人狼における「駒」とは?【個性編】
こんばんは、今回は人狼における「駒」について語って参ります。
前回の「盤面とは」の中にありました、「個人」に分類される項目の深掘りでもあります。
大前提として、人狼には(配役に使うカードを除き)内容物そのものは在りません。
勝利条件のあるトークゲーム全般に言えることですが「内容物はPL自身」で、PL自身が機構の一部として振る舞い、PL自身の持つ力がゲームの好し悪しに影響します。
今回はPLを駒に見立て、村内で どのように解釈できるかを読み解いて参ります。
理論的な側面から実用的な側面まで ずらっと。
前置きして、この記事は「PL=駒」…もう少し情緒に寄せた言い方をすれば「PLは感じ考える駒である」と断言し その立場で書かれています。
各人の倫理観から割り切りができない方は ご注意ください。
◆チェスに例えて
PL本体の前に先ず役職の話をしましょう。
人狼には役職があり、何を担うかでその場(盤)での駒価値が変わります。
当然、村より占は価値が高く重く、狼は最重要役です。
一番 解りやすい(だろう)と思うので、チェスに例えてみましょう。なんでチェスかって?格好良いからです。いいね?
チェスは基本6種類(KQRBNP)の駒があります。
これがそのまま人狼の基本6役職(狼狂守占霊村)に符合します。
狼はキング、狂はルーク
機能自体はルークの方が多いし強いですが、肝心の勝利条件はキングに依存します。
キャスリングは丁度この2種の関係を言い得てる機能でしょう。
村はポーン
いっぱいいますし、1つ1つの価値は低いです。
が、疎かにすると敗けます。一歩千金は金言です。…これは将棋か。
他、守はナイト 占はクイーン 霊はビショップ
…と便宜上しますが これらは綺麗に言い得てる訳ではありません。
守は奇襲性能があるよ、占は最強駒だよ、霊は占の劣化だよ、等くらいでチェス上での役割と村内での役割が綺麗に符合してる訳ではありません。便宜上 こう というだけです。
(まぁ「守護者、騎士」だから「ナイト」の語感は丁度いい)
狼:Kキング
狂:Rルーク
守:Nナイト
占:Qクイーン
霊:Bビショップ
村:Pポーン
まぁこれらは想像しやすいように宛がった表現です。(今後は読み進めるにあたりチェスの駒を頭の片隅に置いてみてください。置かなくてもいいけれど)
しかし大事なのはここからで、先ず以って これらの駒は村内では役割通りの振る舞いをしません。チェスと違い人狼は完全情報ゲームではありませんので、駒が他の駒の挙動を騙ります。
そして更に大事なのは、駒価値は「役職+a」で成り立つことです。
PLの能力次第でビショップが縦にも動いたり、逆に動きが弱くなることもあります。まるで変則チェスのように。
寧ろ、ある程度まで成長したPL達の中では+aの価値が役職の価値と同じか それ以上に大きくなるので、役職は付加価値くらいの扱いにもなります。
この+aが本記事の本題です。
◆個
役職以外で駒価値に計上されるものは一言にぎゅっと言い表すと「個」「個性」です。
PLは千人千色で同じPLはおらず、同じ役職を担ったとしても振る舞いは異なります。
「個」を もう少し解釈しましょう。
個…つまり個性 個人 個体をゲームの駒と見做すと、色々な能力値の集まりであると解釈できます。
RPGでなら「攻撃力」「防御力」「機動力」や「STR」「CON」「DEX」等で表されるものです。
これらの能力の内、喋るのが得意だったり、空気を読むのが得意だったり、そういったゲームの勝利条件に(直接的 間接的に)影響するものを能力として計上します。
駒の個性を読み解くことで、先のチェス駒と例えに合わせて「"推理力"の高い村人」を「"機動力"の高い村」と言い換えが利くようになります。
後ほど能力値に名を付けて分類化します。
◆外交と内考
細分化した能力群を この後で読み解きますが、その前段階として2つに大別します。
外交と内考です。
言葉面から解りそうなので特に難しいことはないと思いますが、要は「外向き、外に影響する(働く)出力系能力」と「内向き、内に反映する(築く)入力系能力」です。
発言して人に伝える 投票する等は外で、頭で思う考える等は内です。
(外交力 内考力…と呼ぶのを私は好みます。造語なので馴染まないと思います。が、流行れ)
この2大分類に収めつつ能力を細分化します。
(本当は政治 経済の分類もしたいですが、今回は大雑把に不要なので それは以前の記事を ご覧ください)
◆基本能力
