見出し画像

ボーイングとジョラムコ、ヨルダンに新たなBCFライン設立で合意

米航空機メーカー・ボーイングと、ヨルダンの航空機MRO(*注)企業ジョラムコ(Joramco)は8月22日、ヨルダンの首都アンマンに新たなボーイング改造貨物機(BCF)製造ラインを設立することで合意したと発表した。

ジョラムコは、ヨルダンの航空宇宙コングロマリットであるドバイ・エアロスペース・エンタープライズ(DAE)の子会社で、航空関連MROビジネスを主体とするほか、世界60ヵ国以上の約120 社の航空会社に約550機の航空機をリースするリース部門も抱えている。
今回、中東企業として初めて、国内外航空会社のボーイング機材を貨物機に換装する事業をてがけることになったもの。

ジョラムコのフレイザー・カリー最高経営責任者(CEO)は、「中東における初の737-800BCFの製造拠点としてジョラムコが選択されたことをうれしく思い、かつボーイングとの関係を強化できることに非常に興奮している。当社のMROビジネスに加わる737-800BCF事業は、われわれにとって大きなマイルストーンとなるだろう」と語った。
さらに、「ヨルダンのアンマンに位置するジョラムコは、中東、ヨーロッパ、北アフリカ、独立国家共同体 (CIS)で事業を展開する将来の737-800BCFの顧客をサポートするには絶好の位置にある」ことを強調した。

ヨルダンのアンマン国際空港(クイーン・アリア国際空港)内に建つ
ジョラムコの格納メンテナンス施設。

さらに親会社であるDAEのフィロツ・タラポアCEOも今回のボーイングとの合意について次のように評価している。
「今日の発表は、DAE傘下エンジニアリング部門に対する当社の長期的な取り組みの成果でもある。2016 年にジョラムコを買収して以来、収益は2倍以上に増加し、アンマン本拠施設の存在感は拡大を続け、2024年末までにメンテナンス・ラインは22に達する見込みである」

また、ボーイングの商業プログラム・エンジニアリングサービス/改造貨物機およびサブコンポーネント担当副社長のマイク・ドゥエルフェルド氏は、「顧客が期待する品質のBCFを生産できるMRO能力をジョラムコは持っている」との期待を示した。

ボーイングの商業市場見通しによると、世界の貨物輸送機は今後、65%増加して2042年には3700機以上になると予想されている。この需要に応えるには、737-800BCFなどの改造型貨物機約1300機を含む2800機以上の新造機および改造型貨物機の納入が今後20年間で必要になるとしている。

(*注)MROとは、Maintenance, Repair and Operations(保守/修理/稼働)の略称。主に製造業で業務に用いる備品・工具・消耗品(間接材)などの購入管理や効率運用をめざすこと、さらにそうした作業を請け負うビジネスのことも指す。

2023年8月30日掲載

※ジャパンプレスの発行するメールマガジン登録(無料)をすることで、最新の航空貨物ニュースを受け取ることができます。
ご登録はこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?