ODAを設立したのは織田信長

　皆さん、こんにちは。戦争は外交の失敗ではなく、武力による外交でしかないと思う木賃ふくよし(芸名)です。
　はい。昨日、米大統領選挙に日本人が出来ることなんて多くはないよ、って話をしたばかりですが、本日は、手のひらを返して外交のお話をしたいと思います。

　いや、むしろ手のひらを返してないからこそ、外交のお話なんですけども。

　はい。米大統領選には口出しする癖に、よく

　ＯＤＡとか
　外国に金を回すぐらいなら、
　日本を先に豊かにしろよ！

　ってな声を耳にします。

　ワタクシに言わせれば、米大統領選より日本の選挙の方が先だろ、って思いますけども。ええ。日本とアメリカじゃ選挙のシステムも違うしね。

　で。諸外国へお金をバラ撒くぐらいなら、日本を先に豊かにしろ！って意見はわかります。そうです。その通りですとも。
　じゃ、なんでそんな無駄な事をやってんの？ って話です。

　まず、ひとつは町会費です。

　世界という町に住みたかったら、日本というマンションは代表して世界町に町会費を支払う必要がある。
　町会費を支払って、ゴミ収集所を綺麗にしたり、火事の見回りをしたりします。
　日本はマンションなので、住民は町会費を払わなくていいのですが、代わりに「共益費」を支払ってるんですね。共に利益がある費用。共益費。
　もうわかりましたね。税金です。
　ODAは世界町の共益費なんです。日本という世帯が世界に払う税金のようなものです。

　あなたがもし一軒家に住んでいて、頑なに「町会費は払わん！」って言って、ゴミ収集所を使わない、清掃が自分の家の前だけ飛ばされる、町内会のお知らせが回って来ない、などの不利益にも耐えられるなら、ODAの支払いに文句を言う権利が生まれます。
　納得いかないけど支払ってるとか、マンションの共益費から支払ってる人には、残念ながら文句を言う権利がありません。

　いや、文句を言う権利はありますし、町会費を支払ってなくてもゴミ収集所は使っていいんですが、それはまた別の話なので、ちょっと割愛します。

　で。町会とか面倒なので関わりたくないって人が大半だと思いますが、関わったら関わったで色々メリットがあります。
　話によく聞く「町内会の温泉旅行」ってヤツですよ。げひひひひ。

　世界ではコレがG7とかG8とかG20とか国連とか、そーゆーサミット的な何かに参加できちゃう訳です。正確には色々と組織の違いはありますが、要するに、

　ODAで沢山の金を払えば、発言権は強くなるので、いざという時に「街の警備を強めていきたいと思いますが、まず実験的に、【うちのマンションの警備から】始めますけど、いいですね？」とか言えちゃう訳ですね。大事。

　んで、頑張り続ければ、発言権と言うよりも、権力そのものも手に入ります。要するに町内会長とか町内会会計のポストです。町内会の皆さんから集めた金をイジイジできる役職が手に入るかも知れないんですよ。やっておく必要はありますよね。

　コレがひとつめ。ふたつめは、貸付です。
　ODAは、official development assistance、すなわち政府開発援助な訳ですが、簡単に言うと諸外国にお金を貸してます。
　悪徳な高利貸ではありませんので、実質、0.01%とかの無利子に近い状態で金を貸し付ける訳ですが、

　30億円の0.01%はいくらだ？

　300億なら？

　無論、為替やら景気などが影響しますので数字通りではありませんが、大きな公共事業に貸し付ける訳ですから、貸し倒れも少ないので、安全な投資です。
　そして、貸し付けているのでデカい顔が出来ます。
　次の貸付は金利下げるから、ちょっとお願い聞いてよ〜的な交渉もできなくはありません。
　やっておいて損はありませんね。

　んで、本当に貸し倒れない？ 的な心配もあるでしょうが、割と平気です。

　その為の低金利です。高利貸が過ぎるとヴェルサイユ条約みたいになって戦争さえ引き起こしかねませんが、長期間の低金利なら、頼れるアニキ面が出来る訳ですね。

　しかも、アニキ面だけじゃありません。実際にアニキなんです。

　そう。それがみっつめの理由。
　技術提供です。
　ODAは水道や電気、道路、農業などのインフラを中心に行われますが、資金だけでなく技術や技術者も提供しちゃうんですね。さすがアニキ。頼れるぜ。
　そんな事しちゃって大丈夫なの？ という声もありましょうが、大丈夫です。別に重要な機密を提供する訳ではありません。
　それに、発展が上手く行けば、その分だけ貸し倒れがなくなりますし、日本の技術頼りにさせる事で、関係はより強固なものになります。要するに、こう言うと大袈裟ですが、この水道のメンテナンスは日本のアニキにお願いするしかない、って状態にすればインフラを掌握する事も出来ちゃうんですよ。
　ほーら、やっておく価値がありますね。

　こんな感じなので、ODAはただ単に金をバラ撒いている訳じゃない。
　世界が発展し、国家間の関係を良好にし、我が国の発展にも貢献している訳です。

　で。考えてみてくださいね。
　あなたは親の仕送りとバイトで暮らしてる大学生です。
　バイト代だけでもどうにか暮らせるけど、遊ぼうと思ったら、親の仕送りは必須。そんな状態です。
　そんな時、親と口喧嘩になって「何だ？ その態度は！？ 仕送りを打ち切るぞ！！」って言われたらどうしますか？

　仕送りなんざ要らん！ 謝らん！ って態度を取りますか？ それとも、謝るだけで仕送りが続くなら謝りますか？

　ODAはお互い、毎年の予算として計上されている訳です。こりゃもう、アニキどころか親ですよ、親。
　大統領選に口出しするより、ODAの有用性を考える方がマシなのはわかっていただけましたか？

　ところで、2018年頃ですが、日本は中国に対するODAを終了しました。40年で総額3兆円を超えるそうです。そりゃ急速発展した中国が衰え行く日本に援助される理由はありませんから、当然と言えば当然です。
　要するに、学生が卒業して社会人になってしまったのです。この状態になるともう、

　「誰が仕送りしてやったと思ってるんだ！？」

　って怒っても「毎月10万の仕送り4年だろ？　返したらゴチャゴチャ言うなよ！？」って言い返されるかも知れないんですよね。
　バイデンが中国の手先で、アメリカが危ない！とか言ってるより、単純にこっちを心配する方が先だと思うんだ。割と真剣に。

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　なお、この先には、笑えるけど笑えないオチが書かれています。