さて今回で一番 読み解きたい章にきました。
駒を能力値の集まりに見立てると どう分析できるか。解剖 解剖。
この分類化 及び言語化は人によって様々でしょう。
なのでこれはあくまで私ヲボロの見解、と踏まえて ご覧ください。
駒の能力値の大単位として全てで9つに並列で分けました。
◇認知系
・感応 Feel&Find(直感と直観)
・観察 Watch
・記憶 Storage&Knowledge(保管と知識)
・想像 Idea&Image(発想と連想)
・整理 Organize
◇判断系
・判断 Choice&Control(選択と調節)
◇操作系
・発信 Expression&Impression(表現と印象)
・行動 Act
・精神 Mental&Mind(意志と意思)
英表記は洒落てつけたものなので、形を優先してます。
能力一覧は工程順に並べてあります。先ず「ある物事を感じ(感応)」「それをよく見(観察)」~「踏まえて実行(行動)」し「最期に大事なのは気力(精神)」で結ぶ、までの並びです。
但し、それぞれの項目は完全な時系順ではなく前後で入れ替わったり飛んだりして機能することもあります。
近い項目は相互に関係があり、それぞれが完全独立の能力ではありません(精神と感応は隣で、認知系は全て整理を中心に隣り合う)
又、感応~整理までが内考、発信と行動が外交で、判断と精神は内外両面があります。
これらは1つ1つは体の部位のような存在で、それぞれが機能することで駒として成り立ちます。
丁度、体の各部が連動するようにね。
では、それぞれの能力を説いていきます。
・感応 Feel & Find(直感と直観)
思考のきっかけを作る能力で、違和感を覚えたり 気になったり ぱっと思ったり、はこの感応能力です。
感受 感知とも部分的に言い換えられます。
先天的に備えている素質部分を直感、大雑把に言えば感性
後天的に身に付けた経験則部分を直観、つまりは言語化未達成の経験則
…と呼び分けます。
感受性は精神の状態に大きく影響を受けます。
気持ちが枯れている時…特に疲れている時は感応が乏しくなります。
・観察 Watch
感応が内考の門とすれば、観察は玄関。見聞く~観る聴く まで、外から情報を取り込む全般を指します。
直前の感応時に受けた印象で その後の観察での解釈に肯定的か否定的かが およそ決まります。
見聞き範囲(人単体か場全体か等)や程度(眺めるか凝らすか等)は段階的にでなく階調的に地続きにありますので、観察能力を更に細かく分類することが縦にはできません。(後述します規模観に関わります)
視覚優位 聴覚優位 言語優位 等、どの五感 感覚が強く働くかでの横には分けられます。
耳に限定すれば「傾聴力」と言い換えられます。
・記憶 Storage & Knowledge(保管と知識)
記憶は項目内での分け方が…
「記銘 保持 想起の記憶の工程での分割」
「陳述(出来事と意味) 非陳述記憶の内容に基づく分割」
「即時 近時 遠隔記憶の時間間隔に基づく分割(神経学」
(心理学での時間間隔は感覚 短期 長期記憶の分割がある)
…の主に3つがあります。あるそうです。
が、これら学術的な話は一旦 置いておきまして、村内で記憶能力を括る際には保管と知識を用います。
記銘+保持が保管力、記銘+想起が知識力です。
この記憶の3工程…記銘 保持 想起は ざっくり言えば「知る 憶える 思い出す」ことで、世間一般での記憶力は「知って憶える」を指しまして、本記事では これを保管力と呼び換えています。
そして憶えておく記憶力もあれば、それを「思い出す」知識力も記憶力もあります。(必要な時に思い出せない知識は憶えていないのと同じ)
知識には意識上や言語上でないものも含まれます。
運転や泳ぎ等の知覚 運動 習慣に挙げられる「感覚」に当たるもので用いられる際には意識や言語を伴いません。
伴いませんが、これも使われる(引き出して思い出される)以上は体が憶えている知識として数えます。
久しぶりに入村したが役職の立ち回り感覚を思い出してきた、が一例です。
場面場面での反射反応や、大きい括りであればゲームへの理解度なんかは知識に含まれます。
尚、憶えていなくてもいいことを さっさと忘れる(保持しない)のも記憶術の1つの使い方です。(容量節約)
「思考すること」とは「記憶と事象を比べて、ある基準下で同じか違うか分類を別けること」の連続です。この作業自体は想像の領分ですが、思考のためには記憶が必要不可欠なのです。
