睡魔【三橋雄斗】


新しい家が決まり、不動産屋さんで正式な契約をして来ました。



契約の際、内容や条件などについて、1から10まで詳しく説明を受けるのです。



僕達もきちんと聞いていました。



しかし、当然ながら全く面白くはありません。



部屋は暖かく、眠くなりそうになりましたが、
僕も成人して何年か経つ大人なので、集中し直して、説明に耳を傾けました。



その時、ふと横にいる、ひかりちゃんが視界に入りました。



ひかりちゃんはマスクをしていたのですが、
明らかにマスクの下であくびをしていたのです。



マスクをしていることをいいことに、説明をしっかり聞きながら、あくびを連発していました。



ズルいなぁと思いながら、僕は気をつけようと気を張り直しました。




しかし、あくびはうつるもの。



次の瞬間、今まで我慢していた分が一気に大あくびになり、襲ってきました。



必死に口を閉じて誤魔化しましたが、完全にあくびを誤魔化した顔になり、

その瞬間、説明をしてくれている不動産屋さんと目が合いました。



不動産屋さんは、一瞬だけ苦い顔をしましたが、何も言わず説明を続けてくれました。




その後、説明の節目節目で「すみませんね、あと少しですからね。」と、気遣ってくれました。



終わってお店を出た後、ひかりちゃんに
「恥ずかしい、我慢しなさいよ」と言われました。



「ひかりちゃんのせいだよ!ひかりちゃんのあくびがうつったんだ!」と珍しく言い返しましたが、


「それを見越してマスクをしてきなさいよ」
と言われてしまいました。



目が覚めました。

【相方へ】

わかりました。もし一つだけできた時は、化粧水だけ。2つともできたら乳液も、というのはいかがですか。

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