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記号過程、システム、意味

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人間と自然、人間と機械、人間とAI 対立するふたつのもの それらはなぜ対立するふたつのものになったのか? その答えを「記号過程」という用語を手がかりに考える
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2021年5月の記事一覧

粘菌は曼荼羅であり深層意識である ー安藤礼二著『熊楠 生命と霊性』を読む

このnoteは有料に設定していますが、最後まで立ち読みOK! 全文公開しています。 南方熊楠といえば、大英博物館で文献を読み漁ったり、粘菌を採集して観察したり、『ネイチャー』誌に寄稿したり、不思議な曼荼羅を描いてみたり、神社合祀反対運動を牽引したりと、大きく異なるいろいろなことに手を広げた人のように見える。 『ネイチャー』に掲載された熊楠の文章は、オンラインにもアーカイブされている。 曼荼羅というのは「南方曼荼羅」と呼ばれるもので、それについては下記の文献の中沢新一氏に

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「私」は線の集まりでもあり、ドーナツの穴でもあり -井筒俊彦『意識の形而上学』を読む

このnoteは有料に設定していますが、最後まで立ち読みOK! 全文公開しています。 井筒俊彦氏の著書

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双面的思惟形態あるいは野生の思考へ -井筒俊彦『意識の形而上学』を読む

前にこちらのnoteなどでもご紹介したことのある井筒俊彦氏の『意識の形而上学 『大乗起信論』の哲学』を改めて読んでみる。 この本一冊を通じて展開されるのは「双面的」な思考である。 井筒俊彦氏は『大乗起信論』のテキストを読み、そこから双面的な思惟形態を浮かび上がらせていく。あるいは『大乗起信論』のテキストがそれを創造的に読む井筒俊彦氏の思考と重なり合うところに、その思惟の形態が双面性を特長とするものとしてうかびあがる。 双面的思惟形態ここで「双面的(そうめんてき)」な思惟