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シンガポール航空グループ、22-23年度は過去最高の純利益21.6億Sドルに

シンガポール航空(SIA)グループは5月16日、3年連続の赤字から一転して、2022-23年度は21億5700万シンガポールドル(約2220億円)という過去最高の年間利益を計上したと発表した。

同社によれば、シンガポールが新型コロナウイルス禍による国境閉鎖を22年4月に終了してヒトの移動を再開した際、同グループの航空会社であるシンガポール航空(SIA)とスクートは回復した人流に対応できる態勢をすでに整えていたため、急増した需要を適切に取り込むことができたとしている。

2023年3月のグループ旅客輸送能力はコロナ前の水準である79%に達し、他のアジア太平洋地域エアラインの国際定期便の58%レベルを上回っている。 SIAとスクートの旅客搭乗率(PLF)は55.3ポイント上昇してグループ史上最高の85.4%に達し、両社合わせて前年比6倍となる2650万人の乗客を運んだ。

一方、貨物部門については、パンデミックによるサプライチェーンの混乱が沈静化したため、業績は前年比で鈍化した。在庫水準の高さが新規受注の低下につながったほか、旅客便の復旧により航空スペースが増加したことも運賃水準の低下につながったと見ている。それにも関わらず、貨物収入は依然としてコロナ前の2019暦年に記録した水準を83%も上回ったとしている。

そうした結果、グループの売上高は前年同期比で133.4%の増加となり、過去最高の177億7500万Sドルを記録した。輸送量が449.9%増加し、輸送能力の拡大の94.0%を上回ったため、旅客航空収入は10億6000万Sドル (+376.3%) 増加して133億6600万Sドルとなった。航空貨物収入は、貨物積載量(11.4%減)の減少により、7億3500万Sドル(16.9%減)減の36億400万Sドルとなった。にもかかわらず、これはグループの歴史の中で2番目に高い年間貨物収入額となった。
そして、経常利益で26億9200万Sドル、純利益で21億5700万Sドルという過去最高の利益を挙げたわけである。

同グループは同じ発表文の中で、機材フリート構成についても触れており、23年3月31日現在、グループの旅客機は188機、貨物機7機からなる195機の航空機を運航している。 SIAの運航機材は旅客機133と貨物機7、スクートは旅客機55で、機材の平均使用年数が6年9ヵ月と、航空業界で最も若く最も燃料効率の高いフリート構成のひとつとしている。

8機の発注キャンセルが決まったB737-800。より大きな機材へと機材を刷新していく

 ただ、新規発注機材に関しては最近、787-9型の3機をより大型の787-10の3機と交換し、発注済み8機の737-8型をキャンセルすることでボーイングと合意したという。SIAグループとしては現在、エアバス、ボーイング合わせて100機の航空機を発注済み、あるいは今後発注予定としている。

2023年5月26日掲載


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