卒業

高校を卒業した。

第一志望に受からず、不本意な高校への入学だった。

一年の中期あたりから既に、卒業までをカウントダウンするアプリをインストールしていた。


この高校の一員と名乗るのも恥ずかしくて、
今すぐにでも卒業したいと毎日思ってきたのに

いざその日が来ると寂しくてたまらない

今日までの記憶が全て美化され、
嫌なことも全部青春だったんだなと思える。

そして

高校生という価値のある存在

もうその価値が失われ、
不特定多数の「大人」の一員になるのが怖い

あんなに大嫌いだった「大人」に
自分も仲間入りか

私は今まで数々の夢を一部の「大人」に否定されてきた。

その時、オトナは毎回私にこのようなことを言うのだ

「私たちオトナはあなたより長く生きているから経験日数が違うんだよ。だからあなたが実現しようとしている事は不可能であることも分かるし、あなたがあとから後悔しないようにアドバイスをあげてるんだ。そろそろ現実をみなさい」と。

このようなお決まり文句、何千回と言われてきた



オトナという人間が夢見ることを許されない存在ならば、私は永遠にコドモでいたいよ。

人生一度きりなんだ。
どんなに不可能なことだって、
挑戦することくらい許しておくれよ
失敗したら失敗したでそれでいいんだよ
それも経験のうちの一つに入るのだから

私は真っ向からコドモの夢を潰すオトナにはならない。
どんな夢だって応援してあげるし、サポートしたい。

柔らかい透明色のオトナになりたいな。 


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