漠でもある。
そんなことを考えながらボーッとしていたら、ネタ合わせ中であることを忘れてしまっていて、
ネタの案を出しているひかりちゃんに適当な返事をしてしまい、怒られました。
気づいたら砂漠のど真ん中に来ていたようでした。
【相方へ】
やはりそうだったのですね。いつも通り美味しいと思いました。
砂糖にこだわりはありますか?僕は茶色い角砂糖がすきです。