エア・カナダがB787-10を18機発注、一方で777Fの2機をキャンセル
エア・カナダはこのほど、ボーイングに対してB787-10ドリームライナー18機を確定発注した。
同社は現在、主要路線と子会社LCCのエア・カナダ・ルージュの機材を合わせて約240機を運航しているが、そのうちドリームライナーについては787-8型を8機、787-9型機を30機(プラス2機が近く受領の予定)を運航中で、最も大型の-10タイプの発注は今回が初めて。これにより今後、同社には787型シリーズの全3タイプが顔を揃えることになる。
エア・カナダのマイケル・ルソー社長兼最高経営責任者(CEO)はB787-10のメリットを、「787ファミリーの最大モデルとなる“-10”型は、シート構成に応じて330人以上の乗客を運ぶことができ、客室内圧の強化によって乗客の快適性も高めています。貨物室は175立方メートルありますし、環境対応面でも787-10は代替する機材と比べて座席当たりのCO2排出量を最大25%少なくしてくれる」と説明した。
この新造B787-10の納入は2025年第4四半期から開始され、最後の完成機は2027年第1四半期に引き渡される予定」としており、いずれも既存のエア・カナダ機材のうち、古くて燃費効率の悪いワイドボディ機の代替として投入されることになる。さらに今回の発注契約には、オプション12機の787-10型機が含まれていることが明かされた。
一方、今回のB787-10発注と引き換えに、エア・カナダが昨22年8月に発表していたB777F貨物機2機の注文はキャンセルされている。
今回のエア・カナダによる最新型旅客機の大型発注と、同時に明らかにされた大型フレイターの発注キャンセルは、最近における航空旅客の急回復の反面で、一時の勢いを無くした航空貨物需要という2つの航空界の傾向をみごとに反映させたものと言えそうだ。
ちなみにボーイングによると、カナダはボ社にとって最大の国際供給拠点のひとつであり、550社以上の部品・資材のサプライヤーがいる。 カナダ中部のウィニペグ市にあるボ社の航空宇宙用複合材製造施設を含め、10数社のカナダのサプライヤーが787製造プログラムを支援している。ボ社は毎年40億カナダドルの経済利益をカナダに生み出し、1万4000人以上の直接・間接雇用をもたらしている関係だという。
2023年9月29日掲載
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