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大切な命を亡くした人にどのような言葉をかけますか? ~ピア・グリーフ・サポートの基本~

大切なペット、友人、家族の死に直面し、悲しんでいる友達や親戚にどんな言葉をかけたらいいかわからないという人は多いと思います。

今回はピア・グリーフ・サポート団体Karaの英語資料を元に、悲しんでいる人の慰めに役立つ言葉と、善意の言葉であるものの悲しんでいる人を怒らせたり、苦しめたり、悲しみから立ち直るのをさらに困難にしてしまうかもしれない言葉の両方を示します(日英)。


Comforting the Griever ~悲しむ人を慰める~

Saying nothing or pretending the death didn't happen also hurts.  

何も言わなかったり、死が起こらなかったのように振る舞うのもまた傷つきます。

It is important for the grieving person to hear words of comfort from you and especially from peers to whom he/she is close.  And, it is important that the words of comfort and support continue for many months, and, perhaps with less frequency, even years.

悲しみにくれる人にとって、あなたから慰めの言葉をかけてもらうのは大切なことです。特に、親しい仲間からの慰めならなおさらです。そういった慰めや励ましは何カ月も継続することが大切です。また、それほどよくあることではありませんが、人によっては、数年にわたってこのような慰めや励ましを続けることが大切な場合もあります。

Words that Do Comfort the Grieving Person ~慰めになる言葉~

◎ I'm sorry. お悔み申し上げます。本当に悲しいことですね。

◎ I'm thinking of you. あなたのことを思っています。

◎ I care and want to help. 心配しています。力になりたいと思っています。

◎ You are so important to me. あなたは私にとって大切な人なのです。

◎ I'm here for you. あなたの為にここにいます。

◎ If I were in your shoes, I think I'd feel that way too. 
あなたと同じ立場になったら、同じように感じると思います。

◎ One of my favorite memories of ________ (use the name of the person or pet) is… 
(亡くなった人やペットの名前)との一番の思い出は、・・・・。

◎ It seems so natural to cry at a time like this. こんな時は泣いてもいいと思います。

◎ I don’t know what to say but I know this must be very difficult for you.
何と言ってよいのかわからないのですが、本当にお辛いですよね。

◎ Do you feel like talking for a while? 少し話されたいですか?

◎ How do you feel today? 今日の気分はどうですか?


Words that Do Not Comfort ~慰めにならない言葉~

Now she’s in a better place. (故人は)今よりもいい所にいますよ。

Time will heal you. 時間が癒してくれますよ。

Think of all you have to be thankful for. 感謝すべきことを考えてください。

Just be happy that he's out of his pain. (故人)が苦しみから解放されたことを喜んで下さい。

He lived a long life. (故人)は長生きしましたよ。

Be strong. You are holding up so well. 強くなって下さい。よくがんばっていますよ。

Keep busy. 忙しくするといいですよ。

Try not to think about it. 考えない方がいいですよ。

He wouldn't have wanted you to be sad. (故人)はあなたに悲しんでほしくないと思います。

This is a blessing. これは天の祝福なんですよ。

Now you have an angel in heaven. あなたを見守ってくれる天使ができましたね。

You shouldn't feel that way. そんな風に思うべきじゃありません。

Stop acting like a baby. 子どもみたいに振る舞うのはやめましょう。

You need to be strong. 強くならなくてはね。


How to Help Someone Suffering from Loss ~喪失に苦しむ人を助けるためにできること~

◎ DO let your genuine concern and caring show. 心からの心配や気遣いの気持ちを表現して下さい 。

◎ DO be available... to listen or to help with whatever else seems needed at the time. その人の話を聞いたり、必要なことを手伝ったり、その人のために時間を作ってあげて下さい 。

◎ DO say you are sorry about what happened and about their pain. 悲しい出来事や、その人の心の痛みに対して、お見舞いの言葉をかけて下さい 。

◎ DO allow them to express as much unhappiness as they are feeling at the moment and are willing to share. その人が今感じている不幸な気持ちを、その人が心行くまで表現させてあげて下さい 。

◎ DO encourage them to be patient with themselves, not to expect too much of themselves and not to impose any “shoulds” on themselves. その人が自らに寛容に接するよう、自らに多くを求めすぎないよう、「こうすべきだ、こうあるべきだ」というようなことを自らに課さないよう勇気づけてあげて下さい 。

◎ DO allow them to talk about their loss as much and as often as they want to. その人が心行くまで、何度でも喪失体験のことを話させてあげて下さい 。

◎ DO talk about the special, endearing qualities of the person they've lost. 亡くなった人の特別で愛おしい特性について、思い出を語ってあげて下さい 。

◎ Do reassure them that they did everything that they could. その人ができることは全てやったのだということを伝えて下さい。

DON'T let your own sense of helplessness keep you from reaching out. 自分の無力さを感じても、連絡したり手を差し伸べることをやめないで下さい 。

DON'T avoid them because you are uncomfortable (being avoided by friends adds pain to an already painful experience.) その人と接することが気まずくても、その人と会ったり話したりすることを、避けないで下さい(友人に避けられると、すでに辛い経験にさらなる痛みが加わります) 。

