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ルフトハンザ カーゴ;表面技術“エアロシャーク”搭載で航空機の燃費改善

ルフトハンザ カーゴ(LCAG)はこのほど、B777Fに表面技術“AeroSHARK”(エアロシャーク)を搭載した。エアロシャークを搭載したB777Fは、同機で4機目となる。

エアロシャークは独の総合化学会社BASFとルフトハンザ テクニックが共同開発したもの。少ない力で泳ぐことのできるサメの皮膚の微細構造を模倣した表面フィルムで、約50マイクロメートルのリブレットで構成されている。

航空機における燃費改善は、エンジン性能向上や構造重量の軽量化のほか、飛行中の空力抵抗を低減することも重要な要素となる。LCAGでは、このリブレットを機材の胴体とエンジンナセルに貼り付けることで、航空機の表面の摩擦抵抗を1%以上減らすことができるとしている。

エアロシャークは機体の胴体とエンジンナセルに貼り付ける(出典:ルフトハンザ カーゴ)

LCAGによると、エアロシャークを同社のB777F全機に装着した場合、フランクフルト〜上海の貨物便換算で約53便分に相当する、年間4000トン以上の燃料と約1万3000トンのCO2排出量を削減できるとしている。同社は2027年までにすべてのB777Fにエアロシャークを搭載予定としている。

エアロシャークについては、同じルフトハンザグループのスイス・インターナショナル・エアラインズ(SWISS)も、保有するB777への搭載を順次行っているところ。これにより両社は旅客・貨物の航空会社として世界で初めて、サブフリート全体をこの技術で最適化することになる。LCAGの11機、SWISSの12機すべてがエアロシャークを搭載した場合、ルフトハンザグループのCO2排出量は年間2万5000トン以上削減されるとしている。

同グループは、航空機の脱炭素化に向けて、運航機材にエアロシャークを導入することで、燃費のさらなる改善を目指す。

2023年10月19日掲載

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