・想像 Idea & Image(発想と連想)
想像と知識は強い相関のある能力です。知識が広がると物事への解像度が上がり、想像力が増します。
思考で網羅できる範囲は知識を基に想像で跳べるところまでが限界です。それより外のことは自力では判断できない事象になります。
想像は発想と連想に分かれ、それぞれは似た別能力です。発想は水平思考、連想は垂直思考とも言い換えられます。
発想(水平思考)は いわゆる「発想の飛躍」等に言い表される物事を多角的に見る思考法で、「横方向に跳ぶ」思考です。
対して連想(垂直思考)は既存の枠内で積み上げる思考法で、ある物事から繋げて高く(深く?)詳しく見ることで「縦方向に跳び上がる」思考です。
村内で「機動力」と表現される能力は主に この想像能力で、「早い」「軽い」は およそ豊かな想像力(及び それを装った姿)に由来します。
「思考作業=記憶と事象の比較の連続」と先程 述べましたが、「走る=片足ジャンプの連続」なのと似ていますね。
・整理 Organize
外部(感応 観察)からの入力と内部(記憶 想像)からの入力が往復する際に整理脳を通るので、内考系ほぼ全ての能力に常に関わります。
いわゆる情報整理能力です。
思考作業の「記憶と事象を比べて別ける」の通り、別ける=分ける=分かる=判る=解る ための能力が整理力です。
・判断 Choice & Control(選択と調節)
整理悩にて挙がった択を選ぶ能力 と 行動の大小を調節する能力 に分かれます。
「何をして何をしないか」が選択、「何をどの程度するか」が調節です。
いわゆる取捨選択であり、想像脳(何をするか)は足し算的に働くのに対し、判断脳(何をしないか/どの程度するか)は引き算的に働きます。
・発信 Expression & Impression(表現と印象)
外見の印象による自動的なものから言葉選びの大小による能動的な表現まで、他人に伝わる伝えるに関わる能力全般を指します。
他の能力と最も異なる点が「自分1人で能力値が決まらない」ことで、受信側との相性が前提となって機能します。その上で、表現と印象が掛け算的に働きます。
表現力は、専ら語彙力 構文力とそれを扱う感性 知性に依存します。
そして印象力は「何を言うかより誰が言うか」が重視されることもあるように、棋譜に直には顕れない部分での影響力に大きく関わります。
極論「顔が好ければ(最初と最後には)吊られない」と言えます。暴論気味ですが誇張した真実です。
印象は大変 重要です。よくあるメラビアンの3V法則(印象は視覚Visual55% 聴覚Vocal38% 言語Verbal7%で決まる)を引き合いに出します。
3Vが重く働くのは序盤(特に初日)の まだ足掛りとなる基点情報が少ない時と、終盤(特に最終日)の判断材料が出尽くした時。
前者の場面では印象が判断に占める割合が大きく、後者の場面では最期の最期の判断が印象頼りになります。もちろん印象でひっくり返る範囲での話ですが、これらの場面での好印象は重宝します。
更に、PLが知り合いであれば初日より前…配役前に印象の好し悪し(有利不利)が既にあります。
・行動 Act
判断したことを実際に起こす実行能力です。
行動は全て「システム上の選択」か「発言」により顕れます。
この内、前者は選択力 後者は表現力に関わるもので、それらなしに行動力は発揮できません。
又、感情も動機も0なら行動は起きません。行動は気力が少なからずあって起こります。つまりは行動には必ず精神が大なり小なり乗ります。
悪く言えば、何の行動に至らないのであれば考えていないと表面上は同じです。
行動力とは「気持ち(精神)を実行(判断や発信)と結び付ける能力」のことです。
・精神 Mental & Mind(意志と意思)
これがないとPLは何も動きません。
精神力は気持ちの強さを表す意志力と、心構えの在り方を表す意思力に分かれます。
和訳すればいずれも「精神 精神力」と書きますが、前者は気力 気骨 熱量 等、後者は思想 信念 宗教 価値観や方法論体系等とも言い換えられます。前者は潜在意識での精神、後者は顕在意識での精神です。
掴みやすい言葉に言い換えるとスカラーとベクトル(っぽいもの)と思ってください。
意志は単に気持ちの大きさを表し、大雑把に言えば感情 興味 関心のことです。
意思は経験に強い相関があり、自分の持つ論理体系の均整が取れてるか…つまりは持論の正しさに自信があるかを表します。これは知識と経験の往復で強化できるものです。