DON'T say that you "know how they feel". (Unless you've experienced their loss yourself you probably don't know how they feel.) 「お気持ち、察します」というような言葉をかけないでください(同じような喪失体験がない限り、その人の気持ちはわからないはずです) 。

DON'T say "you ought to be feeling better by now" or anything else that implies a judgment about their feelings. 「もう気持ちの整理がついているころでしょう」というような言葉や、その人が感じている気持ちを批判するような言葉はかけないで下さい 。

DON'T tell them what they should feel or do. その人はこう思うべきだ、とか、こうするべきだ、というようなアドバイスをしないでください 。

DON'T change the subject when they mention their loss or their loved one. その人が喪失体験や亡くなった人のことを話す時に、話題を変えないで下さい 。

DON'T avoid mentioning their loss out of fear of reminding them of their pain (You can be sure they haven't forgotten it. 喪失の痛みを思い出させるかもしれないという不安から、その人の喪失体験に触れることを避けないで下さい(その人は、喪失体験を忘れることはありません) 。

DON'T try to find something positive (e.g. a moral lesson, closer family ties, etc.) about the loss. 喪失体験に関する前向きなことを探し出そうとしないで下さい(例えば、教訓や家族の結びつきの強化など)。

DON'T say they “can always have another ...” 「また、別(次)の~ができるから...」というような言葉で、慰めようとしないで下さい。

DON'T suggest that they “should be grateful for their so-and-so...” 「~のことを有り難く思うべきだ」というような言葉をかけないで下さい。

DON'T make any comments which in any way suggest that their loss was their fault (there will be enough feelings of doubt and guilt without any help from their friends). 喪失がその人の責任であったかのような言葉はかけないで下さい(その人は、すでに疑念や罪悪感を充分に感じているはずです)。


WHAT TO DO When YOU Have Had a Loss ~あなた自身が喪失体験をした時に役立つこと~

◎ Talk to other people about your experiences, reactions, feelings, etc., and tell your story as many times as you need. あなたの経験、反応、感情などを他の人に、必要なだけ何度でも話してください。

◎ Take it easy. Don't push yourself. Get plenty of rest! 頑張りすぎず、十分休んでください!

◎ Plan extra time to do usual tasks. You may be distracted and not be able to function as efficiently as usual. 普段の仕事をこなすのにいつもより時間を多く見積もって下さい。気が散っていつものように効率的にはかどらないかもしれません。

◎ Recognize that you may be running on adrenaline: アドレナリンで興奮状態にあるかもしれないと自覚してください。例えば、

 ✓ Plan to let yourself "crash" at some point. 自分の日常の「機能が停止」する心づもりを しておいてください。

 ✓ Check to see if your decision making ability has been impaired (ask for feedback on how you are doing). 意思決定能力が低下しているか確認してください。(他の人に自分の行動の評価をしてもらってください。)

 ✓ Let others do their part - you're not the only one who can do it! 他の人に代わってもらってください。私しかできないと思い込まないでください。

◎ Remember to eat good meals even if you don't feel like it; avoid junk food and excessive sugar. 食欲がなくても、栄養のある食事を心がけて、ジャンクフードや糖分を摂りすぎないで下さい。

Avoid excessive alcohol, caffeine and non-prescribed drugs. Don't try to numb out. アルコール、カフェイン、市販薬を取り過ぎないで下さい。悲しみを麻痺させようとしないでください。

Don't make big life changes or decisions. 今は人生の大きな変化や決断を避けてください。

◎ Turn off your radio and television when you start to feel overwhelmed by the news. ニュースに圧倒されていると感じ始めたら、ラジオやテレビの電源を切ってください。

◎ If you are having trouble sleeping, listen to soothing music or drink a glass of milk. 眠れなかったら、癒されるような音楽を聴いたり、コップ1杯の牛乳を飲んだりしてください。

◎ Accept whatever feelings you have and let yourself do what makes you feel better, e.g., if sleeping with a teddy bear or a flashlight helps, then let yourself do it! どのような感情であっても受け入れ、自分が楽になることは何でもしてください。もし、ぬいぐるみや懐中電灯が眠るのに効果的なら、どうぞ使って下さい。

Recognize we are all on different timetables, so don't expect others to handle things or be feeling the same way you do. 人はみな違う時間軸で生きていることを理解し、他人が自分と同じように物事を処理したり感じたりすると期待しないでください。

◎ Go for walks (exercise) - but don't over do it. 散歩や運動をしてください。でもやり過ぎないで下さい。

◎ Keep in contact with close friends and family. Be flexible. 親しい友人や家族と連絡を取りましょう。柔軟に生活しましょう。

◎ See a funny movie. ユーモアのある映画を観ましょう。

◎ Keep a journal.  Write in it if you can't sleep. 日記をつけましょう。眠れなかったら、そこに書き込みましょう。

◎ Draw a picture (especially a good idea for children). を描きましょう。特に、こどもには効果的です。



執筆:
NPOウィコラ創設者・代表 
米国産婦人科ナースプラクティショナー
小谷祥子

無断転用・転載を禁止します
©︎ Womxn’s Collaborative 2024

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