愛よファ ラウェイ
皆さんこんにちは。藤原理恵? 一体なんの話です? 木賃ふくよし(芸名)です。
まあ、このタイトルに惹かれた人は大体、ダンクーガ好きだと思うんですが、ぶっちゃけダンクーガも藤原理恵もCCガールズも全く関係ありません。
1ピコ㌘も関係ありません。
はい。どれぐらい関係ないかと言うと、和久峻三先生の小説「愛よ、ファラウェイ」ぐらい関係ありません。
ええ。赤かぶ検事、京都殺人案内で知られる作家の和久峻三先生が「愛よ、ファラウェイ」って小説を発表してるんですが、和久先生にしては珍しいタイトルの付け方で、ダンクーガの翌年に発表されてるので、この2つを結びつける何かが、どんな意図があったのか、全くわかりません。
それぐらい関係ありません。
で。本日の話題はラウェイです。
ラウェイという言葉自体、馴染みがない方も多いかと思います。ワタクシもつい最近知りました。
綴りはLethweiで、ミャンマーの立ち技格闘技。
そう。格闘技好きなワタクシの血を騒がせる格闘技なのです。
ラウェイ。ミャンマーにそんな格闘技があるらしい。ワタクシはそう聞いた。ワタクシ程度の浅い知識では、ピンと来なかった。
そもそもミャンマーの格闘技と言えば、「ムエカッチュア」ぐらいしか知らない。そう思っていた時期がワタクシにもありました。
そうです。何のことはない。ムエカッチュアの事です。
ムエカッチュア、ムエカッチューア、ムエカッチュアー、ムエカッチュアッと表記ぶれが多くて困るのだが、古式ムエタイの1つの形である。
要はグローブを着用する前の時代、拳に革やバンデージを巻いて殴り合う、熾烈を極める格闘技がありました。ひとつは、グローブの流入によって一線を引いてムエタイになりました。
もうひとつが、グローブを着用しないまま、ムエカッチュアとして残ったのです。
で。このムエカッチュアのミャンマー版が「ラウェイ」 ビルマ語である。
ムエタイの普及でなりを潜めたムエカッチュアと違い、ミャンマーではラウェイが脈々と受け継がれていた模様。
軍事政権で閉鎖的だったミャンマーは、アウンサンスーチー政権付近から外交が手軽になったようで、とうとう「ラウェイ」が世界に知られるようになったのだ。
まあ、日本における、おそらく一番有名なムエカッチュアと言えば、
ジャガッタ・シャーマン
なんですが、残念な事にムエカッチュアの本領のムの字も出す前に、範馬勇次郎に背骨ごとぺしゃんこにされる(=ジャガられる)という不名誉極まりない存在なのだ。
まあ、ジャン・クロード・ヴァン・ダムの映画「キックボクサー」でも、革バンデージにガラス片を散りばめて戦うシーン(そーゆー決闘法があるらしい)がありますが、あくまで「ムエカッチュア」のデスマッチ扱い。
しかし今や、純正「ビルマ拳法」を見る事が出来る時代になったのです。すげえ。現代最高!
「ビルマ拳法」「バンドー空手」「ムエカッチュア」「古式ムエタイ」なんて呼び名は知ってたけど、「ラウェイ」は名前さえ知らなかった! しかもそれが見られるんだぜ!?
んで、色々調べて、色々観てみたんですが、コレが面白い。
基本的なルールは一般的に知られるムエタイ、キックボクシングに近い。雑に紹介するが、
大きく違うのは「頭突き」の存在だ。
コレはエグい。
3分5ラウンドで、インターバルは2分。
肘、膝有り。なお、投げ技も認められる。
1ラウンドに3回のダウン、あるいは全ラウンド通して4回のダウンでTKO。
本人の戦意喪失、自セコンド、レフェリー、リングドクターの判断でもTKO。
10カウントでK.O.負けになるが、1カウント2秒なので、ボクシングで言えば20カウントに相当する。
観てみると、想像以上にエグい。
やはりグローブ無しの殴り合いはシャレにならない。
ガラス片なんか使わなくても割とデスマッチだ。
ナマのケンカが見たいなら、UFCよりもこっちを観る方が、視聴者の「観たいもの」が観られる気がする。
ぶっちゃけ、怪我を警戒してか、競技人口が少ないからか、全般的な技のレベルは普及したスポーツには敵わない印象を受ける。
ワタクシはボクシングの完成された技術体系の方が好きなのだが、ムエタイやキックの技術はかなり流用出来るようで、単なるケンカのようなレベルの低さは感じない。
屈強な戦士が顔面への攻撃で沈む姿や、頭蓋骨の硬さに屈する拳骨はなかなかの見応えである。
拳骨での殴り合いはよほど消耗するのか、それとも早い段階で決着させないと駄目なのか、後半戦になる程、泥仕合色が強くなるが、それはそれで妙な緊迫感があって楽しめる。
UFCも中期以降技術体系が完成されてしまったが、初期UFCのような、一歩間違えば大怪我で済まない空気も近年味わう事がなかった、たまらない緊張感がある。
やっぱガチの殴り合いって、ロマンじゃん?
憧れるじゃん?
そして、ワタクシを驚かせたのは、勝敗の決し方である。
TKOかKOのみで判定は存在しない。
全ラウンド終了後、両者が立っていれば引き分けという潔さもまた心地良い。
なお、各選手は自陣の旗を持っているのだが、
勝者が敗者の旗をへし折る。
た ま ら ん。
スポーツにおいて妙なナショナリズムを出す事は、スポーツマン精神に反すると言う。それもまた正しいだろう。スポーツに政治的問題を持ち込まない。実に正しいだろう。
しかし、スポーツが戦争の代理行為であるという側面もまた、事実なのである。
各選手は己だけでなく、己の旗印を背負い、負ければそれをへし折られる。
この行為には是非もあろうが、ワタクシはこれもまたラウェイの文化として、受け入れたいと思う。
なんかこう、来る、んですよ。
ロマンって言葉で片付けるのが惜しい何かが。
なんて言うんですかねー。
麻雀漫画における、
ヤクザの代理戦争として麻雀勝負をするみたいな?
その背中に代紋背負って戦う的な?
あんた、背中が煤けてるぜ的な?
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。