意思力の指標として「余裕」があります。余裕ぶる、とは違うので ご注意を。
意志と意思は相互作用があります。
片方だけだと「勢いだけ」だったり「頭でっかち」だったりと、不釣り合いな精神状態になる訳です。
(特に柔軟な心構えがなく気持ちだけが強い場合、これは村内で よく見受ける意固地になってる光景で、精神状態の悪い例です。砕けた言い方をすれば、「傲慢」「プライドが高い」状態です)
あと健康状態(特に睡眠)が悪いと崩れます。本当に崩れます。
寝ずに研ぎ澄まされてるのはハイなだけの勘違いなので、寝ましょう。
対面でも長期でも。
◆巧いPL 強いPL 良いPL
それぞれの能力には容量と方向性があり、それにより高いか低いかが評価できます。(一概に数値化できませんので好し悪しだけを数値化するにあたり、様々な情報が削げ落ちますが)
そして各能力の評価の集りで駒を表せます。
駒の総合評価の結果、「巧い(上手い)」「強い」「良い」と表されるPLが世の中たくさんいます。
では、巧い 強い 良い はそれぞれどの能力に由来してるのでしょうか。
大雑把に述べますと…
巧いPLは観察 想像 表現の能力が高いです。
強いPLは全般的に各能力が高め(低い能力がない訳ではない)ですが、特に整理 知識 判断 行動 精神が秀でています。
良いPLは環境が勝利志向か娯楽志向かにより大きく変わりますが、印象 精神に優れます。
◆能力の優位度
巧い強い良いPL…理想とするPL像次第で求める能力の優劣は変わりますが、精神力はどの環境の理想像でも必要不可欠です。
勝利志向での優位度は(これは完全な私見ですが)整理力以外は紹介降順で高いと思います。
精神>行動≧整理≧発信≧判断≧想像≧記憶≧観察≧感応、です。
しかし、どの基本能力も欠けてはなりません。
いずれの能力も(環境が求める水準に対して)不足が過ぎると駒として機能せず破滅駒になります。自陣の足を引っ張る存在になり、存在が敗けに繋がります。
どの能力値も最低限は維持しつつ、光る能力や技能があると良いですね。
◆容量と方向性と規模観
先程ちらっと出てきた語彙「容量」「方向性」…それと「規模観」について触れておきます。
これらは各能力ごとの内部指数で、容量が大きければ その能力が秀でていて、方向性に優れれば確度が高い結果を得やすいでしょう。規模観が大きければ広く長く戦局に影響を及ぼすことができます。
容量も方向性も規模観も、使えば増えたり磨けたり広がったり つまりは ある程度は鍛えられます。
それぞれの意味を詳しく述べます。
「容量」は感じられる考えられる憶えられる判断できる等、PLが「扱える情報量」のことで、それを超える分量を受けると正常に機能しなくなります。
例:確霊初心者に進行役の役割をいきなり全て教えても機能停止します
各能力ごとに容量がありますが、内考系の総容量が その駒の思考限界で、外交系の総容量が その駒の可動限界です。
「方向性」は究極的には感性によって決まります。突き詰めれば(先天か後天かはありますが)好き嫌いに由来するものです。個人で完結する宗教とも言えます。陳腐に言えば「肉が好き?魚が好き?」くらいのものです。
これは先天的なものは向き不向きの素質を表してまして、最初から強い人もいますし、何村やっても上達しない人もいます。
後天的なものは積み立てた知識と それに伴う想像力に由来します。
先天と後天の両方を足して方向性を成します。「花が咲く種を育てると花が咲く(花が咲かない種を育てても花は咲かない)」というやつです。
「規模観」は視野の範囲を指します。「視座」と言い換えても構いません。イメージ重視で言い換えるなら「射程」でも可。
基軸が2つありまして、1つは「期間」もう1つは「空間」
期間はゲーム周期のことで、最大は「決着まで」で最小は「今 見ている出来事」です。大概は数日の感覚でしょう。
空間はいわゆる盤面のことで、最大は「現状の全盤面要素」で最小は「今 見ている出来事」です。要素 出来事は主には自他含むPLを指しますが、PLを取り巻く色々をまとめて空間と捉えます。
(全盤面要素については「盤面とは」の記事を読んでください)
規模観は巨視から微視まで何を目標にするかで使い分けられまして、勝敗に直に関わる大局のものは戦略、戦略を組み立てるための戦術、戦術を遂行するための局所での技術、と大雑把に3つの単位に分けられます。
分けられます、が それぞれは地続きで明確な境界線がある訳ではありません。単位区分は目安です。
