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ユナイテッド航空がSAF推進のファンドを2億ドル規模に拡大

ユナイテッド航空(UAL)はこのほど、持続可能な航空燃料(SAF)の利用推進に向けた投資ファンド「ユナイテッドエアラインズ・ベンチャーズ(UAV)サステナブル・フライト・ファンド」の規模を大幅に拡大したと発表した。

UALはSAFについて、「従来のジェット燃料のみを使用した場合と比較して、機材運航に伴う温室効果ガス(GHG)の排出量を大幅に削減することが期待できる」と捉えた上で、「世界の航空会社の中で最多となる50億ガロン以上のSAF生産向け投資の方針を示している」ところ。

そのUALは同社のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンドのUAVを通じて今23年初めに、エアカナダ/ボーイング/GEエアロスペース/JPモルガン・チェース/ハネウェルをパートナーとして、これら企業から合計1億ドル(約140億円)以上の出資を受けUAVサステナブル・フライト・ファンドを発足。このUAVサステナブル・フライト・ファンドに、ユナイテッド航空がそれまで数年間にわたって行ってきたSAFの研究、技術、生産に取り組むベンチャー企業向け投資などの案件の一部を移行して、取り組みを進めてきた経緯がある。

今回は、同ファンドの新たなパートナーに金融・航空キャリアなどから合計8社(アメリカン・エキスプレス・グローバル・ビジネス・トラベル/アラムコ・ベンチャーズ/アビエーション・キャピタル・グループ/バンク・オブ・アメリカ/ボストン・コンサルティング・グループ/グループADP/ハワイアン航空/ジェットブルー・ベンチャーズ)が加わり、ファンドの規模が約2億ドル(約280億円)へと拡大したもの。

UAVのマイケル・レスキネン社長は、「航空業界の脱炭素化にはユナイテッド航空だけでなく他の航空会社の協力が不可欠」とした上で、「UAVサステナブル・フライト・ファンドは、SAFの供給量が限られた現在の競争環境を脱し、パートナー間の協力によってSAF業界自体の規模拡大を支援し、画期的な技術への出資を得ることをめざす」としている。

2023年8月4日掲載

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