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書店の本棚的読みと平積み的読み:本が読めない読書日記

平野太呂『ボクと先輩』を読む。
ポパイの連載されていた、写真家が諸先輩に会いに行き、ポートレートを撮ってくる本であり、中判ネガカラーの五枚で構成され、文章はあくまでも写真家のエッセイである。
そう読書日記みたいな、どこから読んでもいいみたいな、ゆるい構成の感じがいい。
ショート動画をザッピングするように、ぱらぱらと読むというより、見てる。

読書会の案内が来た。次は『文化地理学講義:〈地理〉の誕生からポスト人間中心主義へ』である。
植物人類学から文化地理学ですか、本当に自分が知らない世界だ。
読みかけの『構造と自然:哲学と人類学の交錯』を閉じ、予習に『文化地理学ガイダンス』を注文した。
「構造と自然」は、存在論的転回以降の文化人類学の動向が一望できる、僕のこの一年を俯瞰させてくれるような面白い時間なのだが、ぐっと文章につかまれる手応えがない。
実際はぱらぱら字面を追っているだけの、体調なのかな、なーんかピンとこない読書なのである。

最近、ぐっときたことと言えば、パンツを買った。
新宿リーバイスで『STA-PREST WIDE LEG CROP』ことぐらい。
“スタプレ”のキーワードで動画などを検索しまくって買った。
脱ディッキーズ874、ワークパンツのやぼったさから、Vans オーセンティックにつながるシルエットの美しいパンツが欲しかった。
興味が今、そっちに向いている。

平野太呂『ボクと先輩』も文章というより、プラウベル・マキナの中判写真、ハロぎみな、露出オーバーなネガカラーが好き。
そういえば、最近、東京の日差しがきれいだな。
自分の気分はそっちなのかな。山手通りの撮影を再開してもいいかもな。
文化地理学も風景と文化のつながりの学問であり、イメージとしてブラタモリぽいようだ。

書店には“本棚”と“平積み”というメディアがある。
本棚は「線」で辿る、平積みは「面」を一見する。
ストーリーの線、風景の面。
二元論なのが気持ち悪いが、一次元、二次元、三次元。線と面を組み合わせた、紙芝居のような「立体」的な読みもあることにしよう。
僕は今、平積み的な読みの体調かもね、と思う。
線を追うような本棚的読みは、例えば音読みたいなことは休もうか。
そういえば、原宿GYROで石川直樹の写真展をやってるな。ちょっといってみたい。
文化地理学の世界は理系文系クロスオーバー的な、立体読みを期待できるかもしれない。

モーニングノート的な文章書きで自己対話し、考えをまとめることにお付き合いいただきありがとうございます。
本棚読み平積み読みの一席、どっとはらい。(^^)

2023/01/27 8:12

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