ノア・ハザウェイ


 皆さん、こんにちは。身構えている時でも、死神は来るものだよ。支払いとか。木賃ふくよし(芸名)です。
 さて。他人様の金で観た映画シリーズも、

 ウィッカーマン

 閃光のハサウェイ

 漁港の肉子ちゃん

 映画大好きポンポさん


 と続き、本日が最終の5本目。


 閃光のハサウェイ


 です。

 (´・Д・)」 え? 2本目と一緒やん?


 え? ワタクシ、映画大好きふくよしさんですよ? 映画をタダで観られるなら、喜んで観ますよ?
 そもそも、20回以上観直してる作品が何本もあるんですよ? 劇場で観られたら超☆嬉しいじゃないですか。


 ・フルメタルジャケットは前半だけなら100回以上観てる。後半含めると10回ぐらい。
 ・ゴッドファーザー、グレートブルー(グランブルー)は50回以上観てる。
 ・ミッドナイトラン、ハートブルー、ブレードランナー(バージョン違い)なんかは20回以上観てる。


 そんな訳で、観てきました。

 閃光のハサウェイ、2回目。感想も2回目ですが、今回は前回と少しアプローチを変えて、原作、ゲーム、映画との違いなんかの点から論じていきたいと思います。

 原作を結論から言うと、必要な登場人物はわずか3人。

 ハサウェイ、ケネス、そして2人を翻弄するギギ。


 ギギについては前回述べたので、ハサウェイとケネスについて。
 ハサウェイは、これまでの挿絵や映像化と違い、恩田尚之氏らの手によって、リアルタッチにリファイン。
 作品の陰惨さから考えると、この変更は個人的には大アリで、この姿のハサウェイの声をあてる意味では、20年も演じてきた佐々木望氏を降板させたのも、納得だと言わざるを得ない。
 キャンディボイスと呼ぶに相応しい佐々木氏の高くも濁った、舌足らずな独特の声。それは、少年ハサウェイそのものだったし、年齢を経るに連れ低く、演技力も増した今、そのまま青年ハサウェイを演じても良かったのではないか、という思いがワタクシにはあった。
 しかし、これまでのアニメ的な表現が多く廃された本作では、新しい声を与えた事が正解だったと思うのである。

 そして、ケネス。
 ゲーム版では、立木文彦氏が声を担当していたが、いささか声が渋すぎるのである。とてもギギなんかに惑わされない迫力があり、声はいいけど性格に合ってねえ!と思ってしまう。

 カイジ!圧倒的違和感!


 と、ざわ…ざわ…めいてしまいそうだ。逆に容姿は線の細そうな金髪の白人で、エリート然としている。なおのこと、声が似合わない。
 見目からすると、ギギに易々と手玉に取られそうだが、軍基地に平気で女を招き入れるチャラさが皆無。また一方では、肝心な局面では義理や道理を通す無骨さも感じられない。
 その点で、浅黒いチャラ男に変貌した本作のケネスはその全てを兼ね備えていた。
 そして、新しい声もまた、それに見合う声だったと言える。

 その点で主要人物3人の練り直しは、ワタクシに取ってはほとんど好感触だった。

 そして、脇役である。
 スパイ小説やミステリ、群像劇などで重要な役割を果たすのが、この脇役。脇役が完全に脇役だと駄目なのである。通常、探偵と助手と犯人しかいないミステリが駄目なのは明白であろう。
 この点において、これまでのゲーム版は脇役がモブキャラ1歩手前みたいなデザインで、尺の問題もあり、完全に脇役の烙印を押されてしまっている。
 しかし本作だと、とかく登場人物が多くなりがちな富野作品の限界人数ギリギリで留められているため、重要か否かが不明な良い塩梅のデザインになっている。

