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マースクが航空貨物サービス拡充、総合物流化を加速

大手コンテナ船社のMaersk(マースク、本社:デンマーク)が航空貨物サービスを拡充している。

マースクは自社保有機材を使用して航空貨物サービスを提供している。

マースクは3月に本拠デンマークのビルン空港と中国・杭州を結ぶ定期貨物便を週3便で開設した。運航はグループの航空貨物キャリアが行い、機材はB767-300BCF(Boeing Converted Freighter)を投入、同社としてデンマーク〜アジア間で初の航空貨物サービスを開始している。

また、この4月には米サウスカロライナ州グリーンビルと中国・瀋陽を結ぶルートのほか、米イリノイ州シカゴと中国・杭州を結ぶ、太平洋貨物路線を新たに2路線開設した。同路線は週2便でスタートし、5月から週3便に増便される。機材は2路線ともB767-300Fを投入し、運航は米国籍貨物専門航空会社・アメリジェットに委託している。

このようにマースクは、立て続けに欧米と中国を結ぶ航空貨物サービスを開設しているわけだが、これは同社が掲げる“コンテナ物流の総合業者”としての一環に他ならない。同社は海上コンテナ輸送分野だけでなく、航空貨物、陸上輸送、ロジスティクスや倉庫・通関業など、物流におけるエンドツーエンドのサービスをすべてマースクグループで担う総合物流化を進めているところ。

そのため、海上コンテナ輸送のほかに、M&Aによって倉庫業や陸上輸送、ロジスティクス分野のサービス拡充を図っているほか、航空貨物分野においては自社でフレイターを保有して顧客ニーズに対応したサービス展開を進めている。今回開設した米国〜中国の2路線にも、新たに受領した3機のB767-300Fを投入した。
マースクは「顧客ニーズに対応したエンドツーエンドのサービスにおいて、エアカーゴは重要な役割を担っている。米国とアジアを結ぶ太平洋路線の就航によって、太平洋横断の接続サービスをさらに強固にできる」としている。

海運会社のエアカーゴ進出はマースクだけでなく、MSC(スイス)とCMA CGM(仏)も積極的に推し進めており、海上コンテナのトップ3船社が総合物流に大きく舵を切っている。今後は海貨だけでなく航空貨物分野でも海運3社の動向に注目が集まりそうだ。

2023年4月11日掲載

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