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這い上がり者


 皆さん、こんにちは。歩けないなら、這うことから始めればいいさ。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。ワタクシ、ハードロックやメタルが大好きなのですが、好きな理由のひとつに、歌詞が力強いから、ってのがあります。

 世界よ、2度と俺を馬鹿にするな。俺は雷のようになる。

 9時から5時まで働いたって、夢を追うには遅くない。

 歩けないってのなら、這うことから始めればいいさ。


 まあ、かなり自分の解釈になる翻訳ですが、こーゆー力強い歌詞ってのが、ワタクシを構成する一部になっている事は確かです。

 ちなみに上記の3曲がすべて当てられたら、なんかプレゼントする。


 さて。これは音楽に限らない話ですが、音楽や映画、小説や漫画には「時代」ってもんがあると思う。
 わかりやすいところでは、ハリウッドで描かれる「悪役」が「ソビエト」から「中東」「宇宙人」「中国」や「北朝鮮」へと変遷していくのは、まさに「時代」です。

 これはワタクシの私見だが、日本のロックを見ても、「不良」のロックだったRCサクセション、「ヤンキー」のロックだったブルーハーツ、「オタク」のロックだったBUMP OF CHICKEN、「引きこもり」のロックとなったSEKAI NO OWARIなど、


 (´・Д・)」 時代を
 反映したモノが
 ヒットする感じ。


 例えば「成りあがり」で知られる矢沢永吉だが、今の時代、ぶっちゃけ、


 (´・Д・)」 成りあがりって発想が
 もう時代じゃないのよね。


 時代じゃないから悪いって意味ではないが、戦後を引きずってた昭和はもう、遠い昔になりつつある。
 要するに、カネがない、モノがない、貧乏が当たり前、苦労は多いが、だからこそ何もない所に色んなモノが作れた。
 誰も試してない事だって沢山あった。これが昭和だった訳ですよ。

 平成になると、もう貧乏は当たり前じゃなくなった。
 それなりに皆は裕福になり、格差はあれども、食うに困るって人は激減した訳だ。
 しかし同時に、「金持ちになる」って夢が存在したのである。
 そして、未踏の地はどんどんと踏破され、人々は「記録を塗り替える」ことに躍起になっていった感じだ。

 それが今や令和。
 世の中は不景気だ、貧困だと叫ばれる一方、現実を見ると、決してそうでもない。
 とりあえず働いてさえいれば食っていける世の中になり、人々は過度な期待をしなくなった。
 別に億万長者なんて夢見ない一方で、過酷な労働なんて御免だ、とね。

 この流れを肯定的に取る人も、否定的に感じる人もいる事だろう。


 (´・Д・)」 ワタクシは前者。


 別に誰もが金持ちや贅沢を夢見なくていい。無論、目指してもいい。仕事は選べない、過酷でも働かなきゃいけない、なんて状況さえ避けられれば、個人がどの辺で満足しようと自由だろう。
 精神を削ってでも、身体を壊してでも欲しい贅沢なんて、そうありはしないだろうし。

 ワタクシは何のかんのと言いながら、時代は常に良い方向に向かっていると信じている。
 無論、瞬間的に下がる事はあるし、全面的に良くなっているとは言い難いが、広く大きく見れば概ね右肩上がりだと断言していいくらいだ。

 つまり、成り上がる必要なんてなくて、大半の人間は「いつかあいつらを見返してやる!」なんてほど貧乏でも不幸でも情熱的でもなくなったのである。


 (´・Д・)」良し悪しはあるけど、
 まあ、大体は良いコトだろうさ。


 だが、その一方で、今の時代だからこそ、


 (´・Д・)」 コレって
 マズいんじゃねえの?


 って状況が出来上がっている気がする。それこそが「成り上がり」ならぬ、


 (´・Д・)」 這い上がり


 だと思うのである。
 なんてーか、今の日本人のフツーの暮らしってのがあるとする。コレを高度で表現するとしよう。なお、高いほど天国に近いから裕福、低いほど地獄に近いから貧困とする。

 戦後間もない頃なんて、皆が地上0mの位置にいた訳だ。
 なんなら、落とし穴に落ちて、地下2mなんて人も沢山いたことだろう。

 これが昭和の高度経済成長を迎え、多くの人が地上1mの高さに移り住んだ。
 まだ地上の人も地下の人もいるが、皆はこぞって更に上を目指した。

 そして気が付けば、今、人は地上5mぐらいの所に住んでるんじゃないかと思うのよ。


 これ自体はとても素晴らしいことなんだけどね?


 (´・Д・)」 5mの高さから
 落っこちたらどうなると思う?


 割と大怪我必至だと思うのよね。
 うむ。これでそろそろ、言いたい事はわかってもらえただろうか。


 (´・Д・)」 今の日本人って、
 かなり恵まれてると言える一方で、


 その位置から足を滑らせたら、

 割と致命傷レベルって事だ。


 わかりやすい例が就職。新卒で勤めた会社が体質に合わず、精神や肉体を壊した上に1年で退社した、なんて事になると、次の会社からは「すぐに辞めるタイプか」と思われたり、「すぐに辞める奴だと思われてる、なんて恐怖心が芽生えたりする。

 もっと早い段階で言えば、受験だろう。
 受験に打ち込んできた奴が、受験戦争に負けた時点で「受験対策しかできない奴」に変わってしまう。

 更に早い段階でいうなら、


 (´・Д・)」 コミュ障ってヤツ。


 わかるだろうか。地上5mって場所は裕福で安全だったりする一方、その高さで住むには必需とされる要項が、かなり沢山ある。


 最低限のコミュニケーション能力。
 最低限の清潔感と容貌。
 最低限のステータス。


 それらがトータルで合格点に達していないと、地上5mの高さから落ちる、あるいは落とされる。
 たかだか5mだ。頑張れば上がることが出来る、、、なんて事はない。

 5mの高さから落ちた人間は怪我をする。
 その怪我した肉体で、もう一度よじ登らなければならないのだ。5mもの高さを。

 これが昭和の頃なら、この5mって高さは「坂」だったのだ。
 怪我しようと遅かろうと、歩み続ければ上を目指せた。しかし、


 現代の5mは、
 絶壁なのである。


 コレを登るのは一苦労だ。ましてや満身創痍ともなれば尚のこと。


 (´・Д・)」 まあ、
 何人かで協力すりゃ
 1人は上に登れるが、
 誰が上に行くのか?
 って問題は残される。


 あと、上にいる奴が手を貸すか、蹴落とすかで難易度も変わるだろうが。

 (´・Д・)」 ワタクシは世の中は常に良くなっていると信じている側なので、そのうち、5mの高さからは落ちないように柵が設けられると思うし、落ちても怪我しにくいクッションが敷かれると信じている。
 そして、再び登りやすい階段を築くべきだと思う次第である。


 まあ、それはともかく、



 (´・Д・)」 ワタクシは自営業からの廃業って転落を味わってるので、コレだけは言いたいが、



 (´・∀・)」 底辺の生活も、
 それはそれで悪くないぞ?


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 なお、この先には寝言しか書かれてません。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。