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NXHDがオーストリアの物流大手cargo-partnerを買収

Nippon Expressホールディングス(NXHD)はこのほど、オーストリアの大手物流cargo-partnerを買収すると発表した。買収総額は8億4500万ユーロ(約1260億円)に上り、NXHDの企業買収額として過去最大になるとされる。

会見で握手する両社首脳(cargo-pertnerウェブサイトより)

NXHDは今回、傘下の特別目的会社を通じてcargo-pertnerの持株会社など計5社(Cargo-Partner Group Holding AG /Multi Transport und Logistik Holding AG/Safer Overseas Transport Holding GmbH/Cargo-Partner GND GmbH /CARGO-PARTNER US HOLDINGS INC.)から、cargo-partnerをはじめとする計63社の対象会社の株式を取得することで合意し、5月12日付で株式譲渡契約を締結したもの。

cargo-partnerは、オーストリアのウィーンを本拠とする1983年設立の物流企業。同社発表の直近データでは、世界40ヵ国に160の拠点を置き、4000名の従業員を擁する。22年12月期連結業績は、売上高:20億6339万ユーロ(約3076億円)/EBIT(金利・税引き前利益):7148万ユーロ(約107億円)/当期純利益は5381万ユーロ(約80億円)。

NXHDはcargo-partnerについて、「中東欧地域に強固な物流事業基盤をもつとともに、NXHDの経営計画でもコア事業の成長戦略としている自動車/電機・電子/ 医薬品産業において、海運・航空フォワーディング事業を中心に欧州やアジア、北米など各地で事業を展開してきている」と評価。

その上で、「NXHDグループは一方、経営計画における非連続の成長戦略としてクロスボーダーM&A を進めてきた。cargo-partnerから提供された情報と度重なるコミュニケーションによって、同社の成長戦略/豊富な人材/企業文化への理解を深め、NXHDの長期ビジョン実現に向けて両社ともに成長する可能性を協議してきた結果、対象会社をNXHDグループに迎え入れることが、両社の持つ優位性を生かした相乗効果による更なるフォワーディング事業の強化/営業活動の活発化/グローバル市場における存在感の向上、を実現できるとの結論に至ったもの」と今回の買収に関して説明している。

NXHDでは買収が実現すれば、同社ネットワークの拡大と欧州地域の提供サービス拡充/海運・航空貨物取扱量拡大による、グローバル市場における競争力の強化/アジア〜欧州間をはじめとするロジスティクス需要への対応力およびグローバルアカウント体制の増強/相互補完によるロジスティクス事業のシナジー創出と拡大・発展、が見込めるとしている。

2023年5月19日掲載


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