 ガウマン。柿崎 → アリー・アル・サーシェスへと進化。
 イラム。ブラン・ブルターク → 知的参謀へとメガ(ネ)進化。
 エメラルダ。美樹本ネームドモブ → 安彦姉さんキャラへと進化。
 ミヘッシャ。美人受付嬢 → メガネおたく女へと退化。
 ケリア。影の薄い女 → ヤンデレ元カノへと進化。

 と、いい感じに誰が重要かわからないデザインになっている。いや、実は誰も重要じゃないんだけど。え? レーン? 存在さえ忘れてたわ。

 ※ 何しろ、まともに読んだのが30年ぐらい前なので、あれ? ケネスってペーネロペーのパイロットじゃなかったっけ? って完全にレーンの存在を忘れてた。

 とまあ、前回の感想でも言ったが、


 原作以上に
 原作してた。


 という謎の現象が起きているのである。
 正確に言えば、ワタクシが、原作やゲームに対する「ここがこうだったら良かったのに」の部分を全部ワタクシ好みに変えてくれてたので、相当に満足なのだ。

 なお、不満点がない訳ではない。

 この「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の続編に当たるのだが、この「逆襲のシャア」は説明を始めると半日かかるぐらいにややこしいパラレルワールドが存在する。

 大きく分けて「劇場版アニメ 逆襲のシャア」「小説版 逆襲のシャア ハイストリーマー」「小説版 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」の3つである。

 他にも「小説版 逆襲のシャア」「コミカライズ版 逆襲のシャア」が3つもあったり、カセットブック版とかゲーム版もあるので余計にややこしい。


 更に大雑把に説明すると、大きく分けて2つ。


 ◾️原作に当たるのが「ベルトーチカ・チルドレン」で、こちらはヒロインがベルトーチカ。で、最後の鍵となるのがアムロとベルトーチカの子供。
 なお、ハサウェイ自身が想い人のクェスを撃墜、殺害してしまっている。
 ◾️これを基本として、劇場版が「逆襲のシャア」であり、こちらはヒロインがチェーン。鍵となるのはサイコフレーム。
 ハサウェイは、クェスを撃墜したチェーンを撃墜、殺害している。

 この2系統が存在し、派生する作品はどちらか、あるいは両方からのノベライズやコミカライズ、前日譚や外伝にあたる。

 ワタクシはどちらかと言うと「ベルトーチカ・チルドレン」が好きなのですが、劇場版「閃光のハサウェイ」は、劇場版「逆襲のシャア」の続編なのである。
 そう。原作小説「閃光のハサウェイ」は「ベルトーチカ・チルドレン」の続編であり、ハサウェイがクェスを殺したか、チェーンを殺したかで話が大きく変わってしまうのである。

 それこそ、精神を病んだ原因がクェスを自分で殺してしまった事なので。

 そこは別に、無理に「劇場版 逆襲のシャア」から引き継がなくても、と言うのは不満の1つである。

 で。前評判で、おそらく今作は「ベルトーチカ〜」の続編ではなく、「逆襲のシャア」の続きという話は聞いていた。

 しかしワタクシはオープニング映像を観て、打ち震えたのである。


 オープニングでふわっと現れては消えるイメージは、逆襲のシャアの時代のフラッシュバック。


 ヤクトドーガ

 ジェガン(ハサウェイ機)

 αアジール(クェス機)

 νガンダム(アムロ機)



 そう。そこに、リ・ガズィがいないのである。


 つまり、コレは、「劇場版 逆襲のシャア」ではなく、「ベルトーチカ・チルドレン」の続きなのでは!?!?!?!?!?


 って超興奮してたんですが、


 フォロワーさんからの指摘と確認の結果、


 ヤクトドーガではなく、メッサー。
 ジェガンではなく、グスタフ・カールと判明。


 「逆襲のシャア」の続きで、間違いない模様です。



 (´・Д・)」 見たいものを見たいという願望が目を濁らせたのか、それとも、年齢とともに萌えアニメの女の子と同様、区別が付かなくなってきてるのか、、、。どっちなんだろう。



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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。