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JALの自社フレイター、24年2月から東アジア主要3空港に就航へ

日本航空(JAL)は来年2月19日から、自社貨物機(フレイター)の運航を開始する。自社フレイターは旅客機B767-300ERを貨物機に換装したB767Fで、JALとして貨物機の導入・運航は13年振りとなる。

B767Fは、日本の成田、中部を基点に、上海(浦東)、仁川、台北(桃園)の3都市に就航する。

成田および中部とeコマースを中心に需要が高い東アジア3都市を結ぶ(出典:JAL)

2月19日から、台北線と仁川線をそれぞれ週5便で運航開始する。運航ルートは台北線が成田→台北→中部(JL6719/6718便)、仁川線が中部→仁川→成田(JL6749/6750便)となる。また、3月1日から上海線を開設、このうち成田→中部→上海(JL6783便)を週5便、上海→成田(JL6784便)を週6便、成田→上海(JL6785便)を週1便でそれぞれ設定する。

JALグループは1959年5月に初めて貨物専用便(ダグラス DC4 型チャーター機)を羽田〜サンフランシスコ線に就航させ、同年11 月に改造DC-6B型のセミカーゴ機を導入。それ以来、JALグル ープは約50年にわたって旅客便貨物室と貨物専用機を併用したサービスを提供してきた。しかし2010年10月末、国際航空貨物の市場環境において、貨物専用機を継続的に運航するには極めて厳しい状況下にあることから、JALは貨物事業のビジネスモデルを「旅客便のベリー活用に特化した形に転換する」とし、フレイターの運航を2010年10月末に休止。それ以降、旅客便や他社の貨物機をチャーターすることで貨物キャパシティを提供し、貨物事業の再構築を図ってきた。

同社はフレイター導入について「これまで需要変動が大きい航空貨物事業において、旅客機の貨物スペース(ベリー)に加え、需要に応じて他社のフレイターをチャーター運航する事業運営を展開してきたが、貨物郵便事業のさらなる成長をめざし、自社によるフレイター運航を決定した」としている。

JALはB767Fを3機導入する計画だが、フレイター導入により新たなビジネスモデルによる安定的な需要の取り込みを図る。具体的には国内外のeコマース・宅配など、今後も高成長が見込まれる貨物の取り込みに向け、物流企業とパートナーシップを結び、安定的な需要をベースにしたネットワーク戦略を展開する。

また、国際および国内線のハイブリッド運航で機材稼働率を向上させ、収益性を確保する計画としているほか、2024年問題に起因する物流ニーズに対し、航空輸送力の強化を図るとしている。

2023年12月12日掲載

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