文字の意味を固める神 ー読書メモ:『サピエンス全史−文明の構造と人類の幸福』(4)
ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』を読む。
歴史学者であるハラリ氏は、われわれ人類が進化の途中で手に入れた「虚構」によって協力する力に着目する。そして、虚構の伝搬と変容のプロセスとして人類の歴史を振り返る。
虚構とはなにか?
神から、国家をはじめとするあらゆる組織、貨幣に至るまで、異なる複数の人間同士の振る舞い方を予め規制する信念の体系を、ハラリは「虚構」と呼ぶ。虚構が「共同主観的」な「想像上の秩序」を支える(p.152)。
私たちにとっての世界は、個人の内部の