規模観により影響を及ぼせる範囲の最大限が決まります。戦局が見えていないと説得相手を間違えたり、ね。
◆技能と個性
ここまでの章を踏まえた上で、実村で用いられる実用技能の紹介です。
これらは先の基本能力を併用した複合能力で、全て分解 解釈できます。
(この章は既製品紹介の羅列なので、読み飛ばしても構いません)
私見評価ですが★で重要度を5段階でつけておきます。
・認知力 判断力 操作力 ☆☆☆☆☆(評価対象外)
基本能力の節に しれっと出てきた分類です。
自動車講習で聞いたことある人も多いのではないでしょうか。運転の時に用いる所作です。
状況を認知し、行動を判断し、車輌を操作する。この繰り返しで運転します。
駒もPLを能力値の器(乗り物)と見做せば、その心体を運転して村を走っていると考えられます。
認知力は感応力 観察力 記憶力 想像力 整理力の総合、判断力は そのまま判断力、操作力は発信力 行動力 精神力の総合です。
精神力が認知系と思われるかもしれませんが、他の能力との関係から操作系に分類しています。
・推理力 発言力 誘導力 ★★☆☆☆
どの環境でもよく使われる汎用技能ですね。
推理力は想像力に比重を置いた認知系全般
発言力は発信力と行動力の複合
誘導力は それまでに稼いだ印象力です。
・論理 感知 情緒 ★☆☆☆☆
割とよく聞く語彙です。どれも推理方法論の選択肢であり、推理力の小分類です。
論理は推理力+整理力+表現力
感知は推理力+感応力
情緒は推理力+意思力…主には共感や熱量を用います
尚、これらは独立はしておらず全て同時に成り立ち得るので、巷の「貴方はロジックタイプ?センサータイプ?パッションタイプ?」は分け方として誤りです。
・決断力 忍耐力 ★★★★★
どちらも判断力と精神力の中~長規模下での複合です。
判断の時点では決断力、その決断を貫く時は忍耐力として顕れます。
・持久力 ★★★☆☆
精神力…特に意志力と行動力の複合です。
継戦能力とも言い換えられます。
・耐久力 ★★☆☆☆
誘導の影響を受動態で観た時の印象力です。
主には吊耐性として扱われます。
「HP」や「体力」と言い換える人もいます。
・思考力 ★★★☆☆
内考全般を指します。認知系とほぼ同じですが、加えて判断力と精神力を含む点で異なります。
・演技力 ★☆☆☆☆
感応力と行動力と忍耐力の複合です。
・課題提起 課題解決 ★★★★☆
提起能力は想像力と整理力、解決能力は整理力を中心に知識力と想像力と判断力の複合です。
・危機管理 危機対策 ★★★★☆
管理能力は感応力と整理力、対策能力は整理力を中心に知識力と想像力と判断力の複合です。
危機対策と課題解決は状況に能動か受動かの差だけで、同じ技能です。
・攻略力 防衛力 ★★★★★
それぞれ課題提起技能と危機管理技能を長規模化…特に多層的に拡大したものです。危機対策 課題解決技能はどちらにも備わっています。
攻略力は計画力 計略力 突破力、防衛力は制圧力とも言い換えられます。
勝敗を根差す上では必要になる技能です。
・資源管理 ★★★★★
人狼は資源管理ゲームの側面を持ちます。(人によっては正体隠匿より この側面の方が強いと捉える人もいます)
人狼における資源とは、主には「頭数」 それに伴って「票数」それと「吊数」と日数で決まる「役職の手数」、そして必ずあります「時間」と長期村なら「喉」もです。
各PLが備える「容量」も分配の理念がありますので有限資源と見做せます。とにかく村内で数量が有限のものは全て資源として扱えます。
これらを管理する技能がありまして、観察力 整理力 調節力の複合です。場合によっては防衛力の一部を含みます。
理念的なことを述べると「必要な時に 必要な物を 必要な所へ」なる兵站力です。
・運命力 ☆☆☆☆☆
どの基本能力にも属さない技能です。
いわゆる「運」です。鍛えられるらしいです(?)よ?
まぁ「運が舞い込んだ時に掴めるように備えておく技能」や「その受け口を広げる努力」を運命(を掴み取る)力と言えなくもない。
その場合は計画力…に含まれる技能と思います。
ざーっと流して紹介しましたが、他にもまだまだあると思います。集中力とか。
各技能を鍛えるには基本能力を鍛える必要があります。
ですが、鍛えにくい…もっと言えば鍛えられない能力も一部ありまして、各能力の素質面の方向性は先天的なものです。
これらに由来する技能は他の技能…主には知識由来のもので補いましょう。言語化 記録、大事。
しかし本当に運は鍛えられるのか?ん?
