人類とAIを区別する統合化・抽象化能力の有無とレンマ的知性 -郝景芳著『人之彼岸』 冒頭エッセイを読む
現代中国を代表する作家の一人である郝景芳氏の『人之彼岸』の日本語訳が早川書房から刊行されている。
この本には6つの短編と、2つのエッセイが収められている。今回はこの二つのエッセイ、「スーパー人工知能まであとどのくらい」と「人工知能の時代にいかに学ぶか」を読んでみる。
ここで問われるのはコンピュータのアルゴリズムである人工知能と私たち人間・ホモサピエンスの知能(あるいは知性と言った方がしっくりくるかもしれない)とのちがいである。
郝氏は人間の知性の特長として情報を統合する