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サウディアと新設リヤド航空がボーイングに大量発注

ともにサウジアラビアの国営航空であるサウディア(サウジアラビア航空)と新設のリヤド航空が3月14日、ボーイングに対し両社合わせて最大121機にのぼるB787シリーズを発注して話題をまいている。今回の発注は、民間航空の歴史の中で5番目となる大規模オーダーとなるもの。

サウディアとボーイング社との調印式の様子

3月12日に設立されたリヤド航空は、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会長を務める政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が100%出資する国営航空会社。首都リヤドを拠点とし、2030年までに世界100都市以上へ路線展開を実現する計画だ。リヤドでは現在、6本の大型滑走路を持つ世界最大級の空港“キング・サルマン国際空港”が建設中のため、サウジ政府としても、既存のサウディアと新設のリヤド航空をもって、リヤドがアジア、アフリカ、ヨーロッパに接する地理的優位性を生かし、新空港を世界の巨大中継拠点にする狙いがある。

そのための新戦力としてサウディアが最大49機、新設リヤド航空が最大72機の合計121機という大型発注となったもので、今後さらにオプションとして追加発注の可能性もあるという。両社ともとくに航続距離が長く搭乗客数も多い-9型と-10型が中心となりそうで、今後、長距離路線に多く進出することを考えているようだ。
さらにサウディアについては従来、ボーイング機をB777-300ER、787-9、787-10など50機以上運航中だが、
今回発注した787シリーズは、既存機材と比較して燃料消費量と排出量が約25%も削減されるとしている。

中東ではサウジの隣国としてアラブ首長国連邦にドバイのエミレーツ航空、アブダビのエティハド航空、さらにカタール国ドーハにもカタール航空という、超強力なエアライン3社がすでに巨大航空勢力として覇を競っているため、その一角に食い込もうという中東の大国サウジアラビアの戦略が見ものではある。

2023年3月17日掲載


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