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2021 Giro d'Italia プレビュー 最終週

第104回ジロ・デ・イタリアの2週目は、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)が好調さと圧倒的な強さを見せつけた一週間でしたね。

これからの3週目は、各チームはいかにイネオスの牙城を崩すかという戦略を求められます。
とは言え、ベルナルの優位はなかなか変わらなそうな気もしますが……

という訳でマリアローザを着るのはベルナルです。
第16ステージのフィニッシュはかっこよかったですね。
わざわざレインジャケットを脱いで、マリアローザをアピールしてのフィニッシュでした。

総合2位にはダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)がつけています。今大会非常に安定していますし、チームとしても今までのところ総合優勝を狙うという感じではないので、このまま総合2位を守っていくような展開になるのかなと思います。総合3位はヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO)
以下、アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック)サイモン・イエーツ(バイク・エクスチェンジ)、ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)ロマン・バルデ(DSM)と続き、総合2位以下は接戦になっています。


ポイント賞のマリアチクラミーノはペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が首位

2位がダヴィデ・チモライ(イスラエルSUN)、3位がフェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ)ですが残りのステージを考えると逆転はちょっと難しそう。最後まで走り切ればサガンのマリアチクラミーノ獲得は間違いなさそうです。


山岳賞、マリアアッズーラはジェフリー・ブシャール(AG2R)がキープしています。

しかしながら2位のベルナルが29ポイント差に迫ってきており、最終日までジャージをキープするには連日逃げを打って、ステージ中盤のカテゴリー山岳を上位通過してポイントを取っていくような、かなり積極的な走りが求められますね。


新人賞のマリアビアンカはベルナル
2位のウラソフが4分18秒遅れということで、よっぽどのことがない限りこのジャージも安泰そう。


という訳で、総合表彰台と山岳賞以外は大勢決してしまった感のある今年のジロですが、最終週の各ステージを見ていきましょう。



第17ステージはセーガ・ディ・アラへの山頂フィニッシュ。
終盤の二つの1級山岳が厳しいステージです。
セーガ・ディ・アラは登坂距離11.2㎞、獲得標高差1098m、平均勾配9.8%、最大勾配17%。
序盤から10%前後の勾配が続き、中盤から10%越えの区間が終盤まで続き、最後の2㎞が緩斜面区間となります。
昨日の第15ステージに続き、総合タイム差に非常に影響しそうなステージです。

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第18ステージはロヴェレートからストラデッラへの231㎞。平坦ステージのようで終盤の丘のために集団スプリントにはならなそうなステージ。
スプリンターも少なくなってきたので、集団をコントロールする意義のあるチームも少なく、逃げ切りの可能性が高そうな気がします。

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第19ステージはアルプ・ディ・メッラへの山頂フィニッシュ。
このステージは当初、1級モッタローネを通る予定だったのですが、先日のロープウェー落下事故の現場ということでコースが変更されました。

https://twitter.com/giroditalia/status/1397224130878099461

アルプ・ディ・メッラは登坂距離9.7㎞、獲得標高差872m、平均勾配9.0%、最大勾配14%。序盤がやや緩く、残り5㎞からは10%がずっと続きます。今年のジロってこういう感じの登りが多いですね。

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第20ステージはアルプ・モッタへの山頂フィニッシュ。1級山岳を3つ登る山岳最終決戦です。
3つともそれぞれにきつい登りで、最終日前の決戦に相応しいプロフィール。
逆転を狙う選手は、2018年のクリス・フルーム(当時スカイ)のように長い距離の独走を図るというのも可能性の一つとしてあるかもしれません。

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最終日、第21ステージはミラノでの30.3㎞の個人タイムトライアル
ど平坦のプロフィールです。
ベルナルはそれほどTTに強いタイプではないので、TTスペシャリストと比べるとおよそ2分程のタイム差がつくのかなと思います。
しかし総合上位陣も、今の段階ではTTに強いタイプの選手がそれほどいないので、2位以下につけている2分46秒のタイム差はセーフティーリードと言えるでしょう。

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ということで最終週のプレビューをしていきました。
ベルナルはトラブルさえなければという最終週になると思います。
それでも最近でも、2016年のステファン・クライスヴァイク、2018年のサイモン・イエーツ、2019年のプリモシュ・ログリッチなど盤石と思われながら最終週にマリアローザを手放してしまった選手は数多くいます。
ベルナルはマリアローザを守り切れるでしょうか。

第104回ジロ・デ・イタリアはJSPORTS4とJSPORTSオンデマンド、GCN+にて生中継されます。

何が起こるかわからない、最終週のジロ・デ・イタリアを楽しみましょう!


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