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“絡まり合い”がやっとわかった

ずっと追っかけてた“マルチスピーシーズ文化人類学”の理解が、一つ深まった。

マルチスピーシーズ民族誌とは、行為主体である存在の絶えず変化するアッサンブラージュ(組み合わせ)の内部における、生命の創発に通じた民族誌調査および記述

ローラ・オグデン

アッサンブラージュ、またはアッセンブリッジの第一の意味は、コラージュやパピエ・コレの立体版。すなわち立体的なものを寄せ集めて、積み上げる。貼り付ける、結びつけるなどの方法により制作された美術作品(立体作品)およびその方法のことだ。(wikipedia
アナ・チンは『マツタケ』で、人間と非人間/人間以上/複数種を巻き込んで“絡まり合い”、“アッセンブリッジ”をつくるというキーコンセプトを提示した。
この“絡まり合い”のイメージがなかなかくせ者で、理解が難しい。
ドゥルーズとガタリの『千のプラトー』からツリー構造に対して“リゾーム”=地下茎≒ネットワーク構造を提示したけれど、リゾームとアッセンブリッジが近い概念の様だが、完全にイコールでもないようだ。
ぐぬぬぬぬとなっていたところで、文化人類学の読書会やZoom講演会などを参加するうちに、あるイメージが降ってきた。
それがトップの写真である。

ずっと左の図、いわゆるベクトルが走るネットワーク構造をイメージしてきたが、これが大きく“絡まり合い”や“アッセンブリッジ”の理解を妨げてきた。
これは“行為者”と“行為”を二元論で分けていた。
多分、アナ・チンらがイメージしている世界は、右のような縄張りが重なり合うような感じ。
重なっているところ、重なっていないところ、空隙、全てが“アッセンブリッジ”なのだ。

これは保坂的に大きな気付きなので、アップしておく。
赤い糸で繋がれている二人というより、にじみ絵のように色が混じり合っている二人のイメージの方がマルチスピーシーズらしい。
赤だけでなく、虹色にグラデーションを描いている世界が絡まり合いなのだ。

なんか、いろいろ理解しやすくなってほっとした。

2022/05/30 1:47

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