そして はじめの「個」に帰ってきます。
基本能力…その複合による技能、これら1つ1つは多くのPLが持つものですが、その組み合わせは千人千色で それ即ち「個性」です。
PLも人間である以上は基本構造は皆 同じですが、体格 体質が少しずつ異なる故に それが個性になるのと同じです。
(単一で個性と認められる能力 技能は「特性」と呼び分けます)
余計なことを言いますと、千差万別 個性はありますが、上位互換の個性はあります。劣化は誰しも嫌ですが、どうせ自分の上位互換がどこかにいます。割り切りましょう。
私見では「決断力と忍耐力」「攻略力と防衛力」「兵站力」、この5つは特筆して重要だと思います。これらを鍛えておけば人狼が楽しくなるでしょう。
◆要約
これで本題は終いです。
・PLは能力値の集合体=駒として見做せる
・駒は役職+個性から成る
・基本能力が9つある
・実用技能は これらの複合である
・能力 技能の組み合わせが個性になる
これらを押さえていれば私の駒論については理解してもらえたと言えるでしょう。
◆余談
ここからは余談です。
1つ目
基本能力は体の各部位のような存在だ と語りました。
役職をチェス駒に置き換えたように、試しに能力を体部位(?)に置き換えてみます。(※あくまでイメージ)
感応と観察:感覚器官全般
記憶:腰
想像:脚
整理:胴
判断:肩と膝
発信と行動:顔と声と手
精神:血脈と心臓
う~ん?
時に、変則チェスの「グリフォン」格好良くない?
攻撃力と防衛力を兼ね備えた潜伏狂って感じだ。
2つ目
PLが駒であるように、PLの相関図が盤 と見做せます。
駒の相関で盤が出来上がるので、駒=PLならば盤=PLsですね。
盤と言っても実体はないので盤ではなく地図や空間の方が近いです。
チェスの表現で「利く」とありますが、仮想地図の空間でも これが有効です。狼の時に「こいつ邪魔だな」と思う村がいた経験、誰しもあると思います。それが利いてる駒です。逆に、他の駒が利いてない相関の駒があったら、それは狼であっても捕まえられない駒です。
3つ目
本記事では駒単体について読み解きましたが、長期村では「背後霊」という文化がありまして、これはPL本人の他に村外に1人 相談役がいる というものです。
名称の由来はJOJOのスタンドから。私はスタンドよりセコンドと言う方が的を射てると思ってますが。
これの存在により背後霊の性質も含めての個性になりますし、背後霊を替えると駒の性質が変わります。外付け機能ですね。
背後霊込みだと本記事では読み解いていない10つ目の基本能力「連携 Link」を加味する必要があります。これは整理と判断の間にあるものです。
4つ目
能力 技能を挙げ連ねて分析しましたが、本記事で述べたものとは違った能力分類方法での分析 や 述べられていないの技能の分析 等、様々あると思います。いえ、あるべきです。
本記事では私解釈でPL像を読み解きましたが、重視する評価値は人それぞれ異なります。私は「精神力 大事」と唱えてますが、「いや演技力が最重要だろう。狼に騙す力があってこそ このゲームは成り立つ」「経験に裏打ちされた覇で測れ」という意見、あっていいでしょう。
全ては参考に置き去って、各人それぞれで研究した方が良いと思います。
研究したら是非 記録に残して周りに見せてください。個人で完結するより団体で共有する方が文化発展に役立ちます。門外不出 個人技として磨きたい方もいるとは思うので、そこは自身と相談で。
5つ目
駒の個性は分類言語化しましたが これはあくまで研究分析の範囲で、実際に重要なのは実地実村での活用です。
研究用の能力値分析よりも実用の能力値分析の方が実地での価値は高いので、「感応だ整理だ精神だ」を数値化するより「推理だ政治だ襲撃だ」の力を数値化した方が直接的には役立ちます。
自分も含めて どの駒がどんな個性(能力 技能)と他駒との相関を持つか見積もって、(役職と併せて)運用できて初めて この記事の意義があります。
目指せ最大多数の最大幸福。
以上が人狼における駒の私解釈です。
「PLは感じ考える駒である」
人狼文化に役立つかは解りませんが、参考になれば幸いです。
では好い人狼生活を。
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