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焼き鳥|発達障害の家族と生きるは己を高める滝修業のごとし

晩飯食いに行ったんです。
焼き鳥屋に。

それが、もうどうにもウマかったらしく、お店出てすぐ私に「ごちそうさまでした。ありがとうございました。おいしかった。ほんまにおいしかった」と言って深々と頭を下げてきたんです。

で、家に帰ってからも「あれはほんまにおいしかった。ありがとう。ごちそうさまでした」と幾度となく言ってくる。よほどうまかったんでしょうね。

なかなかしつこく「おいしかった。おいしかった」と言ってきて、しまいに「あれはほんまにおいしかった。初めて食べた。あんなにおいしいもんやねんな、あの串カツ」と言ってきたので、「焼き鳥な」と訂正すると「え!?なんて?串に刺さってるのに串カツちゃうんか?なんで?串カツやろ?」と言ってくるので「あれは焼き鳥や」というと「あ!そうか!カツと違うかったもんな!あれはカツじゃなかった。あの串に刺さってんのがカツやったら串カツか!カツちゃうかったから串カツちゃうな!なるほどなー」とひとりハイテンション。「で、あれはなんていう食べ物なん?」って「だから焼き鳥や!焼き鳥!!笑」「ああ、焼き鳥か。あれはほんまにおいしかった。たく、ありがとう。ごちそうさまでした。また、あれ連れていってな」と言うので「わかったわかった。また行こな」と私が言うと「ほんだら部屋戻りますー。あ、私大事なこと言うの忘れてたな」と言い出しました。「あれ?言うたかな、言うた?私」と言うので「何が?」と聞くと「ごちそうさまでした」と。いや、ごちそうさま何回言うとんねん。

で、1時間ほど部屋に入って出てきたおかんが、メモとボールペン持って笑いながら小走りでこちらへ。
「あれ、なんやったかな?あれ、なんていう食べ物やった?」
「焼き鳥や。ヤキトリ」
「あ、そうやそうや、書いとくわ。ありがとう。おいしかったわ。おいしかった」
言いながらまた部屋に戻っていきました。

で、おかん風呂に入りまして、そのあとで、私も風呂に入りました。私が風呂から出ると、2階へ上がる階段の手前でおかんの部屋の前を通りますので、部屋にいるおかんにいつもひと声掛けてから上へ上がる習慣になってます。

中を覗くと、なぜか先ほど「焼き鳥」と書いた紙とボールペンを、おかん両手に握りしめながらテレビを観ていました。「おやすみ」と声をかけると、びっくりしたおかんが手に持ってた紙とボールペンをお手玉のように投げてしまいまして、そのことにまたびっくりしたおかんが床に落ちた紙とボールペンを慌てて拾い上げながら「おやすみ」と言おうとして間違って言ったひと言が「ご、ごちそうさま!」

ってそんなにうまかったんかい!!!

92日目でした。


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筒抜け、丸裸「たなべあーのすべて」がここに
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