知識と知恵、他者の沈黙を「未知」のまま聞き続けるために(ティム・インゴルド『人類学とは何か』を読む)
ティム・インゴルド著『人類学とは何か』がおもしろい。
人類学はとてもおもしろい学問だと思う。
人類学の研究対象は、その名の通り「人類」である。
ところで、一言で「人類」と言ってもいろいろな人が居る。人類は多様なのである。
素朴に「なんとなく良いこと」として語られがちな「多様性」であるが、一体何が多様なのかというと、簡単には答えられない。というか出来合いの答えが決まっていないということこそが、多様ということなのである。
言語や習俗の違い、信仰の違い、文化的な違い、歴史