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貧血のある愛犬の手作り食

推定6歳のペキニーズを保護して1年、食材に拘って手作り食をしている飼主さんから貧血の相談があったのが11月の初旬でした。

貧血に良い食材を選んで手作りを頑張ってられますが中々数値は改善されないとのことで、飼主さんのお悩みや私からの提案を飼主さんの了承を頂いて書き止めました。

ウチのアンジーも若い時にダラダラ長引く発熱から貧血が出たことがあって治療に約1年かかってしまったことがありました。思い当たるサプリメントや食べ物を与えましたが思う様に改善せず知識不足、情報不足を痛感しました。


現在は、細胞レベルから健康に導く矯正栄養学を動物に当てはめて
細胞を強化し、動物の体自体が病気やケガから回復する力、病気を寄付けない力を持つ為の適切な栄養の補給を提案しています。
あの時に今の情報があればもっと体を楽にしてやれたのではないか、と思います。

今回、ペキさんの貧血対処への経緯が同じ悩みを持つ飼主さんのヒントになればと言う思いで情報を提供してくださいました。


■11月のご相談時


わきの脂肪腫から出血したので、以前からあった背中の脂肪腫と共に3箇所の切除をしましたがその時に貧血があると言われました。医師の話だと内臓の数値が悪くないので鉄分欠乏症の貧血と言う事です。

保護した時にも貧血があると言われてましたので、須崎医師の本を読んで手作り食だけにして3ヶ月、散歩の時に砂を口に入れなくなって来たので改善したものと思ってました。

手作り食は、タラやシャケの魚に人参、かぼちゃ、しいたけ、小松菜などを一緒に炊いた物にボイルした牛肉、刻み納豆とめかぶを足してます。
ですが、病院からは手作り食では不足な栄養があるのでドッグフードを勧められたので、これからはフードも与えようと思います。


■12月初旬に検査しました


手作り食にフードを加えて1ヶ月後の血液検査では赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット共にまだ低い数値です。

医者からは、緊急に手術になった時命とりになりかねないのでヘマトクリットを30%にしましょうと言われてます。
今は脂肪分の低い馬肉と鹿肉を半生でアズミラと混ぜて食べさせてます。
ネットで調べたジンジャーパウダやらサプリも与えてましたが医師から出された葉酸だけで様子見てほしいと言われたのでやめてます。


■2月初旬の検査結果です


食餌の改善をして、病院から出てる葉酸を続けて、血液検査では赤血球が少し上がりましたがヘモグロビン値は前回と変わらず、貧血の数値のヘマトクリットは0.3アップしたもののまだ全体に低い数値です。
ヘマトクリット値の目標30%には届かなかったので、サンプルのサプリメントを飲ませてみます。


●weaveからの提案


貧血の対応には葉酸とビタミンB群に消化の良いタンパク質を摂って頂きたいのですが、それと並行して胃腸の調子を整えるようお伝えしました。
体のタンパク質不足は貧血の原因のひとつです。
胃酸が少なく消化不良を起こしている場合などは折角食べたタンパク質も消化できず吸収されません。
毎日シッカリ食餌を食べていても消化機能が弱ければ、知らないうちに改善を阻んでしまってます。

サプリメントは、通常でしたらマルチビタミンミネラルで栄養素の漏れがないようにお勧めしますが、今回は病院から葉酸が出てるとのことでしたので、葉酸のはいってないビタミンBコンプレックスのサンプルを試して頂いて様子を見て貰らいます。

※どうして栄養素の漏れがないようにするのか?ですが、生命を維持する為に少なくとも18種類のミネラル、20種類のビタミン、8種類のアミノ酸が一定量必要ですが、その栄養素の一つが欠けることで46種類全ての栄養の働きを妨げてしまうからです。


■2月下旬の検査結果です


今日病院で血液検査をしてもらい数値が良くなってましたのでこのまましばらく葉酸とビタミンBを続けていきます。中々上がらなかったヘマトクリットが目標の30%を超えたのでよかったです。

赤血球が少なくなって葉酸を飲ませ始めて1か月少しは良くはなってましたがビタミンBコンプレックスを試したその後の1か月後に目標に近くなってましたので先生にもビタミンBをサプリで取ってますと言いました。

貧血が改善しなかったのは、体重の管理で肉を少なめにしていたのと手作りだけでは必要な栄養が取れてなかったのが原因かと思います。アズミラを最小限の分量より少なめで今は肉を多く与えていきます。


●weaveからの提案

鉄欠乏なら鉄剤を摂ればと思いますが、鉄などのミネラルは吸収されにくいので効果が上がりにくいです。
吸収しにくいミネラル類ですが胃酸がシッカリあると吸収されますのでレモン等のクエン酸と一緒にとると吸収しやすくなります。
しかし、犬が好んでレモンを食べてくれるとは思えませんが、キーウイやパイナップルもクエン酸の多い食品ですので、毎日食事に入れているレバーと一緒に入れてみてください。


人間の貧血も改善しにくいものですが、ペットのサイクルは短いですから反応は早いと思います。お薬と違って栄養療法は地道なことですが、副反応も少ないですし、生体の細胞レベルの改善になりますので続けていってあげてください。


■3月下旬の血液検査は、変化ありませんでした

先生も新しい細胞が生まれてきているが、赤血球やヘマトクリットが足りてなくても出来てないと言うことは今までもずっと貧血で生活してきてそれが普通になってしまっているからか?と言う事でした。

葉酸は1日2つぶから1粒に減らし2か月くらい様子みてまた急に数値が落ちていたりすると造血剤みたいなんを使うかもしれないです。
このままこれ以上は赤血球やヘモトの数値が下がらなかったら良いんですが、それだけ祈って毎日レバーを欠かさず頑張ってみます。

●weaveからのお返事

血液検査の結果に変化がなかったとの連絡をいただきました。

なぜ変化が見られないのか?を考えながら飼主さんとお話しをしていると、この一か月の間に湿疹が出てかなり痒みがあり病院で見て頂いたとのことでした。
体の炎症は鉄を好み炎症を加速させたり、体内の鉄を使ってしまいます。

今回のように皮膚疾患で痒みのある炎症はもちろんですが、体内のどこかに隠れた炎症がある場合でも鉄を浪費してしまい貧血の改善を妨げると言われてます。

先ずは、皮膚の治療を優先させて、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットの数値が落ちないよう観察していかなくてはならないです。

こう言うときは何を食べさせるかです、貧血の改善のために毎日食べさせているレバーは鉄の補給とタンパク質の為には必要ですが、レバーの量を少し控えてみることで湿疹がマシになるのか?
これはやりながら状態を見ていかないと判断しにくいところだと思います。

もし、病院で造血剤投与となると…
今のうちに湿疹を治してあげないといけませんね。

可愛い我が子ですから、苦労を厭わず頑張ってらっしゃいます。
かっては私も検査のたびに上がってこない数値にはがゆい思いをしたこと、思い出します。

時間がかかっても一歩ずつ前に向かって進んでいきましょう。


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