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B777の貨物機改造メーカー「マンモス・フレイターズ」が本格稼働へ

米国フロリダ州オーランドに本拠を置く「マンモス・フレイターズLLC」という、ボーイング旅客機を貨物機に改造して販売する会社がこの2023年春から本格的な稼働を開始して注目されている。

マンモス・フレイターズは、ニューヨークの投資会社フォートレス・インベストメント・グループとその関連会社が管理する投資ファンドの支援を受けて2020年12月に設立した新会社で、ボーイングから改造ライセンスも得て現在、カリフォルニア州エスコンディドとワシントン州シアトルに技術オフィスを構え、テキサス州フォートワースに改造工場を持つほか、今後、英国などでも改造施設を展開する計画でいる。

同社は、この2023年末までに最初のB777-200LRの改造を完了し、連邦航空局(FAA)から来24年4月までにB777-200LRFとして初の補足型式証明(STC)を取得し、さらにその6ヵ月後にはB777-300ERMFについてもSTCを受ける見込みを立てている。その2機種(777-200LRFと777-300ERMF)がマンモス・フレイターズの改造販売機種となるもよう。

マンモスが貨物機換装を手掛けるB777-200LRFとB777-300ERMFの完成予想CG


現在までに、同社はデルタ航空から入手した10機の777-200LRから改造工事を始めており、そのほかにも35機の777旅客機をフレイター改造する注文を受けているとのこと。また、改造後の最初の販売先として名が挙がっているのはDHLで、同社は9機の777-200LRFをマンモスに発注済みと発表しており、2024年から27年にかけて納入される予定。マンモスではほかにも10機の改造貨物機について販売交渉が進展中としている。

現在は一服感のある航空貨物需要だが、IATA(国際航空運送協会)の予測でも長期的には成長を見込まれる産業分野のため、貨物機には今後も安定した需要が見込まれていることが、こうしたフレイター改造メーカー、とくに民間航空機としては最大型機であるB777専門の貨物機換装メーカーの新規進出をうながしたようだ。
777の貨物機改造を手掛ける有名メーカーとしては、ほかにイスラエル・アエロスペース・インダストリーズやカンザス・モディフィケーション・センター社などがある。

2023年4月27日掲載


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